とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア杯 準々決勝 日本対UAE

 日本のアジア杯が終わってしまった。中2日と中3日の差が想像以上に大きかったし、それ以上にDF陣が過去3試合、ほとんど攻められる場面がなかったことが失点につながった。警戒心が足りず、慢心が出てしまった。一方でUAEもいいチームだった。よく連動して守り、結局日本はそれを1回しか崩せなかった。まだまだアギーレ・サッカーは発展途上だということを明らかにした。
 序盤2分、左FW乾がドリブルで中に切れ込みミドルシュートを放つ。続くCKにはCF岡崎がヘディングシュート。しかしすぐにUAEも攻め込んでくる。3分、右SB酒井からボールを奪った左SHハマディのスルーパスにFWマブフートが抜け出し、GK川島と一対一のシーンを作る。ここはGK川島がストップしたが、前半7分、右サイド深い位置でCHアメル・アブドゥルラフマーンや右SHオマル・アブドゥルラフマーンらが短いパスを回して左SB長友らを引き付けると、CHアメル・アブドゥルラフマーンが大きくフィード。FWマブフートが一瞬の飛び出しでCB森重の裏を取ると、そのままシュート。これが決まり、あっさりとUAEが先制点を挙げる。
 その後もUAEもプレスが早い。9分、左SB長友のクロスに右FW本田のシュート。18分、右SB酒井のクロスに左FW乾がヘディングシュート。しかしGKナセルの正面。UAEは左SHハマディがやや下がって3ボランチの感じで中盤をしっかり守ると、ゲームのスピードがなかなか上がらない。32分、遠藤のCKから左SB長友のクロスにCB森重がヘディングシュート。GKナセルがセーブ。日本は中2日の影響か、動きが鈍い。
 前半終盤42分、左SB長友のクロスにIH遠藤がミドルシュートを放つも、枠に飛ばない。44分、右FW本田が中に切れ込んでシュートを放つがサイドネット。アディショナルタイム1分、左SB長友のクロスにCF岡崎、右FW本田と相手DFと競り合うが、ゴール前を固めるUAEのDFにはね返される。結局、前半はUAEの1点リードで終えた。
 日本は後半、積極的な選手交代を見せる。後半最初から左FW乾に代えて武藤。UAEは前半途中からマブフートを左SHに回し、ハマディを右SH、オマル・アブドゥルラフマーンをトップ下に入れる4-2-3-1にシステム変更。守りを固める。4分、左SHマブフートの落としからOHオマル・アブドゥルラフマーンのスルーパスにマブフートが抜け出しシュート。GK川島がセーブ。
 日本も落ち着いて反撃する。7分、IH香川から左FW武藤がミドルシュート。8分、IH香川が右に流し、IH遠藤のクロスに左FW武藤がヘディングシュート。しかしUAEが守る。9分、動きの鈍いIH遠藤に代えて柴崎を投入する。UAEも9分にボランチをCHハサンに交代すると、13分にはCFハリルに代えて左SHファルダンを投入。オマル・アブドゥルラフマーンをトップに上げて、さらに守る。15分、左FW武藤のパスから右FW本田が落とし、IH香川がシュート。GKナセルがナイスセーブ。逆に21分、一発のカウンターで右SHハマディが走りこむ。左SB長友と右SB酒井が必死に帰り、PA内で何とか挟んでボールを奪い返した。
 日本は20分、早くも3人目の交代で、CF岡崎に代えて豊田を投入する。30分、右IH柴崎のクロスにCF豊田がヘディングシュート。32分、本田のCKにGKナセルとCF豊田が競り合い、こぼれ球を左IH香川がシュート。しかし枠を捉えられない。相当に疲労している。34分、本田のミドルシュートも枠に飛ばない。それでも36分、右IH柴崎が右FW本田に縦パスを送ると、落としを柴崎が受けてシュート。これが決まり、ようやく日本が同点に追いついた。
 その後も勝ち越し点を狙って必死に攻める日本。39分、本田から左FW武藤がシュート。41分、左SB長友のクロスに左IH香川がシュート。GKナセルが弾いたボールをCH長谷部がミドルシュート。さらに右IH柴崎がシュート。しかしUAEが人数をかけてゴール前を固める。43分、本田のFKはGKナセルがファインセーブ。44分、柴崎からの大きいサイドチェンジを右FW本田がヘッドで折り返し、CF豊田が詰めるが、シュートならず。アディショナルタイム3分、右FW本田のスルーパスに右IH柴崎が走り込み、クロスに左IH香川がシュート。しかし枠を外す。
 必死に攻める日本だが、やはり4戦先発してきた選手たちの動きが重い。柴崎が何とか攻撃にアクセントを作っていくが、守りを固めたUAEの守備をそれ以上は崩せなかった。90分を終えて1-1。ゲームは延長戦に入った。
 しかし延長前半5分、長友が右太股裏を押えて痛みを訴える。本田が左FWに移り、みんなも気遣って、無理な攻めは自重する。それでも執拗に右サイドからの攻撃を狙うUAE。延長前半は何とか決定的な場面は作らせず、15分を終えた。
 延長後半には柴崎を右SBに移し、酒井を左SB、長友を中盤に上げて無理をさせずに守備陣形を整備する。これで意識が高まった日本がUAE陣内に攻め込んでいく。2分、CKから柴崎がクロス。CB森重がヘディングシュートを放つもDFにはね返される。4分、本田のFKはGKナセルがセーブ。13分、柴崎のFKはわずかにポストの右。これは惜しかったが、結局ゴールが奪えず、ドロー。勝敗はPK戦に委ねられた。
 そして最初の本田、6番目の香川が外して4-5。日本は準々決勝で敗退することとなった。残念。決勝まで進出できると当然思っていた。ゲーム内容もけっしてUAEに負けてはいないが、しかし圧倒的に強かったわけでもない。休養日数の差が痛かった。
 これで日本では八百長訴訟と合わせてアギーレ監督を糾弾する声が強まるのだろうか。しかし、多くのサッカー・サポーターはアギーレ監督が今後このチームをどう育てていくのかに注目している。アジア杯で結果は残せなかったが、可能性は見せてくれた。特に柴崎。今後、どんなチームを作っていくのか。世代交代をどう進めるのか。期待は大きい。アギーレ監督の続投を望みたい。