とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

国際親善試合(女子) 日本vs.パラグアイ

 なでしこリーグの中継放送がなくなって、女子サッカーを観ることが少なくなってしまった。昨年末の皇后杯以来。今年は秋から.WEリーグが始まる。4月24日からプレシーズンマッチが始まるそうだが、実際にリーグが始まったら、ぜひDAZNで放送してほしい。そして代表戦は昨年の3月以来。東京五輪がどうなるか不透明だが、日本を代表する選手たちが躍動する姿を見られるのはうれしい。相手はFIFAランク47位のパラグアイ。日本の10位に比べれば、かなり格下。東京五輪にも出場しない。

 日本の布陣は4-4-2。菅澤と岩渕の2トップ。中盤は三浦と中島でダブルボランチを組み、杉田が左SH。右SHには北村。今季、ベレーザに加入したが、昨季まではセレッソ大阪堺レディースでプレーしていた選手だ。知らなかったが、U-17、U-20の女子W杯に出場し、U-20ワールドカップの優勝メンバーでもある。DFは右SB清水、左SB鮫島。熊谷の招集ができなかったCBは、南と宝田で組む。GKは池田。宝田と言えばFWの選手というイメージだったが、今季移籍したワシントンスピリッツではDFでのプレーを志願したとのこと。セレッソレディースに入団した時はGKでプレーしており、GKからFWまでできる稀有な選手ということのようだ。

 対するパラグアイは4-2-3-1。ペーニャをトップに、トップ下にヴェガ。サンドヴァルとヴィジャマジョールが左右に開き、ボランチアグエロとボガリン。DFは右SBフレデス、左SBクリスタルドアロンソとリーズのCBにGKはオリティス。体質なのか、肥満気味の体格のいい選手が多い。

 序盤から日本が圧倒的に攻めていく。2分、左SH杉田の縦パスにCH三浦が走り込み、クロスのこぼれを左SH杉田がシュート。4分、CH三浦のパスにCH中島が抜け出して、クロスにFW岩渕が走り込むが、これは届かない。しかし6分、CKの流れでSH杉田が右サイドから入れたクロスがDFに当たり、こぼれ球をCB南が押し込む。ゴール。幸先よく日本が先制点を挙げた。その後も圧倒的に攻め込む日本。8分FW岩渕、13分CH中島とミドルシュートを放つ。14分の左SH杉田のミドルシュートはポストを叩く。パラグアイはようやく19分、右SHサンドヴァルがミドルシュートを放つが、ゴール前で失速してGK池田が難なく抑えた。17分、パラグアイは左SBクリスタルドが負傷でオヘダに交代。22分、CHボガリンのミドルシュートは枠を捉えられない。

 23分、CB南の縦パスにFW菅澤が抜け出してシュート。先制後は攻めてもなかなかゴールまでいかなかったが、ようやく26分、CH中島の縦パスを右SH北村が落とし、CH三浦がつないで、FW岩渕がシュート。日本が追加点を挙げた。34分にはFW岩渕から左サイドに大きく展開。左SB鮫島が上がってきて、クロスのこぼれをFW菅澤がヘディングシュート。そして36分、右サイド中盤からゴール前にCH中島がFKを入れると、ニアでFW岩渕がフリック。これをCBリーゾが自ゴールで蹴り込んでしまう。オウンゴールで3点目。

 その後も39分、FW岩渕がFW菅澤との縦関係のワンツーで仕掛けてシュート。41分、右SB清水のクロスに左SH杉田がシュート。43分、FW岩渕のスルーパスを受けたFW菅澤が反転からミドルシュートと攻め込んだが、これはGKオルティスがファインセーブ。前半はこのまま3-0で折り返した。

 パラグアイは後半最初にCHアグエロをコルタサに交代。しかし日本の攻勢は変わらない。3分、左SB鮫島がミドルシュートを放つと、5分にはFW岩渕がシュート。そして7分、CB宝田がドリブルで持ち上がり、縦パスを受けたFW岩渕がスルーパス。CH三浦の落としをFW菅澤がシュート。日本が4点目を挙げた。さらに18分、CB宝田のフィードにFW岩渕が走り込むと、GKオリティスが目測を誤ってバウンドが頭を越える。岩渕が詰めて押し込んだ。日本、5点目。

 21分、日本はFWの菅澤と岩渕を下げて、浜田と田中美南を投入。さらに右SH北村に代えて籾木。23分、左SH杉田がミドルシュートパラグアイも26分、ペーニャとヴェガに代えて、CFピコと右SHロメーロを投入。サンドヴァルをトップ下に移す。28分、左SB鮫島のクロスにFW田中がヘディングシュート。しかしポストに嫌われる。30分、同じく左SB鮫島のクロスにFW田中がヘディングシュート。これはポストの右。33分にはFW浜田の落としから右SH籾木がミドルシュートを放つが、GKオリティスがナイスセーブした。

 35分、日本はCH三浦を下げて、林を投入。37分、左SH杉田のスルーパスからFW浜田がシュート。GKが弾いたボールをCH中島がミドルシュート。GKオルティスのファインセーブに弾かれた。39分にはFW田中から右に流して、右SH籾木がシュート。GKオルティスが弾いたボールをCH林がミドルシュートを放つ。そして40分、日本は杉田に代えてOH木下を投入。浜田を左SHに移し、4-2-3-1の布陣にする。浜田と田中がお互い長身で似たタイプのためうまく連携が取れなかったが、これでようやくFWの役割分担がはっきりした。43分、OH木下のスルーパスからCF田中がシュート。これはポストを叩いたが、アディショナルタイムに入っての45+2分、右SH籾木がこぼれ球をシュートして6点目を入れると、45+3分には右SH籾木のクロスからCF田中がヘディングシュート。7点目。そしてタイムアップ。日本が7-0で大勝した。

 実力的には順当な結果。格下の相手に対しても日本がゲームを通してよく動き、チャンスを作り、ゴールを量産した。菅澤と岩渕のコンビ、杉田と中島の運動量。そして三浦もよく効いている。宝田のCBもさすがFWからMFまで経験したこともあって、パスセンスもよく、これは代表クラスでも十分戦力になる。また短い時間だったが、木下のセンスも垣間見えた。一方、田中と浜田はやや気の毒な感じ。田中美南はポストもできるし、シュートセンスも高いが、岩渕との連携という点では菅澤の方が勝っている。

 日曜日のパナマ戦には長谷川唯も合流するという。また違う連携が見られるだろうか。もっともパナマFIFAランクパラグアイよりも低い59位。こうした格下のチームとゲームをする意味があるのだろうかと思わないではないが、コロナ禍で招集に応じてくれたのはこうしたチームだったということだろう。それでもゲームをしないよりはマシ。なかなか得点の入らないグランパスのゲームばかり観ていると、ゴールなんて簡単なのにと思ってしまう。パナマ戦もさらなるゴールラッシュを期待しよう。