とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

中指は大事

 先日、中指の先を怪我した。パソコンのキーボードを叩いたら、血がついてびっくり。見ると、中指の先、ちょうどパソコンのキーを叩く部分が5㎜程度切れて、血が出ている。フタを閉じたら、上蓋にも血の痕が。さらに目薬を入れていたビニル袋にも血痕。いつ、どうして切ったのか、全くわからない。

 その後は、中指を使わずにキーを打とうとしたが、どうしても打ち間違えてしまう。しかも中指を使う回数が多い。正式には薬指や小指で打つべきキーも中指を打っていた。しかしすぐには矯正できず、しばらく絆創膏を貼ってしのいだ。パソコン以外でも中指を使うケースは多い。指の中では中指が最も長いので、普通に手を差し出すと、まず中指に触れる。人差し指以上に中指を使うことの方が多いように思った。

 5本の指を、「お父さん」「お母さん」「お兄さん」「お姉さん」「赤ちゃん」に例えるのは、童謡「おはなしゆびさん」が最初だろうか。それともその前から、そのように言い慣わしていたのか。でも、その例えのとおり、中指は確かに行動力という面ではもっとも頼りになる。さすが「お兄さん」指だ。一方、人差し指は「お母さん」に例えられるが、指の名称のとおり、指図をしたり、方向を示すのは「お母さん」の役割。だが、力仕事は中指の方が力を発揮する。

 薬指と小指は「お姉さん」「赤ちゃん」に例えられるとおり、やはり非力。「お母さん」よりも非力。でも、薬指や小指が添えられるからこそ、力が出せる。その点ではやはり役に立っている。「赤ちゃん」や可愛い妹の存在は家族団らんの証だ。そして親指は一本だけ他の指を対峙して、他の指にはない機能を果たしている。人差し指も中指も薬指も小指も、親指があってこそ、モノを掴むことができる。そしてたぶん力も最も強い。「お父さん」という例えにふさわしい「なくてはならない」存在だ。

 と、こう書くのは、古い家族観だろうか。世の中には、父親や母親のいない家族もあるし、子どもがいる家族ばかりではない。何より、家族類型の中で一人世帯が最も多い時代だ。ひょっとして今は「おはなしゆびさん」は歌ってはいけない歌になってはいないだろうな。Googleで検索した限りではそんなサイトはなさそうだ。よかった。

 やはり「お兄さん」が一番頼りになる。でもこれはあくまで5本ある「指」の世界のこと。そしてもちろん「指」の世界でさえ、「お兄さん」だけでなく「お父さん」も「お母さん」も「お姉さん」も「赤ちゃん」も、みんな大事。みんな違って、みんないい。