とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

FC東京、セレッソの虚に乗じ、決勝進出を決める

 セレッソFC東京。お互い、パスとドリブルを織り混ぜて速い攻撃を仕掛ける似たようなサッカーをするチーム同士の対戦。特に今シーズンJ2で優勝したFC東京がどんなサッカーをするのか興味があった。
 ゲームは前半と後半で全く違った様相。前半はFC東京ペース、後半セレッソ大阪ペース。そして勝負はセレッソが勝利に向けて動いたその虚を突いた形でFC東京がゴール。元旦の決勝戦は、マリノスを延長戦の末下したサンガとのJ2対決となった。
 前半、FC東京のボールがよく回る。パスがつながり、ルーカスが収めて、石川が再三ドリブルを仕掛ける。セレッソは山口、扇原のダブルボランチが全く機能しない。9分、羽生から谷澤、梶山がつないでルーカスがシュート。11分、石川のパスに、ルーカスがDF二人を抜いてドリブル。GKと一対一となるがシュートはサイドネットに外す。18分、今野のフィードからルーカスが右サイドに流し、石川が拾ってドリブルからシュート。GKキム・ジンヒョンがナイスセーブ。22分、谷澤から梶山、羽生とつなぎ、石川がシュート。23分、梶山のCKからDFがクリアしたところを羽生がシュート。何とか山口がライン上でクリア。さらに24分、右SB徳永のクロスを羽生が落とし、石川がシュート。GKキム・ジンヒョンがナイスセーブ。
 FC東京が攻めるに攻めるがどうしても得点にならない。でもこれは昨シーズンよく見たシーン。J2では勝てても来シーズンJ1でも通用するかかわからないぞと思ってしまう。しかしセレッソも清武がボールを触った場面以外、全く攻撃が形にならない。26分、CF杉本が右にドリブルしてキープ。戻して倉田のスルーパスキム・ボギョンが抜け出してシュート。サイドネットを揺する。これがセレッソ最初のシュート。30分には右SB丸橋のクロスを今野がヘッドでクリア。これを酒本が拾ってロングシュート。GK権田が弾いて、FWが詰め寄るところを必死に抑える。
 38分、左SB椋原のスルーパスに羽生が抜け出しシュート。DFがブロック。39分、徳永のフィードをセットプレーで残っていた森重がヘッドで落とし、今野がシュート。わずかに枠を外す。前半はFC東京の一方的なペース。
 だが後半に入り一転する。セレッソは杉本に代えてCFに小松。これで収まりどころができたのか、セレッソらしくパスがつながる。FC東京は守備からショートカウンターを狙う。9分、清武が落とし、キム・ボギョンがシュート。その後、14分ルーカス、20分梶山、21分羽生とゴール前に入っていけないFC東京ミドルシュートを放つが、いずれも枠を大きく外す。逆に23分の清武のコースを狙ったミドルシュートはわずかにポストの右。惜しい。
 セレッソは18分、扇原を引っ込め、ドリブラーの村田を投入。得点を取りに行くが、これが裏目に出る。32分、ボランチ高橋の縦パスを受けたルーカスがポストになって、回り込んだ谷澤がシュート。これが見事にネットに突き刺さる。セレッソは山口のワンボランチにして、バイタルエリアの守りが薄くなった。
 1点リードされたセレッソは37分、山口に代えて播戸を投入。ボランチは倉田、キム・ボギョンを下げて攻撃を仕掛ける。ロスタイム、倉田の縦パスを小松が落として、キム・ボギョンがシュート。だがGK権田の正面。47分、清武のクロスに小松のヘディングシュートはGK権田のファインセーブ。さらにCKに播戸が手でゴールに落とし込み、イエローカード。播戸の気持ちはわかるが、これはいただけない。最後は気持ちと気持ちがぶつかり合ってFC東京が守り切った。
 前半の攻勢の中でゴールを挙げられず、後半はセレッソ・ペースとなって、FC東京もこれで終わりかと思ったが、勝負を焦ったセレッソの虚を突く形でFC東京が決勝進出を決めた。決勝の相手はサンガ。マリノスとのゲームは見ていないが、アントラーズを下し、マリノスも延長で2点を加えて勝ち上がった。J2と言えど、乗っているチームは怖い。さてどんなゲームになるのか。意外な対戦だが、女子に続いてこちらの対戦も楽しみだ。