とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第21節 セレッソ大阪vs.名古屋グランパス

 前節の敗戦で5試合勝利なし。順位も10位まで下げたグランパス。今節の相手は7位のセレッソ。レオセアラが得点王争いのトップに立ち、カピシャーバとルーカス・フェルナンデスのブラジル人トリオも絶好調。しかもアウェイ。試合前から難しいゲームになるだろうと思った。

 セレッソの布陣は4-4-2。レオセアラとコンビを組むのは上門。カピシャーバとルーカス・フェルナンデスの両SHに、ボランチは奥埜と田中駿汰。DFは海外移籍した毎熊に代わり、右SBに奥田が入り、左SBは舩木。鳥海と西尾のCBに、GKはキムジンヒョン。対するグランパスは3-4-3の布陣。山岸をトップに、右FW森島、左FW永井。椎橋と稲垣のダブルボランチに、右WBは久保、左WBに中山。CBは右から野上、ハチャンレ、三國。GKはランゲラック。

 序盤、グランパスが積極的に攻めていく。3分、CH椎橋の縦パスから、CF山岸がシュート。しかしGKキムジンヒョンのファインセーブに弾かれる。6分には左FW永井のクロスのクリアを、右FW森島がミドルシュート。だが、これもCB西尾がブロックする。やる気の見えない前半で批判を浴びたヴェルディ戦の後、前節も序盤は積極的に攻めていったが、結局、ゴールが奪えない。そして7分、CB三國が右WBルーカス・フェルナンデスにボールを奪われると、ドリブル。CBハチャンレが戻って前進は止めるが、スルーパスにFW上門が抜け出して、シュート。これはCB三國が戻ってクリアする。

 しかしこのプレーの後、グランパスの攻勢は止まる。19分、右FW森島のパスをCF山岸が落とし、CH稲垣がミドルシュートを放つが。わずかにポストの右。21分のCH稲垣のミドルシュートも、枠は捉えられない。すると22分、セレッソは、CH田中から右へ展開。右SB奥田のクロスを左SHカピシャーバが落とすと、FWレオセアラがシュート。これは枠を外すが、26分、右SB奥田のフィードに、CBハチャンレの対応がまずく、FWレオセアラが奪ってドリブル。ついていったCBハチャンレだったが、結局振り切られシュート。GKランゲラックも抜かれ、セレッソに先制点を献上した。

 37分には、FW上門のプレスにパスの出し所をなくした左WB中山がバックパス。だが、これをFWレオセアラに奪われ、さらにGKランゲラックも抜かれる。何とかCB三國がクリアしたが、今のグランパスはDF陣が本当に不安定だ。かと言っても、中盤から前もパスが繋げない。ルーズボールは悉く奪われる。このまま同点に追い付ける気がしない。45+3分には、CH田中から右に流し、右SHルーカス・フェルナンデスの縦パスから、FW上門がシュート。GKランゲラックがセーブしたが、前半はここで終了。セレッソの1点リードで折り返す。

 後半立ち上がり、グランパスはCBの左右を入れ替える。右CBに三國、左CBに野上。それにどういう意味があったのか、後半序盤もグランパスが積極的に攻めていく。しかし長くは続かない。シュートも打てないまま5分も経過すると、次第にゲームはセレッソ・ペースに戻っていく。そして10分、右SHルーカス・フェルナンデスが仕掛けると、落としをCH奥野がミドルシュート。わずかにポスト右に外れた。グランパスも14分、右FW森島から右に流し、右WB久保のクロスを森島が落とすと、CH椎橋がミドルシュート。しかしGKキムジンヒョンが正面がセーブする。

 15分、グランパスは、永井、山岸、三國を下げて、CFパトリック、右FW榊原、右CB吉田を投入。17分には、左FW森島のCKからCFパトリックがヘディングシュート。さらに19分、右WB久保のパスから、右FW榊原、さらに左FW森島と繋ぐと、左WB中山がミドルシュート。CFパトリックが触るが、GKキムジンヒョンがセーブする。そして20分、右CB吉田がボールを持つが、パスの出し所を探すうちに、左SHカピシャーバに詰め寄られ、そして奪われ、クロスに右SHルーカス・フェルナンデスがシュート。セレッソが追加点を挙げた。吉田は何をしに来たのか。22分には、右CB吉田からCH椎橋への横パスをFWレオセアラに奪われ、ミドルシュートを打たれる。23分、長谷川監督は、ミス連発のCB吉田を左FW倍井に交代した。稲垣が右CBに下がり、森島がボランチに移った。

 しかし、その後もなかなかセレッソの守備を崩しきれない。それでもようやく31分、左FW倍井のCKのクリアを拾った右WB久保がミドルシュート。これがDFに当たってコースが変わり、ゴールに飛び込んだ。ようやくグランパスが1点を返した。しかし遅すぎる。この後、セレッソは33分、カピシャーバとルーカス・フェルナンデスに代えて、左SH為田、右SH柴山。41分には、奥埜と上門を下げて、CH平野とFW渡邉りょうを投入する。42分、グランパスは左FW倍井がドリブル。クロスにCFパトリックが待ち構えるが、左SH為田がクリア。さらに45+2分には、レオセアラを下げて、CBナブナ―を投入。布陣を5-4-1にして守備を固め、そのままセレッソが逃げ切った。2-1。グランパスはこれで6試合勝利がない。

 順位もじりじり下げて11位。だが、下を見ると、18位サガンとの勝ち点差は10。残り試合数を考えると、けっして安心できる勝ち点差ではない。しかも次節はアウェイで首位ゼルビアと対戦する。いや、勝利が望むまい。勝ち点も望めないかもしれない。それでも何か後に続く光明が見たい。このゲームでの久保の仕掛けは、久しぶりに昨年までの久保のひたむきさを見た気がした。必死になって戦う。ゼルビアからそれを学ぶことができれば、後に続くだろうか。負けてもいい。次節こそ、何か得るものがあるゲームであってほしい。