昨年の優勝校・東福岡を破った東海大仰星が今度は今大会最大の優勝候補、青森山田に挑戦するゲーム。東福岡に対して堅い守備でノーゴールに抑えた東海大仰星が青森山田の攻撃をいかに抑えるか。青森山田のサッカーも楽しみに観戦を始めた。
しかし両チーム、堅い守備でなかなかゲームが動いていかない。12分、東海大仰星の右SH松井のミドルシュートがこのゲーム最初のシュート。青森山田が主導権を握ってパスを回すが、東海大仰星はしっかり守備ブロックを作ってはね返す。そして23分、中盤で競り合ってこぼれたボールを、青森山田の左SB三国が拾ってそのまま駆け上がると、切り返しからゴールを巻くきれいなミドルシュート。これが決まり、青森山田が先制した。
しかし東海大仰星もすぐに反撃。24分、左SH見野の縦パスをCF藤山が左に展開。CH大崎がクロスを入れるが、これはGK廣末が抑えた。しかし直後の26分、ロングスローからのクリアをCH大崎が左サイドから大きなクロス。これに右SH松井が走り込み、ボレーシュートをゴールに叩き込む。ナイスシュート。すぐに東海大仰星が追い付いた。
しかしゲームは青森山田が主導権を握る。34分、CH住永のフィードをCF鳴海がしっかり収めて、DFを背に前を向くとそのままシュート。わずかにポスト右に外す。36分には左IH郷家のロングスローのクリアを右SB小山がボレーシュート。これはGK宮本がセーブ。しかし41分、再び郷家のロングスローのクリアを同じように右SB小山がボレーシュート。GK宮本がナイスセーブで弾き返すが、これに走り込んだ右IH高橋がシュート。ゴールネットに突き刺し、再び青森山田が勝ち越した。前半はこのまま青森山田リードで折り返した。
後半に入っても青森山田の勢いは止まらない。左IH郷家のロングスロー、CF鳴海の積極的なドリブル、そしてGK廣末からの正確なロングフィードも大きな武器だ。だが東海大仰星も集中した守りでゴールを許さない。19分には左SH見野の縦パスから右SH松井が前を向いてシュートを放つ。青森山田も23分、GK廣末の見事なフィードを左IH郷家がヘディングで落とし、CF鳴海が抜け出す。しかしCB玄がよく追い付いてクリアした。
東海大仰星は19分左SH谷野、27分にはFW松山を投入し、見野との2トップにして攻める。28分、左SB面矢のロングスローから左SH谷野がヘディング。FW見野がボレーシュートを放つが、GK廣末がナイスセーブ。38分にも右SB大東のロングスローのこぼれを左SB面矢がミドルシュート。41分には右SB大東のクロスのクリアをCB吉田がフィード。CH大崎が抜け出してフリーになるが、シュートはバーを越えた。
さらに攻め続ける東海大仰星は43分、CB吉田のフィードをFW松山が落とし、途中出場のMF矢野がシュート。しかしこれもGK廣末がファインセーブを見せる。アディショナルタイムの右SHキャプテン松井のシュートもGK廣末がセーブ。結局そのまま2-1。優勝候補の青森山田が順当に決勝進出を決めた。
しかし終盤の東海大仰星の反撃は迫力があった。その前に立ちはだかったのはGK廣末。FC東京への加入が内定しているそうだが、身体はそれほど大きくはないが、守備時の反応の良さ、そして何より正確で長い距離を通せるフィードが魅力的。また両チーム、ロングスローで何度もチャンスを作っていたのも特徴的。サッカーが変わる印象。GK廣末のロングフィードとMF郷家のロングスローという飛び道具を武器に見事優勝を飾るのか。前橋育英はどう対抗するか。明日の決勝戦も楽しみだ。