とんま天狗は雲の上

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皇后杯 決勝 日テレ東京ヴェルディベレーザvs.INAC神戸レオネッサ

 皇后杯決勝は、これまで15回優勝のベレーザと、WEリーグ初代女王のレオネッサの対戦になった。やはりこの2チームが抜けている。ベレーザの布陣は4-3-3。植木をトップに、右FW19歳藤野、左FW小林里歌子。中盤は木下をアンカーに、右IH三浦、左IH北村。準々決勝とは三浦と木下のポジションを入れ替えた。また左SBには準決勝まで先発した宇津木が体調不良で、代わって西川が入り、右SBに宮川。岩清水と村松のCBにGKは田中桃子。

 一方のレオネッサもこれまで同様、3-5-2の布陣。愛川と高瀬の2トップに、中盤は阪口をアンカーに、右IH成宮、左IH脇阪。守屋と伊藤美紀が両WBに張って、CBは右から土光、三宅、竹重。山下がGKに入る。

 序盤はレオネッサが攻勢。2分、右IH成宮から右に展開し、右WB守屋が上がって、ゴール前にクロス。FW高瀬とFW愛川が飛び込むが、わずかに届かない。5分にはCK坂口のCKをCB土光がヘディングシュート。GK田中がパンチングでクリア。さらに6分、ベレーザの左SB西川に右WB守屋がプレスをかけると、こぼれ球をFW愛川がミドルシュート。バーを叩く。

 ここまで守勢に回ったベレーザだったが、7分、FW小林がミドルシュートを放つと、9分にも右IH三浦がミドルシュート。さらに左SB西川から左に流して、左IH北村のクロスにFW小林がヘディングシュート。これは外れたが、ベレーザがようやくペースを取り戻していく。するとその後はベレーザがパスを回し、レオネッサが守る場面が多くなってくる。

 それでも25分、FW高瀬がロングシュートを放つと、26分、右FW藤野から右CB竹重がボールを奪い、FW高瀬が左に流して、FW愛川がミドルシュート。さらに27分、CB三宅の縦パスをFW高瀬が落とし、CH阪口の縦パスにFW高瀬が走り込む。しかしミドルシュートはGK田中がファインセーブで弾き出した。両チーム攻め合う互角の展開。

 33分、CH木下の自陣からのFKをFW小林が落とし、CB岩清水がミドルシュートを放つが、バーの上。37分には左WB伊東から右IH三浦がボールを奪い、縦パスにCF植木が抜け出して、クロスをFW小林がシュート。だがCB土光がブロックした。レオネッサも38分、FW愛川が右サイドのライン際で仕掛けて持ち上がると、戻しのパスを右WB守屋がクロス。CH阪口がミドルシュートを放つ。

 そして39分、中盤内側でボールを受けた右SB宮川が外にパスを出すと、右FW藤野がスルーパス。これに右WB宮川が走り込み、クロスをCF植木がシュート。これが左ポストに当たってネットを揺らす。ベレーザが先制点を挙げた。さらに43分にはCH木下のFKのこぼれをCB岩清水が前線に放り込むと、FW小林がヘディングシュート。枠は外れたが、前半は1-0。ベレーザのリードで折り返した。

 するとレオネッサは後半最初、左IH脇阪に代えて山本摩也を投入する。しかし後半はベレーザが攻勢。そして4分、CH木下のCKがニアに走り込んだ選手たちの間を通ってゴール前に抜けると、そこにいたのはCF植木。胸トラップからシュート。ベレーザが追加点を挙げた。するとその後は完全にベレーザのペース。前半は左CB竹重にマークされ、なかなか持ち味を出せなかった右FW藤野が自由にボールを触るようになり、再三仕掛けていく。17分ミドルシュート。19分には右FW藤野がドリブルで持ち上がり、クロスに左FW小林がシュート。わずかにポスト右に外れる。

 レオネッサもようやく21分、左IH山本のFKにCB三宅がヘディングシュートを放つが、ポスト右に外れた。24分には右IH三浦がミドルシュートを放つ。その直後、レオネッサは高瀬に代えて体調不良から復帰してきたFW田中美南を投入する。しかしFW田中もなかなかボールに触ることができない。27分、FW愛川が左サイドを突破して持ち上がり、クロスを入れるが、走り込んだ右WB守屋のトラップが大きい。DFにクリアされた。

 ベレーザはこの時間あたりから、北村が左WBに下がり、3-4-3の布陣を取って守備を固める。そうするといよいよレオネッサは攻められない。そして36分、左IH山本に右IH三浦がプレスをかけてボールを奪うと、右FW藤野がドリブル。右に流すと、右IH三浦が外側を追い越してクロス。CB三宅がわずかに触ってコースが変わり、CB土光も触れない。フリーになったFW小林が難なくゴールに蹴り込んだ。ベレーザが3点目を挙げる。

 さらに40分、右IH三浦のボール奪取から今度はCF植木がドリブル。右に流して、FW藤野がGKと一対一。だがシュートは枠を外した。悔しがる藤野。直後の42分、ベレーザは初めての選手交代。小林を下げて、左FW山本柚月を投入する。そして45分、右CB竹重から右FW藤野がボールを奪うと、ドリブルで独走。GKとの一対一を今度はかわして、ゴールに蹴り込んだ。ベレーザ、4点目。45+3分には右IH三浦を岩崎に交代。そしてタイムアップ。4-0。ベレーザが快勝して、皇后杯16回目の優勝を遂げた。

 前半こそ、攻めのベレーザ、守りのレオネッサで面白いゲームが展開されたが、前半終了間際、ベレーザがCF植木の彼女らしい技ありのゴールで先制すると、後半早々に追加点。以降は完全にベレーザ・ペースで、右FW藤野が躍動。さらに右SB宮川や右IH三浦も連動して、攻守に積極的にプレー。ベレーザの強さを見せつけた。CB岩清水が出産後、初めての優勝だそうだ。おめでとう。でもWEリーグはここまでレオネッサが首位。ベレーザは4位に沈んでいる。この優勝を契機にこれからいかに首位に迫っていくか。これからWEリーグも楽しみになる。今年はWEリーグももう少し観られたらいいなと思う。