快調にブンデスリーガの首位を走ってきたドルトムントだが、ここに来てリーグでは2戦連続の引分け。ボカールでは好調ロイスが負傷した上にPK戦で敗退と次第に調子が落ちてきたようだ。CLベスト16の初戦はトッテナム。トッテナムもケインとアリをケガで欠いて、万全の体制ではない。トッテナムはエリクセンをトップ下に、ルーカス・モウラとソンフンミンが並ぶ布陣。ウィンクスとシソコがボランチに並び、DFはフォイス、サンチェス、アルデルウェイレルトの3バック。WBにはオーリエとフェルトンゲンが入った。対するドルトムントはゲッツェのワントップ。ヴィツェルをアンカーにデラネイとダフードがIHで並び、サンチョとプリシッチがWGに入る。DFは右からハキミ、トプラク、ザガドゥ、ディアロ。GKはいつものビュルキだ。
第Ⅰレグということもあり、前半はお互い慎重な立ち上がり。トッテナムは7分、左WBフェルトンゲンのクロスのクリアをCBサンチェスがヘディングで前に送ると、FWルーカス・モウラがワントラップからボレーシュートを放つ。対するドルトムントも15分、右CBフォイスをCFゲッツェと左WGプリシッチで挟んでボールを奪うと、プリシッチがドリブルからシュート。GKロリスがナイスセーブを見せた。
前半はトッテナムがパスを回して攻めていくが、ドルトムントは中盤の3人がトッテナムの攻撃陣を抑えて、ゴール前はしっかりと守る。34分、トッテナムは右CBフォイスがドリブルで持ち上がり、クロスにOHエリクセンがミドルシュート。だが大きく枠を外した。逆に35分、ドルトムントはCFゲッツェが中へのドリブルから、落としを左IHデラネイがミドルシュート。GKロリスがナイスセーブした。トッテナムは36分、OHエリクセンのスルーパスにFWソンフンミンが抜け出し、クロス。GKビュルキがナイスセーブで弾き返すが、こぼれ球をCHウィンクスがミドルシュート。しかし枠を捉えられない。前半30分以降はドルトムントがペースを握って攻めていく。45分、ショートCKから右WGサンチョのクロスにCBザガディがヘディングシュートするも、GKロリスがファインセーブ。前半はスコアレスのまま折り返した。
前半序盤はトッテナムが優勢だったものの、終盤はドルトムント・ペース。アウェイの第1レグということもあり、お互い守備重視のサッカーでこのまま後半も終わってしまうのではないかと思った。しかし後半2分、左WBフェルトンゲンからのクロスがCBザガドゥの頭を越える絶妙の軌道。落ちたところにFWソンフンミンが走り込んでシュート。ネットに突き刺し、トッテナムが後半早々、先制点を挙げた。
10分にはFWソンフンミンの突破を左IHデラネイが倒して、PA前でトッテナムがFKのチャンス。だがエリクセンのシュートは壁にはね返された。14分、右SBハキミからパスカットした左WBフェルトンゲンがドリブルで駆け上がり、そのままミドルシュートを放つ。ドルトムントの右SBハキミが高めのポジションを取る裏のスペースを狙って、トッテナムが再三、左サイドから攻めていく。16分にはOHエリクセンのCKにCBアルデルウェイレルトがヘディングシュート。GKビュルキがキャッチした。
ドルトムントは24分、右IHダフードがミドルシュートを放つが、これが後半の初シュート。その後も追加点を嫌ってか、守備的な戦いが続く。31分、OHエリクセンのCKからFWルーカス・モウラがミドルシュートを放つが、DFに当たって枠を外れた。32分、ドルトムントはCBザガドゥに代えて左SBシュメルツァーを投入。ディアロがCBに下がる。そして38分、FWルーカス・モウラの仕掛けから落としたボールをOHエリクセンがミドルシュート。これはDFがはね返すが、こぼれ球を拾ったCFゲッツェに対してCBサンチェスがチェックをかけて奪い返すと、エリクセンが落としたボールを右WGオーリエがクロス。これを左WGフェルトンゲンが押し込み、トッテナムが追加点を挙げた。
直後にはFWルーカス・モウラに代えてジョレンテを投入。すると41分、OHエリクセンのCKからFWジョレンテがヘディングシュート。これが決まり、トッテナムが3点目を挙げた。ドルトムントは43分に投入したゲレイロがミドルシュートを放ったが、結局そのままトッテナムに抑え込まれ、タイムアップ。3-0。トッテナムが第1レグをホームで快勝した。
前半だけを見れば、スコアレスのまま終わってもおかしくないゲーム。だがドルトムントはアウェイであまりに守備的過ぎたか。それともロイスの不在が大きかったか。いずれにせよ予想以上の大差となり、厳しい状況に追い込まれた。トッテナムはこの後しばらく間が空き、次のゲームは23日のバーンリー戦。その後、チェルシー、アーセナルと4位狙いのチームとの対戦が続く。ケインの復帰を待って、リーグ戦首位追走といきたいところだ。