今季公式戦でわずか2敗しかしていないベレーザは、リーグ、リーグ杯に続いての3冠を狙う。対するアルビレックスは2年連続の決勝進出、そして今季で引退する山田のためにも初優勝を狙いたい。アルビレックスは準々決勝と同じ先発。ベレーザは中里を右SHに出して、ボランチに阪口と隅田、右SBには土光が入った。
3分、ベレーザは右サイドのスローインからCF田中が落とし、CH阪口夢穂がミドルシュート。DFがブロックする。アルビレックスは序盤から高い位置でプレスをかけていく。そして13分、CB左山の持ち上がりから右サイドでキープ。右SH佐伯に落として縦パスにCH山田が走り込み、内側を右SH佐伯が駆け上がってシュート。サイドネットにかかったが、アルビレックスが積極的にプレーする。
その後もベルーザがパスを回して攻めていくが、アルビレックスの守備が堅く、ラストパスは通させない。24分、OH籾木も落としからCH阪口がミドルシュート。28分、OH籾木のスルーパスにCF田中が走り込み、ライン際まで切れ込んでクロスを入れるが、走り込んだ右SH中里に合わない。29分にはOH籾木の横パスから右SH中里がシュートを放つが、GK福村がナイスセーブ。はね返りにCF田中がわずかに合わない。さらに32分には左SH長谷川のフィードにCF田中が抜け出してGKと一対一。しかし後ろからCB左山が迫る中、シュートはGK福村に当ててしまった。
すると36分、アルビレックスはFW上尾野辺の落としからCH阪口萌乃がフィード。左SH八坂が走り込み、ゴール前にクロス。FW大石、そして右SH佐伯が走り込むが、いずれもわずかに合わない。それでもここまで粘り強い守備でゴールを守ってきたアルビレックスが前半終了間際はペースを掴んで攻め込んでいく。前半はこのままスコアレスで折り返した。
するとゴールが欲しいベレーザは後半頭から、右SB土光に代えて右SH上辻を投入する。中里を右SBに下げる。3分、CF田中から右に展開。右SH上辻が走り込んで、クロスに田中がヘディングシュート。しかしDFが競ってうまく当たらず、GK福村がキャッチした。逆にアルビレックスは6分、左SH八坂の戻しからFW上尾野辺がクロス。右SH佐伯が走り込んで右足アウトで流し込むが、DFがライン上でクリアする。これを右SB小原が狙うが、ミドルシュートは大きくふかしてしまった。
そして8分、右SB小原のフィードをFW大石がヘディングで落とすと、左SH八坂が走り込んで、右サイドからカーブをかけたミドルシュート。GKを巻き、ポストに当たってゴールに転がり込む。ナイスシュート。アルビレックスが先制点を挙げた。
その後はアルビレックスのプレスがいよいよ早くなる。ベレーザは18分、CF田中美南を下げて右SB清水を投入する。中里をボランチに上げ、阪口夢穂をCFに上げる。19分、CH中里のポストプレーからCF阪口がDFを背負って反転して前を向き、ゴールに迫るが、DFがブロック。22分には右SB清水のフィードをCF阪口がヘディングで落とし、CH中里が右に流して、右SH上辻がシュート。しかし枠を捉えられない。守備を固めるアルビレックスは28分、CH山田に代えて高橋を投入した。33分にはアルビレックスのCH阪口萌乃がロングシュート。GK山下がかろうじてセーブする。
ベレーザは阪口夢穂をワントップに上げたことで逆に中盤がうまく収まらない。結局35分過ぎにはまた阪口夢穂をボランチに下げて、今度は籾木をFWに上げる。隅田がトップ下。しかしアルビレックスの集中した守りの前になかなかチャンスすら作れない。ようやくアディショナルタイム48分、左SH長谷川のクロスにCH阪口が反転からミドルシュートを放つが、枠を外した。そしてタイムアップ。1-0。アルビレックスが優勝候補のベレーザに勝利して決勝進出を決めた。
ベレーザは田中美南を下げたことで攻撃に決め手がなくなってしまった。確かにこの日の田中はあまりうまく収めることができなかったが、それはアルビレックスの守りがよかったから。しかし代わりに阪口を上げたことで中盤でも収まらなくなり、バランスを崩してしまった。対してアルビレックスは決勝進出を目指す選手全員の意思が統一されていた。気持ちがよくプレーに現れ、最後まで運動量も落ちなかった。さて次はいよいよ決勝戦。相手は昨年と同じレオネッサ。中1日と短いが、今度こその気持ちを籠めて、アルビレックスの奮闘を見てみたい。応援するぞ。