とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

Jリーグ 第1節 グランパス対山雅

 西野監督2年目、復活を賭けるグランパス。J1初参戦に勢いを感じる山雅。お互いの気持ちがぶつかり合う壮絶なゲームだった。リーグ前の練習試合でイヴァコヴィッチと周囲との連携に苦しみ、加えて矢野とレアンドロ・ドミンゲスが負傷欠場したグランパスだったが、何と先発は2年目の小屋松。昨年初出場のサンフレッチェ戦で膝を痛め長期離脱を余儀なくされた小屋松がここで戻ってきた。対する山雅は右SB田中隼磨を除き初めて見る選手ばかり。知将・反町監督が一番の脅威だ。
 序盤からグランパスが積極的に攻めていく。1分、CB闘莉王のフィードをFWノヴァコヴィッチが落とし、左SH永井のクロスにFW小屋松が走り込む。わずかに届かなかったが、いい攻撃だ。4分には右SB竹内のクリアからFWノヴァコヴィッチの落としをFW小屋松がシュート。GK村山がナイスセーブを見せる。しかし山雅のカウンターも鋭い。グランパスのCKをクリアするとそこから一気に攻め込み、CFオビナのクロスに左FW池元がゴール前に走り込んでいく。
 グランパスがボール・ポゼッション高くパスを回してチャンスを窺うが、山雅のプレスも速く、どちらかと言えば、グランパスがボールを持たされながら攻めあぐんでいる感じ。21分、ノヴァコヴィッチのFKは壁の下を狙うが、GK村山がキャッチ。山雅がゴール前にブロックを作って守ると、25分右SH矢田、30分左SH永井とミドルシュートを放っていく。
 ゲームはグランパス・ペースで進んだが、32分、山雅の右SB田中隼磨の絶妙のクロスがゴール前に入ると、CBがかろうじてタッチラインへクリア。これで得たCKを岩上が蹴ると、GKの前に立ったCFオビナがヘディングシュート。何と山雅が先制点を挙げる。
 しかし直後の33分、今度はグランパス。右SB竹内のフィードをFWノヴァコヴィッチを囮に左SH永井が落とし、FW小屋松が抜け出してシュート。すぐに同点に追いついた。37分には山雅のFW岩上のロングスローをCB闘莉王がクリアすると、FWノヴァコヴィッチの落としに左SH永井がドリブル。そのままPAまで走ってシュート。枠を外すが、いいカウンター攻撃。39分、CH田口のミドルシュートはGK村山がナイスセーブ。42分、田口のCKにノヴァコヴィッチがニアに走り込んでヘディングシュートを放つが、枠を外す。前半は1-1。攻めるグランパスに守る山雅だが、お互い拮抗して面白いゲームを見せた。
 しかし次第にグランパスのパス回しに慣れてきた山雅のプレスに、グランパスの攻撃が停滞する。後半は序盤、膠着状態が続く。13分、CHダニルソンのFKはGK村山の正面。15分、ダニルソンミドルシュートも決まらない。逆に山雅はカウンター。17分、CFオビナがポストプレーから右に流すと、右FW岩上が縦にパス。走り込んだCH喜山の落としを岩上がミドルシュート。わずかに枠を外す。そして18分、岩上のCKにニアにCB飯田が飛び込み、ヘディングシュートをGK楢崎が一旦はキャッチしたかと思ったが、こぼれ球をFW池元に押し込まれた。何と山雅が勝ち越し点を入れる。
 負けられないグランパス闘莉王をFWに上げて、ダニルソンをCBに下げる攻撃的な布陣。しかし逆に守備の混乱を山雅に突かれる。31分、右FW岩上のクロスにCBダニルソンの足が届かない。右SB竹内のクリアがミスとなってCFオビナに渡り、落ち着いたスルーパスにCH喜山がシュート。山雅が3点目を挙げた。グランパス、ピンチ。しかし33分、中盤遠目の位置からのFKを田口が蹴ると、クリアボールを拾った矢田がもう一度前線へフィード。FW闘莉王がヘディングシュートを決めて、グランパスが1点差に追い付いた。
 この後、グランパスは小屋松に代えて川又を投入。するとそれがすぐに効を奏する。35分、CH田口の深い位置からのFKをFW川又が競って落とし、FWノヴァコヴィッチが反転からシュート。すぐにグランパスがまたもや同点に追い付いた。
 その後は押せ押せのグランパス。37分にはDFクリアから左SH田口のパスに走り込んだCH闘莉王のクロスに右SB竹内がボレーシュート。入ったかと思ったが、わずかにサイドネットだった。39分には左SH田口のフィードから左SH永井のクロスにFW川又が走り込むが、DFがクリア。そして44分、左SB本多のクロスにPA内で待つノヴァコヴィッチのユニフォームを持って抑え込んだCB後藤がファールの判定。PKを闘莉王が蹴ったが、外れた。
 スコアは3-3。壮絶な打ち合いだったが、お互い勝点3を得られなかったのは残念。でもお互いの強みや弱みが見えてきて面白いゲームだった。山雅はあのセットプレーは使える。このゲームでも2得点。カウンターも鋭いし、CKやロングスローは本当に脅威だ。一方のグランパスは小屋松がよくやった。小さいながらよく動き、テクニックも高い。ノヴァコヴィッチとよく絡んで仕事をした。
 それでもやはりお互い勝ち点1に留まったのは残念。勝てるゲームを落とした気分。特にグランパスはもっと点が取れていた。闘莉王のPK失敗が残念だ。でもお互いまだ初戦。次節こそ初勝利が得られるようがんばろう。両チームとも応援したい。がんばれグランパス、がんばれ山雅。