とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

{サッカー]ナビスコ杯はアントラーズが2連覇。だが、リーグ中位同士の対戦の域を出ず。

 アントラーズエスパルスとなった今年のナビスコ杯決勝。エスパルスは大前、高木、キム・ヒョンソンの若い3トップ。中盤も河井、八反田、村松と若い。対するアントラーズも小笠原が中盤を締めるものの、残りのメンバーは若い。ダブルボランチで本田。左右SHに遠藤と柴崎が開き、大迫の1トップに興梠のシャドーという布陣。CBは青木と岩政で組んだ。
 序盤、エスパルスが攻撃の姿勢を見せるが、アントラーズがきっちりとマークを付けて、エスパルスの攻撃を機能させない。ようやく14分、右SB吉田のクロスのクリアを高木がボレーシュート。だが曽ヶ端が弾き出す。中を固められたエスパルスは高木や左SBイ・キジェからクロスを入れるが、ことごとくアントラーズのDFにはね返される。両チームとも中盤のプレスが厳しい。アントラーズも大迫にボールが入ることが少ない。
 42分、ようやく大迫のポストプレーから遠藤を経由して右SB西がクロス。だが、エスパルスヨンアピンを中心としたCBがはね返す。見所も少ないまま前半を終えた。
 後半に入り、アントラーズが最初からドゥトラを投入する。大迫の1トップに収まらないので、2トップにして抜け出しを狙う。するとこれが機能する。1分、小笠原のスルーパスに大迫が抜け出し、クロスにドゥトラが飛び込む。7分には右サイド、イ・キジェからボールを奪った遠藤が抜け出し、ドゥトラをポストに遠藤がシュート。さらに11分、本田のスルーパスドゥトラがドリブルで抜け出しシュート。GK林がナイスセーブを見せる。
 エスパルスはなかなか攻撃が形にならない。13分、八反田を起点に吉田のクロスにまた高木がボレーシュート。だがうまく足に当たらない。
 すると26分、CKをはね返したカウンターから遠藤が縦パス。ドゥトラが抜け出し、クロスに柴崎が走り込む。ドゥトラの受け渡しでエスパルスDFが後れを取ったところ、イ・キジェが思わず手をかけて倒してしまう。PK。これを柴崎が落ち着いて決めてついにアントラーズが先制した。
 ところが29分、この日の主審、家本さんが不思議な判定。大前のCKに八反田と増田が競って、そこにCB平岡が飛び込む。八反田に当たり倒れ込むと、家本主審がPKの判定。これを大前が決めてエスパルスが拾いもののゴールで同点に追い付いた。その後は両チームとも攻めあぐねる。ロスタイムに大前のFKにキム・ヒョンソンがヘディングシュートを放つ場面があったが。結局決まらず、延長戦に突入した。
 延長戦3分、アントラーズが左SH増田の大きなサイドチェンジから西のスルーパスに柴崎が走り込み、ワントラップ目で抜け出してシュートを決める。ゴール。アントラーズが1点をリードした。
 その後はエスパルスが前線に瀬沼を入れて、高い2トップめがけて放り込む戦法。もっとも中盤でボールを奪われ危ない場面も再三。12分、吉田のクロスに高木のシュート。15分、同じく吉田のクロスにキム・ヒョンソンのヘディングとシュートを放つが、守備を固めるアントラーズにチャンスが少ない。結局、延長後半も守り切って2-1でアントラーズが勝利。2年連続、ナビスコ杯をゲットした。
 リーグは不調でも必ず一つはカップを取る。さすがアントラーズといったところか。だが同時に、リーグ中位チーム同士の退屈な展開に終始したという印象も否めない。アントラーズも守備は一流だが、攻撃のバリエーションが少ない。もっと柴崎が攻撃的にプレーすると面白いのだが、それはきっとアントラーズの哲学に合わないのだろう。とりあえずアントラーズ、おめでとう。