前々節ではサンフレッチェにロスタイムで森脇に勝ち越しゴールを入れられて、前節ではアルビレックス相手に0-5と崩壊。今節は同じく降格圏内を争うアルディージャが相手。振り返ってみれば、同じく残留争いのガンバにも0-5。いち早く降格を決めたコンサドーレにも敗戦と、下位チームにはことごとく勝利をプレゼントしてきたグランパス。しかしさすがにホームで3連敗はできない。気合を入れて始まったはずのゲームだったが・・・。
攻めてはいるが攻め切れない。5分、田口の長いFKに合わせた闘莉王のヘディングシュートはオフサイド。8分、田口から玉田がドリブルで前進して放ったシュートは枠を外す。14分、阿部のクロスをファーサイドで小川がヘッドで落とし、永井がネットを揺するがオフサイド。19分、阿部のアーリークロスにダニルソンがニアに走り込み、DFを抜いてシュート。だがGK北野がナイスセーブを見せる。
攻めてはいるが、今一つラストパスが通らない。最後の連携が合わない。アルディージャはまず守備を固めて、カウンター狙い。22分、右SHカルリーニョスが中盤でフリーとなってミドルシュート。25分には左SB下平が東とのワンツーからミドルシュート。グランパスは守備の場面で中盤を空けてしまう。寄せが甘い。
26分、田口のFKに闘莉王と増川が走り込むが届かない。逆に29分、カルリーニョスのスルーパスにノヴァコヴィッチが抜け出す。CB増川、GK楢崎と体勢を崩したが、シュートは外してもらった。30分にも東のスルーパスにノヴァコヴィッチがシュート。これは闘莉王がブロック。お互いミス合戦の様相。中盤を空けて攻め合うが、最後の場面でミスを繰り返す。
38分、田口がこのゲーム3本目の長いFK。ダニルソンのヘッドはドンピシャだったが、GK北野がスーパーセーブ。グランパス唯一の可能性もゴールにつながらない。39分、カウンターからチョ・ヨンチョルがミドルシュート。GK楢崎がセーブ。43分、田口の縦パスを永井が右に流し、金崎がシュート。DFがブロック。45分、東が青木とのワンツーで抜け出しシュート。GK楢崎がファインセーブ。前半は序盤こそグランパス・ペースだったが、ミスを重ねるうちに次第にアルディージャのカウンターも決まるようになってきて、チャンスの多い展開。だが両チームとも決め切れない。
中盤、田口の両サイドでアルディージャをフリーにしたことの対応として、グランパスは後半から田口とダニルソンをダブルボランチとして並べてきた。田口の良さは消えるが、守備は安定する。どうしてだろう。消えなくていいのに。
8分、阿部のフィードに金崎が抜け出すが、そこで停滞。永井がクロスに合わず。玉田が落として田口が永井とのワンツーで抜け出すが、GK北野が抑える。金崎が抜け出した後の約束事がない。直後にはチョ・ヨンチョルのクロスをノヴァコヴィッチが落として東がシュート。アルディージャの方がシンプル。
10分、金崎から玉田がドリブルで走り込み、クロスを入れるが永井に合わない。12分、田口のクロスに玉田のヘディングもうまく合わずに体勢を崩す。14分、玉田のドリブルから小川のクロスに永井が走り込むが、GK北野がキャッチ。15分、金崎のサイドチェンジから永井がクロス。小川のシュートは大きくふかす。どうしても合わないグランパス。対するアルディージャの攻撃はシンプル。19分、カルリーニョスからのスルーパスに抜け出したチョ・ヨンチョルがシュート。だが、アルディージャもシュートが決まらない。
グランパスは24分、田口に代えて藤本。33分には金崎に代えてダニエルを投入。ついに闘莉王を前線に上げる。36分、藤本のFKを永井がつないでダニエルがシュートも枠を外す。38分、後方からのフィードに闘莉王が走り込み、クロスを藤本がヘディングシュート。役割が逆。41分、藤本のCKに闘莉王がヘディングシュート。このゲーム最大のチャンスだったが、GK北野がスーパーセーブ。強烈シュートを弾き出す。
ロスタイム1分、アルディージャも青木の縦パスから金久保が抜け出しミドルシュート。だがGK楢崎がナイスセーブ。ポストを叩き、はね返る。グランパスも3分、闘莉王のスローインから藤本のクロスが入るが、玉田に合わない。
結局、最後まで息が合わない。ため息のオンパレードでスコアレスドロー。サンフレッチェは次第に期待が高まっていくゲームだったが、グランパスは次第に期待がしぼんでいくようなゲーム。「こいつら、いつまでやっててもシュート、決まんないだろ」と言いたくなるような。
どうやって得点を取っていくのか、明確な共通理解がないままゲームに臨んでいる。金崎がドリブルしてもいつクロスが入るんだろう。田口のロングパスには出されてから走り込む。永井が走り込んでも誰も見ていない。もっとシンプルでいい。誰か明確な意思を見せてくれ。誰か中心になってくれ。存在感を見せてくれ。選手たちがバラバラのまま、ストイコビッチのため息の雲がチームを覆い、闘莉王の怒りの雷が鳴り響いている。
