ACミラン対インテルのミラノダービー。インテルは、フアン、サムエル、ラノッキアの3バックにカンビアッソとガルガーノのダブルボランチ。長友とサネッティをウィングバックに、攻撃はコウチーニョがトップ下に入り、ミリートとカッサーノの2トップという守備的な布陣で臨んだ。スナイデルが負傷欠場の中、この布陣が安定しているのかもしれない。しかも、好調の左WGエルシャラウィ対策に長友を右に、サネッティを左WBに起用した。
序盤3分、ミランのアッレグリ監督が執拗な抗議。これでリズムが狂ったか、直後のFKをカンビアッソが蹴ると、ファーサイドで倒れながらサムエルがヘディングシュート。これが決まり、インテルが開始早々に先制した。
長友はエルシャラウィを徹底マーク。ガルガーノとラノッキアとのマークの受け渡しもうまく決まり、ミランの攻撃を自由にさせない。6分、カッサーノのCKのこぼれ球を長友がボレーシュート。7分にはミランのGKアッビアーティのパスミスをミリートが受けてシュート。CBメクセスがブロックに入ったが、序盤はインテル・ペースで進む。
それでも攻撃力はミランの方が上。14分、右WGエマニュエルソンがFKを中央に流し、CHモントリーボがミドルシュート。わずかに左。19分、モントリーボのスルーパスにCFボージャンがわずかに触り、エルシャラウィが走り込む。だが長友がナイスマーク。エルシャラウィを自由にさせない。23分には左SBデシリオも攻撃参加。中へのパスにエルシャラウィがミドルシュート。GKハンダノヴィッチがキャッチ。
30分には右サイドからSBボネーラが上がる。エマニュエルソンとのワンツーからクロスにOHボアテングがシュート。またも枠の外。33分、ガルガーノが中盤でボールを奪いカウンター。ドリブルで上がり、ミリートのクロスにガルガーノとCBメクセスが競る。最後はミリートがクロス性のシュート。40分、ボージャンのスルーパスにエマニュエルソンが抜け出すが、GKハンダノヴィッチがパンチングでクリア。こぼれ球をボアテングが強烈シュート。だが、エマニュエルソンのプレーがファール。インテル救われる。
ミランは有名選手はいなくなったが、堅実でキレのある選手が揃っている。1トップのボージャンが運動力多く献身的なプレーを見せると、両WGのエルシャラウィとエマニュエルソンが攻撃を仕掛け、ボアテングが中央でコントロールする。ボランチはデヨングが守備的、モントリーボがリズムをつくる。だが、決定力が足りない。前半は1-0のまま終了した。
インテルは後半始めからコウチーニョに代えてグアリンを投入。3ボランチにして一層守備的になる。ところが3分、長友がハンドの反則で2枚目のイエローカード、退場を宣告される。ちょっとびっくり。そんなに悪質には見えなかったが、ヴァレーリ主審はこのゲームだけで9枚のイエローカードを連発。これでインテルのゲームプランは完全に狂ってしまった。
守備でいい連携を見せていた右サイドにサネッティを回す。さらに7分にはカッサーノを交代して、左WBにアルバロ・ペレイラを入れる。ミランは5分、右SBにボネーラに代えてアバーテ。さらに12分には左SBデシリオに代えてロビーニョを投入。エマニュエルソンを左SBにするが、実質ジェペスとメクセスの2バック状態。
19分、モントリーボが強烈なミドルシュート。GKハンダノヴィッチが弾いたところをボージャンがクロス。ボアテングのボレーシュートはうまくミートせず。22分、エマニュエルソンのクロスからモントリーボがミドルシュート。GKハンダノヴィッチが弾いたところをボージャンが詰める。が、足を滑らす。
26分にはエルシャラウィに代えてパッツィーニを投入。ほとんど4トップ状態。インテルもミリートに代えてパラシオ。前線に運動量を加え、カウンター狙い。30分、ロビーニョのクロス。パッツィーニが届かず。32分、エマニュエルソンがミドルシュート。35分、ボアテングのクロスをロビーニョが落とすが、パッツィーニが空振り。GKハンダノヴィッチがナイスセーブ。そして37分、ロビーニョの縦パスをパッツィーニが受けてポストプレー。右サイドをロビーニョが抜けていく。PA内でサムエルに当たり倒れる。PKのアピール。だがファールを取らない。微妙な判定だが、身体に当たっただけではPKまでは取りにくい。
その後もミランが攻めるが、最後までインテルの堅守が変わらず守り切って1-0でミラノダービーに勝利した。けっしてかっこいいサッカーではないが、イタリアらしいサッカー。インテルはこのサッカーで今シーズンを戦っていくのだろうか。そうであるなら、長友の出場機会はこれからもあるだろう。もっとも次節出場停止になるが・・・。
