とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

楢橋と本多の活躍でグランパス初勝利! って、相変わらず何だかな?という戦い。

 開幕第3戦にして早くも闘莉王をCFに起用してきたグランパスケネディが不在の時の窮余の策とは言え、オフシーズンいったい何を練習してきたんだ。そして案の定、トップで待ち構えるだけで攻撃の形作りには参加してこないから、どうしても攻撃の枚数が1枚足りなくなる。その分を本来SBの本多をCBで起用することで補ったのかもしれないが、少なくとも序盤は本多も初先発で堅さがあった。
 開始7分、藤本から玉田がドリブル。小川のスルーパスに藤本が走り込み、クロスを中で闘莉王とDFが競った。が、これ以降はヴァンフォーレの高く速いプレスにグランパスが苦しむ。ワンボランチの田口の両サイドはヤキモフスキーと藤本が下がって埋めるが、下げさせられて攻撃に移れない。
 ヴァンフォーレが再三、右SH柏やFW金子のドリブルで攻め上がる。29分、柏の仕掛けから羽生がヒールで落とし、柏のクロスに金子がシュート。32分には左サイド中盤の混戦の中から左SB松橋が縦パス。FWウーゴが受けてうまく反転、シュートを放つがGK楢崎がナイスセーブ。さらに42分には右SB福田のクロスのクリアを羽生が拾って、CB盛田がシュート。GK楢崎がファインセーブ。こぼれ球を再び盛田がシュート。今度はCBダニエルに当たり、ポストがはね返す。そしてアディショナルタイム1分、福田のCKにCH佐々木がニアに飛び込みヘディングシュート。GK楢崎のスーパーセーブで弾き出す。前半はGK楢崎さまさま。何とか守り切ったグランパスだった。
 後半に入っても激しい攻防が続く。グランパスは本職ではない本多がよく守る。アジリティがあるので、ゴール前に迫った相手に対してうまく身体を入れて自由にさせない。対するヴァンフォーレもCB土屋がよく効いている。闘莉王に互角に競り合い、全くいい場面を作らせない。そして11分、藤本から右SB田中隼磨がうまく右サイドを抜け出そうとしたところをヴァンフォーレの左SB松橋が倒してしまう。このゲーム2枚目のイエローで退場。藤本のFKはいったん壁に当たってはね返りを中に流し、田中隼磨ミドルシュート。GK荻もナイスセーブで弾き返した。
 13分、一人多くなったグランパスヤキモフスキーと藤本に代えて矢野とダニルソンを投入。中盤を田口とダブルボランチにして前線は矢野と闘莉王の2トップ。対するヴァンフォーレは左SBに佐々木を回し、CHに保坂を投入。守備の枚数を変えず、闘莉王は相変わらず機能しないので、ようやく10人対10人の同人数になった感じ。16分、ヴァンフォーレのFKに土屋が飛び込みヘディングシュート。GK楢崎がまたもスーパーセーブを見せる。
 19分には動きの悪いダニエルに代えて磯村を投入。CBが二人とも本職ではない選手になる。それで攻めるはずのグランパスだが、ヴァンフォーレががっちり守ってグランパスは外からの放り込みに終始する。そしてヴァンフォーレがカウンター。本多、磯村、ダニルソン、田口と守備の枚数は揃い、ヴァンフォーレの攻撃には何とか対応するが、後ろで人が余っている分、前で互角の人数。どうしても中で優位になれない。
 このままドローと思われたアディショナルタイム4分、小川がドリブルで倒されて中盤深い位置でFKを得ると、田口が放り込んだボールをGK荻がいったんキャッチするもこぼすと、そこに本多が詰めてシュート。終了間際、劇的なゴールでグランパスが勝ち越し、そのまま勝利した。
 ヴァンフォーレにとっては終始攻勢に立ちながらの悔しい敗戦。GK楢崎が最後まで立ちはだかった。そしてもう一人のヒーローが本多。身長は低いがよく読みよく走ってヴァンフォーレの攻撃の芽を摘んだ。そして最後はラッキーゴール。まさに鮮烈のデビューを飾った。
 それにしてもストイコビッチ監督は何がしたいんだろう。本多がうまくプレーしたからよかったものの、どうして第3戦目からこんな博打を打たねばならない。しかもダニエルに代えて磯村とは? こちらも確かに十分機能してはいたが、選手の方が戸惑っていた。FW闘莉王は完全に封じられ、闘莉王を狙ったクロスも数少ない。どうやって得点を取ろうとするのか、まったく見えない。というか見え見えで防がれている。勝利がなければ監督交代もあり得たが、ストイコビッチの悪運はいつまで続くのか。それにずっと付き合わされ続けているこちらの身にもなってくれ。