とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

今年のアントラーズはバランスがいい。ベガルタを3-2で下し、今季初勝利。

 興梠を放出した代わりにダヴィを補強。野澤が戻って、ジュニーニョが左SHになじんだ今年のアントラーズは非常にバランスがいい。お互いポストプレーも抜け出しもできる大迫とダヴィ。正確なパスの野澤と突破のジュニーニョ。柴崎と小笠原はお互いバランスよく攻守を交代する。対するベガルタは角田と富田を共にケガで欠いて、序盤、リャン・ヨンギと鎌田のダブルボランチで組んできた。
 4分、小笠原の縦パスを大迫が受けてシュート。GKセーブのこぼれ球をジュニーニョがシュート。GK林が好セーブを見せる。ベガルタも6分、カウンターから右SH太田が駆け上がりシュートを放つ。アントラーズがボールを回して隙を窺い、ベガルタがカウンターを狙う。序盤はアントラーズ・ペースでゲームが進む。
 22分、FWウィルソンのドリブルで得たゴール正面のFKをリャン・ヨンギがシュート。GK曽ヶ端が横っ飛びナイスセーブ。ここからベガルタが次第にボールをキープできるようになる。鎌田をアンカーにリャン・ヨンギと松下をCHに並べ、大田とウィルソンが左右に開く4-1-4-1に変えたのが功を奏した。28分には鎌田の縦パスを赤嶺が落とし、リャンがミドルシュートベガルタらしい攻撃が見え始める。
 ところが29分、中盤でジュニーニョがボールを持つと、マークの松下を背負い、右SB菅井を抜き去り、そのままドリブルで前進。シュートのはね返りを野澤がシュート。DFに当たってコースが変わったところにダヴィがダイビングヘッド。アントラーズがぶ厚い攻撃で先制した。
 後半頭からベガルタは足に不安を抱えた菅井に代えて大卒ルーキーの蜂須賀を投入。キックオフ直後の33秒、ウィルソンが右サイドを駆け上がると、クロスに赤嶺のシュートはミスキック。だがこぼれ球を拾った太田がうまく回り込みシュートを放つ。これが決まり、ベガルタが同点に追い付く。
 ところがその直後の2分、柴崎から右に展開し、右SB西のクロスを大迫が受けると、CB渡辺を背負って素早く反転シュート。あっという間にアントラーズがまた突き放す。そしてさらに3分、今度は小笠原から右に展開。大迫が前に流すと、走り込んだ野澤のクロスにダヴィがニアに飛び込む。ゴール。なんとわずか後半3分で3-1。
 その後、アントラーズが無理攻めをせず、ゲームをコントロール。大迫が前線でボールを収め、柴崎と小笠原のボランチがうまくボールをキープし時間を使う。ベガルタは19分、松下に代えてヘベルチを投入。するとまたゲームが動く。22分、カウンターからヘベルチがドリブルで駆け上がると、スルーパスにウィルソンが走り込みシュート。ゴール。ベガルタが1点を返す。さらに24分には大田がゴール前をドリブルで回り込んでシュート。ベガルタに反撃の勢いが出てくる。
 だがここからアントラーズが試合巧者ぶりを発揮。29分中村、32分には岩政に代えて昌子を投入。さらにダヴィが倒れて時間を使う。ベガルタも36分、武藤を投入。しかしあまり役に立たない。45分、ウィルソンのドリブルからクロスに赤嶺がヘディングシュート。しかしDFがしっかり寄せて枠を外す。このまま時間が過ぎて3-2でアントラーズが勝利した。
 今シーズンのアントラーズは本当にバランスがいい。ダヴィの攻撃力、大迫やジュニーニョまでよく下がって守り、柴崎と小笠原でゲームをコントロール。優勝争いも不可能でない。一方、ベガルタは角田と富田の欠場が響いた。それでも1点差に追い付く粘りは昨年までと変わらない。ACLといかに両立できるかが課題だ。