とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

田中美南と田中陽子の競演。阪口と澤が裏で支える好ゲーム。勝負は経験の差でレオネッサに軍配が上がる。

 なでしこリーグ第8節は首位を走るレオネッサ対2位で追うベレーザの対戦。だがくノ一戦の敗戦が響き、勝ち点差は既に5ポイント。ベレーザとしては何としても勝ちたいゲームだった。
 そこで序盤からベレーザが積極的に前からプレスをかけて攻めていく。だが、レオネッサも負けずに反撃。序盤から激しい攻め合うが見られる面白いゲーム。中でもレオネッサ、左FW木龍の仕掛けとCB土光の落ち着きが目に付く。11分、CH阪口が積極的にミドルシュート。対するレオネッサも川澄の正確なクロスに3分左FW田中陽子、12分にはCH南山が飛び込んでいく。
 それにしてもベレーザのメンバーが若い。11人中10代が6人。田中美南ですら10代のうちの最年長。上から6番目。これでレオネッサに互角で戦うのだからスゴイ。15分には木龍のドリブル突破からスルーパスにCF田中美南が抜け出し、クロスにCH隅田が走り込む。17歳。
 レオネッサの最年少は田中陽子が19歳。16分、田中陽子がドリブルから切り返してミドルシュート。GK曽山がナイスセーブ。直後のCKから右SB中島のクロスにCB田中明日菜がヘディングシュート。バーを叩いた。19分には右FW籾木からのパスを受けて田中美南がドリブル突破。DFをかわしてシュート。これもGK海堀がファインセーブ。互角の戦いが続く。
 そして34分、澤から大きく右にサイドチェンジ。川澄が収めて正確なクロスを入れると、CFゴーベル・ヤネズがヘディングシュート。ついにレオネッサが先制した。競り負けた土光にはいい経験になった。36分、田中陽子がドリブルから右に流し、CH長谷川がミドルシュート。彼女はなんと16歳。前半は1-0レオネッサのリードで折り返した。
 後半初めにゴーベル・ヤネズに代えて高瀬を投入。後半は序盤からレオネッサのプレスが速い。9分、CB甲斐のフィードに川澄が抜け出し、クロスに高瀬が競り合う。川澄の抜け出しの速さとクロスの正確さは群を抜いている。逆に10分、木龍のクロスは正確性を欠いて田中美南に合わない。
 15分、川澄がドリブルで抜け出し、クロスに走り込んだ田中陽子がダイレクトでシュート。19分、今度は田中美南がドリブルで抜け出しシュート。GK海堀の正面。21分、高瀬から川澄のクロスに左SB渡辺がヘディングシュート。フリーだったが外してしまった。ベレーザは25分、籾木に代えて原を投入。長谷川を右FWに上げる。
 そして33分、高瀬がPA前でドリブル。土光がよくマークしたが倒してしまいFK献上。チ・ソヨンのFKに高瀬がファーサイドでヘディングシュート。ズドンと突き刺し、レオネッサが追加点を挙げた。だがそこから壮絶な点の取り合いが始まる。
 まず36分、田中美南が眼の覚めるようなミドルシュート。強烈な反撃弾で1点を返すと、すぐに37分、今度はチ・ソヨンがドリブルでCB二人を抜いてGKのニアを抜くシュート。3-1。さらに38分、今度はCH原のスルーパス田中美南が抜け出し、切り返しで田中明日菜をかわしシュート。3-2。そして40分、木龍のスルーパス田中美南が抜け出しシュートを放つ。が、今度はGK海堀の正面。同点に追い付くことはできなかった。
 そしてアディショナルタイム1分、川澄がスルーパスで抜け出し、独走からクロスに田中陽子が走り込みシュート。レオネッサが4-2と突き放してゲームを決めた。さすがレオネッサは強い。そして地味ながら、澤と阪口が持ち前のキープ力と展開力を披露し、このゲームを陰で支え、締めていた。
 これで勝ち点差はついに8。今シーズンも予想どおりリーグはレオネッサの独走になってきた。だが若いベレーザもよく戦った。レオネッサの経験の前に敗戦を喫したが、それ以上に積み上げた財産がある。こうしたゲームを続けることが将来のなでしこジャパンの成長につながる。よくがんばった!ベレーザ