とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

親善試合フランス戦初勝利。×長谷部、ハーフナー。◎今野、川島。

 ヨーロッパ遠征初戦のフランス戦。火曜日にW杯予選スペイン戦を控えるフランスは、前半はけっこうベストに近いメンバーで戦ってきた。これに対して日本は好調の選手と不調の選手が混ざって攻撃がつながらず、受けてしまった。
 4分、メネズのCKにコシエルニがヘディングシュート。長谷部が粘り切れない。5分にもCKからメネズが切り返してシュート。7分にはジルーがドリブルからクロスにベンゼマがヘディングシュート。フランスはジルーの1トップに左にベンゼマ、右にメネズ。もっともメネズはいつものように運動量多く自由に動き回る。カプエをアンカーに右にシソコ、左にマトゥイディ。16分、マトゥイディのクロスにジルーが飛び込むが、わずかに届かない。
 しかしスペイン戦に向けてモティベーションの高いフランスはプレスも高い。日本は16分、右SB酒井宏樹のクロスにハーフナー・マイクがヘディングシュートを打つが、これが前半唯一のシュート。フランスは両SB、右ドゥビュシー、左クリシーもよく上がって攻撃に参加する。
 日本は長谷部がダメダメ。身体が重そうでマークは振り切られるし、ゲーム勘も悪くパスが出せない。ハーフナー・マイクも動きが悪い。もっとも彼はそもそもその程度の選手だが。酒井はよくがんばっていたが、メネズ、ドゥビュシーがよく動くものだから、清武とともに守備に追われた。がんばっていたのは今野と吉田。吉田にゴール前を任せると、今野が不調の長谷部をカバーして中盤まで自由に動いていた。
 18分、メネズとベンゼマが左サイドから数回のパス交換で日本の中盤を翻弄して前進。最後はドゥビュシーがシュート。25分にはCBコシエルニからの長いスルーパスにドゥビュシーがクロス。ベンゼマが胸トラップから一度ボールを引いてシュート。技術を見せる。さらに31分、香川の落としをジルーが奪って左に展開。ベンゼマのクロスにジルーが走り込むが、シュートは打てず。長谷部の動きが悪い。ハーフナーもプレスはどうした。
 そして39分、ゴール前のFK。日本の壁の右を抜いたシュート。GK川島がよく読んでナイスセーブ。前半の日本はボールを持っても、誰ももらいに行かない。チェレンジができず、ひたすら守るばかりのゲームだった。逆にフランスは決定力こそ課題だが、攻撃の連携性、守備のプレスとカバー。スペイン戦に向けて好感触の前半と言える。
 そこで後半は新戦力を試しにいく。右SBドゥビュシーに代えてジャレ。左SHマトゥイディに代えてシャントーム。ベンゼマに代えてヴァルブエナを投入した。後半序盤は新戦力の選手たちが張り切って動く。日本は守勢に回るが、前半に比べれば戦う姿勢が見えてきた。
 10分、FKから遠藤がミドルシュート。GKロリスが弾いたところにハーフナーが詰めて、落としを香川がクロス。だが誰もいない。13分には遠藤から長友の縦パスをハーフナーが落とし中村がミドルシュート。GKロリスがセーブ。新しいメンバーが入ってフランスのプレスが弱まり、日本がパスを回せるようになってきた。
 18分、長谷部と中村に代えて細貝と乾を投入。香川をトップ下に置き、乾が得意の左SHに入る。すると20分、長友のパスを受けて乾がミドルシュート。フランスも23分、メネズに代えてリベリを投入。さらにカプエに代えてゴナロン。27分、長友から乾の縦パスを香川が落とし、乾が縦パス。ハーフナーは香川の前に落としたが、DFがクリア。あそこはハーフナーにシュートを打ってほしかった。
 28分、ヴァルブエナのCKをジルーがヘッドで落とし、コシエルニが首を伸ばすが届かない。29分にはリベリが清武と酒井を抜いてシュート。リベリらしい強引なプレー。酒井は引き続き守備に追われる。30分、長友のクロスにGKロリスが弾いたボールをハーフナーがヘディング。CBコシエルニがクリア。33分、ヴァルブエナのクロスをジルーが胸トラップからオーバーヘッド。途中交代のゴミスがネットに突き刺すが、ここはオフサイド。ジルーは吉田が徹底マーク。アーセナル戦では6失点を喫したサウサンプトンだったが、ジルー対吉田は完全に吉田の勝利。逆にジルーの絶不調を感じる。
 日本は40分、右SB酒井に代えて内田。CFハーフナーに代えて高橋を投入。守備を固め、カウンターを狙う。42分、ゴミスの落としをジルーがシュート。GK川島がファインセーブ。さらに43分、リベリのCKをゴミスが落としてヴァルブエナボレーシュート。これもGK川島がセーブ。
 すると直後のCKからゴミスの落としを今野が拾ってドリブルで上がると、右に流し、長友のクロスに右から左に走った香川がシュート。日本がついにゴールを挙げた。そしてタイムアップ。日本がフランスと対戦して6戦目で初めての勝利を挙げた。
 フランスとしては前半は納得のいく出来。後半は新戦力を試して攻め込まれ敗戦したものの、スペイン戦に向けていい準備ができたのではないか。日本も初勝利はうれしい。次のブラジル戦、香川のトップ下先発起用が見られるだろうか。ザッケローニ監督の選手起用が注目される。