とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セットプレーの清武に対して、フランクフルトの乾は流れの中で活躍する。

 ブンデスリーガは既に第5節が行われ、3戦連続ゴールを挙げた乾とニュルンベルク連敗の清武と明暗が次第に鮮明になってきた。NHK-BSでは先日ようやく第4節、清武と乾が直接対決したニュルンベルク対フランクフルト戦を放送。録画して観戦した。
 最初からフランクフルトが押し気味だったが、序盤のうちはまだ元気なニュルンベルク守備陣が対応して互角に進む。逆にチャンスの数ではセットプレーから清武の正確なプレースキックがゴール前に入るニュルンベルクの方が多い位だ。
 2分のFKはペクハルトのヘディングにGKトラップがナイスセーブ。5分、9分、10分と連続して清武からのボールがゴール前に入り、チャンスを作る。20分、左SHエスバインのFKはわずかにポストの左。
 フランクフルトはカウンター気味に速い攻撃を繰り出すが、足下がおぼつかず、チャンスにまで至らない。乾になかなかボールが渡らず、日本人としてはイライラするが、必ずしも乾を嫌っているわけではなく、彼らの第1選択肢がゴール前ということらしい。
 そして25分、乾が蹴ったCKのクリアをCMローデが前に戻すと、CBアンデルソンのパスに入れ替わるようにFWホッファーが飛び出てシュート。フランクフルトが先制点を挙げた。その後は乾もボールに触る機会が増えてくる。28分、ローデの縦パスを右SBユンクが落とし、乾がシュート。GKシェファーにセーブされる。30分には清武のところでボールを奪われ、FWホッファーがドリブルで上がってキープから戻すと、乾がミドルシュート。GKシェーファーのファインセーブで止められる。
 ニュルンベルクは流れの中からのチャンスはほとんど作れない。それでも31分、清武の大きなサイドチェンジから右サイドでエスバインが起点を作り、クロスにペクハルトがヘディングシュート。GKトラップがセーブ。38分、清武のミドルシュートはポストに当たりはね返された。惜しい。
 後半も清武になかなかボールが入らず、ニュルンベルクの苦しいゲームが続く。3分、乾を起点にトップ下マイアーの落としからローデがスルーパス。ホッファーがシュート。8分、このゲーム初めて、清武から長いスルーパスが出るが、DFがクリア。10分、清武からのスルーパスにエスバインが走り込むが、そこで詰まってしまう。
 香川だともっとこまめにボールサイドに寄ってパスを要求する姿が見られるが、そこまでしなくても清武はチームの中心になっている。問題は清武に渡る前につぶされること。結局、セットプレーでしか活躍できない。11分、清武のFKにCBクローゼが飛び込む。最後はもう一人のCBニルソンに当たって枠外へ。13分、清武のCKにクローゼがヘディングシュート。しかしDFがナイスブロック。
 再三のセットプレーを決めきれずにいると、15分、フランクフルトが突き放す。左サイドで乾がボールを持つと、そのまま中にカットインしてDFの横を抜くミドルシュート。細かいステップにドイツ人DFが付いていけない。ゴール。
 ニュルンベルクは16分、マタとエスバインの両WGをあきらめ、ゲプハルトとフランツを投入。さらに25分には右SBチャンドラーに代えてFWにポルター。CMバーリッチュが右SBに下がり、シモンズのワンボランチにして反撃する。
 そしてようやく31分、清武のFKにポルターがヘディングシュート。1点を返す。その直後の31分、乾のミドルシュートはGKシェーファーがナイスセーブ。その後、40分、清武からポルターへ長いスルーパス。さらに45分、清武のクロスが起点となってポルターのシュートと攻めるが、決定的チャンスには至らず、このままタイムアップ。ニュルンベルクが清武を生かし切れずにその限界を露呈したゲームだった。
 フランクフルトもけっしていいゲームを展開しているわけではないが、攻守の切り替えや前への意識でニュルンベルクを上回っている。こうした姿勢の中で乾の技術が輝き、結果につながっている印象。清武におんぶにだっこのニュルンベルク。対して乾が持ち駒の一つとして活躍するフランクフルト。両チームの違いがよくわかるゲームだった。これは清武、大変だわ。