とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

東京五輪グループE(女子) チリvs.日本

 イギリスに負けて2戦未勝利の日本女子。絶対勝利してグループ3位でも決勝トーナメント進出を果たしたいところ。相手はここまで2連敗のチリ。もっと楽に勝てるかと思ったが・・・。日本の布陣は4-4-2。菅澤と岩渕をトップに並べ、中盤は三浦と林のダブルボランチ。右SHに長谷川、左SHに杉田を置いてきた。DFは、右SB清水は変わらないが、左SBには北村。CBに熊谷と宝田。GKは山下。各ポジション、微妙にメンバーを変えているのは、疲労対策か、ケガでもあるのか。対するチリは3-5-2。ウルティアとサモラがトップに並び、中盤はロペスをアンカーに、右IHアラヤ、左IHアエド。右SBにバルマセダ、左WBララ。CBは右からパルド、ゲレーロ、サエス。GKはエンドレル。

 開始早々、FW岩渕がミドルシュート。さらに2分にはFW菅澤がミドルシュート。序盤から日本が積極的に攻めていく。チリも7分、右IHアラヤがロングシュート。しかし基本は守り、日本が攻めていく。10分、右SH長谷川から右SB清水が上がり、クロスにFW菅澤が走り込むが、手前でCBサエスがクリア。しかし菅澤の位置がオフサイドだった。その後も日本が攻めてはいくが、最後のパスにミスが多く、シュートまで至らない。

 17分、CH林から右に展開すると、右SB清水のクロスをFW岩渕が左に流し、左SH杉田が抜け出してGKと一対一。だがシュートはGKエンドレルが左足一本で止めた。18分、右SH長谷川のスルーパスにFW菅澤が抜けるもオフサイド。21分、左SH杉田のスルーパスにFW岩渕が抜け出すも、シュートは左WBララがブロック。続くCH林のCKに杉田がダイレクトで合わせるが、枠を外す。

 守るチリだが、寄せが速く厳しい。一方、日本の守備はプレスが甘く、ミスパスを奪われ、相手に攻撃を渡してしまうこともたびたびある。27分、FW岩渕が左サイドからDFをかわしてクロス。FW菅澤が詰めるが、GKエンドレルがセーブする。シュートが遠い展開に、33分、CH三浦がミドルシュート。直後にももう一度CH三浦がミドルシュートを放つが、わずかにバーの上を越えた。36分、右SH長谷川のミドルシュートはポストの左。遠目からのシュートが多い。40分、右SH長谷川の縦パスからFW菅澤がシュートを放つが、DFが触り、左に外れる。45+1分、右SB清水のパスをFW菅澤がダイレクトで縦へ。FW岩渕が走り込むが、DFがクリア。こぼれ球を右SB清水がシュートするが、GKエンドレルにセーブされた。前半はこのままスコアレスで折り返す。

 高倉監督はもっと楽勝な展開を予想していたのではないか。だが、日本に攻撃面での連携が乏しい。個人技頼みの印象を受ける。後半からFW菅澤を下げて、田中美南を投入した。チリも右WBバルマセダに代えてトロを投入。後半2分、CH林のCKからFW田中がシュート。さらにもう一度、林のCKからFW田中が今度はヘディングシュート。積極的にゴールを狙っていく。5分には左SB北村のミドルシュート。8分にもFW田中が左に持ち出して、ミドルシュート。しかしGKエンドレルが正面でキャッチする。後半、チリはウルティアをトップに上げ、アエドとサモラが左右のWGに開く3-4-3の陣形を取ることが多い。中盤にはアラヤとロペスがダブルボランチで並ぶ形。

 10分、日本はCH林を下げて、左WG遠藤。長谷川が内側に絞って、4-3-3のように見える。チリも11分、右WGサモラを下げて、グレスを投入。14分、チリはCHアラヤがドリブルで持ち上がり、CFウルティアを走らせるが、CB熊谷がナイス対応で奪い返す。今度は日本がカウンター。右WG岩渕がドリブルで上がり、左に流して、左WG遠藤がシュート。だがポスト右に外れる。ゲームは互角の展開。21分、日本は右IH長谷川に代えて右SH木下。布陣を4-4-2に戻した。杉田がCH。22分、その杉田がループシュートを狙うが、枠は捉えられない。

 そして24分、早いリスタートでCHアラヤが前に蹴り込むと、CFウルティアが走り込む。飛び出したGK山下がクリアするが、これがCFウルティアに当たって、奪われてしまう。中へのパスをDFがクリするも、これも味方に当たってCHアラヤの元へ。内側に走り込んだ左WGアエドがオーバーヘッドでクロスを入れると、左WBララがヘディングシュート。これがバーに当たり、下に落ちて、さらに撥ねたところをGK山下がキャッチした。ぎりぎりゴールを割っていない。直後には日本がカウンター。左SH遠藤の縦パスにFW岩渕が抜け出し、クロス。GKが触って弾いたボールを右SH木下がシュート。だがDFがブロックする。お互い惜しいチャンスを決めきれない。

 28分には右SH木下の仕掛けからFW田中がミドルシュート。30分にもFW田中のスルーパスにFW岩渕が走り込み、横に流して田中が走り込むも、手前でDFがクリアする。31分、チリはCBパルドに代えてマルドネス。そして32分、CH杉田の縦パスをFW岩渕が収め、落としにFW田中が走り込んでシュート。GKを抜いて、ようやく日本が先制点を挙げた。

 38分、日本はCH三浦に代えて中島を投入。チリもCHロペスに代えてピニージャ、左WGアエドに代えてアクーニャを投入。40分、CH中島のミドルシュートはGKエンドレルがわずかに触って、バーを叩く。42分には右SH木下が仕掛けて、ミドルシュート。これもGKエンドレルがナイスセーブ。逆にチリも43分、CkからCBサエスがヘディングシュートするも枠の外。その後もチリが攻めるが、日本もCH中島を中心に時間を使って、4分のアディショナルタイムを逃げ切った。1-0。何とか勝利して、決勝トーナメント進出を決めた。

 それにしても苦戦した。日本はゴールが遠い。ここまで岩渕と田中の2点のみ。長谷川や杉田、塩越、林、三浦、中島、籾木。技術力の高いMFを入れ替わりで起用するも、誰もFW陣との連携がイマイチ。唯一、杉田に可能性を感じるが、必ずしも高倉監督は杉田に絶対的な信頼を寄せているわけではない。誰が出ても高いレベルのサッカーができる、かもしれないが、誰が出ても決定的な仕事はできない。結局のところ岩渕頼み。次はグループリーグでアメリカを破ったスウェーデンが相手だ。でも、アメリカでなかったのは良いのかもしれない。万一(!)スウェーデンに勝てれば、準決勝で再びイギリスと対戦できるかもしれない。それを期待しよう。だがその前にスウェーデンが相手だ。壁は限りなく高い。