とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア2次予選 日本対シンガポール

 まさかこんな結果になるとは思ってもみなかった。日本の敗戦はもちろん、勝利以外の結果を予想した人は日本中探してもほとんどいなかったに違いない。しかしそれが現実のものとなった。GKイズワンの奇跡的な好セーブの連発ということもあるが、守りを固めて必死でプレスをかけてくるシンガポールに対して、戸惑い、動きの悪い日本の選手たちがいた。これがW杯予選の恐ろしさ。というのは簡単だが、やはりこんなゲームをやってはダメだろう。日本中がいまだザッケローニ時代のように日本は強いと勘違いしていたようだ。
 4分、左SHハファズがミドルシュートを放つ。序盤は日本もシンガポールがどんなサッカーをしてくるのか観察していたようだ。12分、CH柴崎の縦パスからOH香川がミドルシュートを放つ。これをGKイズワンがナイスセーブ。これでGKを乗せてしまった。13分、OH香川のクロスをCN吉田が落として右SB酒井宏樹ボレーシュート。吉田がファールを取られる。この日のレフリーはシンガポール寄りのようだ。17分、CH柴崎の縦パスを右SH本田が落とし、OH香川がドリブル。だがDFに寄せられると、ヒールで本田にパス。しつこいシンガポールの守備に対してやりにくそうな感じが見える。自分らしいサッカーをやってうまくいかないと次に何をやったらいいかわからない感じだ。
 直後の17分、CH長谷部がドリブルで前に運び、右に流して、右SH本田のクロスに岡崎がシュート。もう負の展開に入っている。22分、パスをつないでCH長谷部がミドルシュートを放つが、GKイズワンがナイスセーブ。いよいよGKが乗ってきた。
 23分、香川のミドルシュートが枠を外す。24分、右SH本田の縦パスに抜け出した右SB酒井のクロスをOH香川がシュート。もうシュートが枠に入らない。27分、CH柴崎のスルーパスに左SH宇佐美が抜け出してシュートを放つがオフサイド。だがシュートもまたGKイズワンがナイスセーブで防いでいた。宇佐美にもいつものキレが見られない。
 30分、CH長谷部の縦パスを右SH本田が落とし、左SH宇佐美が左に流してCF岡崎がシュート。またもGKイズワンがファインセーブ。こう書いていて初めて気付くが、やはり日本は中盤の底からの縦パスが多い。縦に速いサッカーを逐条的に実行している印象。しかしそれで崩れないシンガポール。やはり日本のサッカーは根底の部分では全く変わっていない。38分、左SB太田のCKにCB槙野がヘディングシュート。枠を捉えられない。このゲーム、前半は特に両SBからの押上げが少なかった。
 後半3分、左SH宇佐美がドリブルで仕掛けてクロス。CF岡崎が落とすが、OH香川が近すぎ、ボールをコントロールできない。7分、左SH宇佐美の縦パスをCF岡崎が落とし、宇佐美がシュート。しかしキレがなくアウトサイドにかかって大きく外れる。
 しかもカウンターになっても速さがない。ミスも多い。8分前後にはシンガポールがパスをつなぐと日本のプレスが嵌らない。身体が動かない感じ。そして10分、左SB太田のクロスにCF岡崎がヘディングシュート。GKイズワンがスーパーセーブで弾き、さらにゴールに向かって転がるボールをライン上で抑えた。ウルトラセーブ。
 16分には香川に代えてFW大迫を投入。2トップに変更。18分には左SH宇佐美のクロスをGKイズワンがフィスト。ファーに飛んで右SH本田がヘディングで合わせるが、シュートは横たわったGKイズワンの手元に落ちる。何をしてもボールがGKイズワンの手の中に吸い寄せられるようだ。23分、太田のCKに右SH本田がドンピシャ・ヘディングシュート。だがこれも驚異的な反応でGKイズワンが弾きだす。スーパーセーブ。
 26分、CH柴崎に代えてOH原口を投入。28分、本田のFKはポストに弾かれる。はね返りを左SH宇佐美がシュートするが、またもGKイズワンがナイスセーブ。29分、右SB酒井のクロスに左SH宇佐美がダイビングヘッド。だが届かない。31分、本田のミドルシュートは枠を外した。
 その後はシュートも打てない。ミスの連発。右酒井のクロスは大きくゴール裏へそれていく。左SB太田のCKはニアまで届かない。33分には宇佐美に代えて武藤を投入するも、活躍はできず。そのままタイムアップ。日本がシンガポールに引き分けた。シンガポールにすれば最高の結果だ。
 結論は、まだ全然弱かったということ。その事実を受け入れることから始めよう。そしてもっと自分たちで考えよう。自分たちのサッカーは与えられるのではなく、自ら創るもの。もっと必死な姿が欲しかった。