とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ファーガソン監督は未だお試し中。香川は可もなし、不可もなし。

 プレミアリーグ第7節、ニューカッスルマンUのゲーム。香川は先発出場するも、後半10分に交代してしまった。だが、それ以上に興味深いのはマンUの布陣。キャリックをアンカーに左にクレバリー、右に香川と中盤を並べ、ルーニーがトップ下。ウェルベックファンペルシーが2トップに並んだ。
 序盤からマンUのパスがよく回る。5分にはクレバリーのサイドチェンジをファンペルシーが落とし、エバンスがつないでウェルベックがシュート。しかしシュートが弱く、GKハーパーが難なく抑えた。7分にはキャリックの長いスルーパスファンペルシーが走り込み、ライン際からシュート。これもGKハーパーが身体に当て、CKに逃れる。そして8分、ファンペルシーが蹴ったCKにエバンスがドンピシャ・ヘッドを叩き込んで、あっさりとマンUが先制した。
 ニューカッスルはティオテとグティエレスがダブルボランチ、右にキャバイエ、左にベンナルファを並べる中盤。トップはデンバ・バとシセ。だがCBコロッチーニとGKクルルが不在で守備が手薄なせいか、攻撃も単発的。ほとんどチェンスをつくることができない。10分、ベンナルファが中盤で数人を抜くドリブルを見せるが、最後はDFラインに捕まった。
 逆にマンUは好調に攻めていく。11分、ラファエルがファンペルシーとのワンツーで駆け上がり、シュート。12分にはバックパスを蹴ったGKハーパーのパスをウェルベックがカット。そのままGKをかわしてシュートするが、ゴールに入らない。そして15分、PA前やや左で得たFKをルーニーが蹴る。GKハーパーがナイスセーブで弾き出すが、続くCK。やはりルーニーが蹴ると、今度はエブラが走り込んでヘディングシュート。早くも2点目を挙げて、ニューカッスルを突き放した。
 ニューカッスルは18分、ベンナルファのクロスのクリアからグティエレスミドルシュートを放ったのが初めてのシュートではなかったか。21分、左サイド、ベンナルファのドリブルに香川が遅れてタックルに入り、プレミアリーグ初のイエローカードをもらう。25分、キャバイエのCKにデンバ・バがヘディングシュートを見せたが、枠に飛ばず。ゲームはこのまま前半を終えた。
 香川の右サイドは可もなし、不可もなし。攻撃的な右SBのラファエルの前で、連携を取ってラファエルの仕掛けを助ける場面もあり、またトップ下に入ったときにはあれほどバッティングしたウェルベックからもパスを受けては連動し、チームの駒としての役割は十分果たしていた。しかし、守備の場面ではベンナルファや左SBファーガソンの攻撃に対して緩いマークに終始。この点は守備でもよく動いてここぞという場面でタックルを決めるルーニーや執拗な守備を見せたパク・チソンとは違う。
 後半に入るとニューカッスルも攻めてきた。5分、左SBファーガソンからのクロスにデンバ・バとGKデヘアが競り合い、ボールはバーを叩く。はね返りをシセがヘディングで押し込むも、GKデヘアがセーブ。CBエバンスが大きくクリアした。10分にもキャバイエのクロスからデンバ・バのヘディングシュート。やはりニューカッスルの左サイドからの攻撃に対して、香川、ラファエルの軽量級2枚では辛い。10分、香川をバレンシアに交代する。
 合わせてクレバリーボランチに下げ、右にバレンシア、左にルーニー。これでマンUの守備が安定し、ニューカッスルの攻撃も沈静化した。12分、クレバリーのスルーパスウェルベックが抜け出し、ライン際から戻したところをクレバリーがシュート。15分にはティオテからボールを奪ったルーニーがドリブルで上がりシュート。逆にニューカッスルも18分、ベンナルファがミドルシュートを放つが、中盤、DFを固められ、コースが明かない。そして26分、PA右奥からクレバリーミドルシュート。これがゴール左隅にきれいに決まり、マンUが3点目。これでゲームは決まった。
 その後は守備を固めるマンUニューカッスルもショラ・アメオビらを投入するが、膠着状態から抜け出すことはできず、そのままタイムアップ。マンUが5勝目を挙げて2位をキープした。
 香川はこの布陣でもそれなりにフィットはしたが、守備の場面では弱点を露呈。やはりもっと攻撃的に使いたい。ウェルベックと併用するにはこのポジションでということか。まだまだファーガソン監督はいろいろな布陣を試して、相手に応じて、また選手の調子に応じての引き出しを増やそうとしているのだろう。香川にはこれからもいろいろな使い方がされるのだろうが、調子を落とさず喰らい付いていったほしい。どのポジションでもこなせるユーティリティさをファーガソン監督も評価し、期待しているように思う。