とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

高校サッカー選手権決勝 大津vs.青森山田

 準決勝の高川学園戦で別格の強さを見せつけた青森山田。決勝は中1日なのに対して、大津は準決勝を不戦勝で勝ち上がり、中5日なのが唯一の不安材料かと思ったが、そんな日程差は何のハンデにもならなかった。高校年代に敵はいない。いっそ天皇杯に出場したら、先日のメニーナみたいなことになっていたのではないか。そんな思いもよぎる大勝だった。

 大津の布陣は4-4-2。身長191㎝の小林に、一村の2トップ。日高と川口がサイドに開き、ボランチには薬師田と森田。DFは右SB和田、左SBに岩本。寺岡と川副のCBにGKはU-18代表候補の佐藤瑠星が守る。対する青森山田も同じ4-4-2。名須川と渡邊の2トップに、右SH藤森、左SH田澤。ボランチ松木と宇野。右SB中山、左SB小野。CBは丸山と三輪。GKは沼田。先日の準決勝と全く同じメンバーだ。

 開始3分、右SH藤森のCKにCH宇野がミドルシュート。DFがブロックする。序盤から青森山田が攻め込んでいく。15分過ぎにはCKやFKが続き、22分にはCH松木のFKのクリアを右SH藤原がミドルシュート。だが大津も集中してよく守る。26分、右SB中山のクロスを左SH田澤が落とし、CH松木ミドルシュート。28分にはCH松木が右に流し、右SH藤森のパスから松木がスルーパス。藤森が走り込み、クロスにFW名須川が走り込んだ。しかし大津のDFもしっかりと対応。34分、CH宇野のミドルシュートはわずかにゴール右上に外れた。

 このまま前半を守り切れれば、結果はどうなるかわからない。そう思い始めた37分、CH松木がドリブルで仕掛けてCKを得ると、右SH藤森のCKにCB丸山がヘディングシュートを叩きこむ。ついに青森山田が先制点を挙げた。大津は40分、右SH日高を下げて、左SH田原を投入。一村を右SHに開き、川口をトップ下に置く4-2-3-1に変更する。しかし41分、左SH田澤が鋭い出足でDFをかわすと、クロスにFW名須川がシュート。追加点を挙げた。前半は2-0で折り返す。

 前半、1本もシュートが打てなかった大津。何よりFWにボールが入らない。後半になっても青森山田が圧倒する展開は変わらない。2分、右SB和田がきれいなトラップを見せたと思ったら、すぐに左SH田澤が奪って、クロスにFW名須川がシュート。GK佐藤がファインセーブする。大津も5分、OH川口が仕掛けてPA手前でFKを得ると、川口が自らFKを蹴るが、GK沼田がパンチングで弾き返す。9分、左SB岩本のFKもGK沼田がキャッチする。どうしてもシュートまでいけない大津。

 すると10分、右SH藤森のロングスローをDFがはね返すと、藤森が詰めてゴール前にヘディングでクロス。そこにCH松木が走り込んでヘディングシュート。青森山田が3点目を挙げた。大津は24分、川口を下げてFW高畑を投入。再び2トップに戻す。31分には右SB和田を下げて、坂田を投入。しかし33分、左SB小野のクロスにDFが足を出すと、ゴール前に山なりで落ちたボールにFW渡邊がヘディングシュート。ダメ押しの4点目を挙げた。

 その後は青森山田が選手を交代し、守りを固めて、勝利を確実なものにする。34分、FW渡邊に代えて小原。39分、名須川と田澤に代えて、FW小湊と左SH本田。42分には右SH藤森に代えて田中。44分には右SB中山を下げて、大戸を投入する。最後はコーナー付近でボールをキープして時間を作り、そのまま逃げ切った。4-0。大津は結局、最後までシュートを打つことすらできなかった。

 これで青森山田は、インターハイU-18プレミアリーグEASTに続き、年間3冠を達成。昨年の決勝戦PK戦で負けた以降、負けなしというから恐れ入る。高校年代に青森山田の敵はいない。そして中でも、松木の技術、運動量、気迫は群を抜く。高校卒業後はFC東京に加入するそうだが、プロに入ってどんなプレーを見せてくれるだろうか。橋本が抜けた後のFC東京復活のカギとなる選手かも知れない。久保と組んで、オリンピックや代表で戦う姿も見てみたい。何はともあれ、まずは青森山田の優勝、おめでとう。