とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

松代、須坂、<奥山田温泉>、戸隠+鬼無里

 娘が就職して給料をもらうようになって初めての夏。2年前に夫婦で行って「良かった。もう一度行きたい」と言っていた温泉・満山荘へまた行こうかと娘が言う。「今度は私がおごってあげるよ」と。喜んでお世話になることにして、親子で休暇が取れる9月20日(金)に娘が宿を予約をした。
 その日が来るのを長く心待ち。職場でも「その日は絶対ダメ!」と周囲にアピール。無事、休暇が取れて、20日の朝8時過ぎに家を出た。運転も娘。途中、駒ヶ岳SAで休憩し、11時半には松代に着いた。松代はこれまで夫婦で旅行した際に2回ほど寄ったことがある。昼食をいつもの「食いしん坊 かじや」に行こうと決め、それまでしばし松代の町を楽しんだ。真田邸、旧樋口家住宅、文武学校、そして旧白井家表門。「真田邸」でお庭を見てのんびりし、「旧白井家表門」でボランティアのおじさんからお茶と漬物の接待を受ける。郷土愛が伝わってきていいね。
 それから「食いしん坊 かじや」へ。1575円のかじや膳3つ。長芋のスープ、長芋の田楽、信州サーモンの燻製、山かけご飯、山芋のデザートなど。それにしても妙にチープで変にこだわった相変わらず不思議なお店だ。
 食事が終わったら、次は須坂に向かう。途中、ナビは高速を指示するものの、ICに入りそびれ下道を走る。おかげで五輪大橋有料道路を走り、長野五輪の会場となったホワイトリングエムウェーブを見ることができた。エムウェーブってナウシカに出てくるオームみたいだ。
 須坂に着いたのは2時半位。蔵のまち観光交流センターの駐車場にクルマを停め、まずは「須坂クラシック美術館」へ。立派な母屋の意匠と2階の抜け道、簡素な上店などが興味深い。お隣の牧家も立派。表門の一枚板の扉は見事。ぼたもち石積みの土台もよく見える。商家が続く町並みをそのまま歩くと「ふれあい館 まゆぐら」。移設した立派なまゆぐらに養蚕業の展示と機織りの実技。案内の女性がお茶とおいしい漬物を出してくれる。
 田中本家博物館等との共通入館券を買うと付いてくる紅茶を飲みに「蔵のまち観光交流センター」へ戻る。すると案内のおばさんが現われて須坂の町を説明してくれる。対面の牧家の造作や戦前・戦中に一宮市や東京築地へ奉公に出たことなど。凛として博学な知識についつい長居をしてしまう。それから「豪商の館 田中本家博物館」へ。特別企画展「田中家に残されていた、江戸・明治・大正・昭和の婚礼衣裳展」をうっとりと眺める。すごい。その後、お庭を見て、屋敷を見て、少し試食して、時間を気にして博物館を後にする。
 満山荘に着いたのは4時半過ぎ。着いたらすぐに、日本秘湯を守る会の台帳にスタンプを押してもらう。3年間でスタンプを10個貯めると1泊プレゼント。って、丸2年で2個目なんですけど。宿泊代が2年前に来た時よりも3000円近く高くどうしてかと思ったら、理由がわかった。前に泊った3階部分が全面的に改装され、すごくリッチな高級部屋に。ベッドが2台収まった寝室に和室。スキップフロア上段の洋室には外に向けてソファが置かれ、長野市街そして北アルプス連山を眺めるベランダには吊下げ式のラグジュアリーチェア。風も涼しく気持ちいい。
 まずは温泉に入って露天風呂でのんびり。湯船から沈む夕陽を眺める。もっともベストポジションは他の客に占められていて、気が付いたら太陽は沈んでいた。18時半から食事。秋の献立は2年前とあまり変わっていないが、どれもこれも口にするもの全てが美味。うっとり。するとそこにタヌキが現われ、ベランダの上で食べ残しをおねだり。野生のタヌキなんて初めて見た。
 食事後、もう一度お風呂。湯上り後のんびりしていたら館主のおじいさんが現われ、話を始める。これがいつになっても終わらない。眠気が襲ってきたので途中で退散して部屋に帰った。おやすみなさい。22時に男女の風呂が入れ替わる。妻と娘は23時位にもう一度入浴に行ったそうだ。
 翌朝は4時に目が覚めて外を見るとほぼ満月が山の中腹にかかっている。北アルプスの稜線辺りが薄いピンクに染まって美しい。写真を撮ればよかったとすごく後悔。5時半にもう一度起きて朝風呂に。既に露天風呂を楽しんでいる人がいて、朝の挨拶を交わす。朝食は8時からバイキング方式。これがまた旨い。いくらでも食べられる。おなか一杯。その後、もう一度入浴して、チェックアウトの11時近くまで宿でのんびりした。いやあ、よかった。娘よ、ありがとう。
 満山荘を出て、ナビは戸隠神社中社にセット。途中、果物の直売所でトイレを借りて、リンゴと巨峰を購入。1kg1000円は安いと思う。戸隠神社中社前の蕎麦処・山口屋に着いたのは13時近く。戸隠そばと舞茸の天麩羅を賞味。薄味だが、そばはおいしい。続いて、戸隠森林植物園に向かう。30年近く前に来たことがあるが、その時は天候が悪くただ来ただけで帰った。今回は森林浴を小一時間。サラシナショウマ、マルバヘビイチゴ、ヤマトリカブト、オオバセンキュウ。シジュウカラの群れが木立を渡っていく。一息ついて次は鬼無里へ向かう。道の駅に着いたが、もう終わっていた。閉店は16時。でもレストランに附属した売店でお兄さんと立ち話。えごまなど郷土の土産物を買う。
 さてでは帰ろう。白馬に向かって約30分。道の駅・白馬で小休憩。運転を娘に代わってもらって安曇野まで国道を走る。池田町のレストラン・家族亭龍門で夕食。山賊焼定食などを食す。豊科IC改め安曇野ICから長野道に乗り、恵那峡SAに休憩して22時に家に着いた。やはり暑い。特に翌日は昼間32度近くなり、信州の涼しさを懐かしく思った。娘にプレゼントしてもらった温泉旅行。ホント楽しかったよ。どうもありがとう。
 ちなみに平均燃費は21.4km/lでした。