とんま天狗は雲の上

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W杯アジア2次予選グループF キルギス対日本

 グループFで日本に続いて2位に付けているキルギス。初戦タジキスタンに敗れているので、大したことないと思っていたら、FIFAランクはグループFの中では日本に続く94位。意外に強いチームのようだ。

 日本の布陣はいつもの4-2-3-1。大迫が欠場、堂安はU-22に召集されたこともあり、ワントップには永井。右SHには伊東純也が入るモンゴル戦と同じ先発。左SHには久しぶりに原口が先発し、トップ下の南野は変わらない。ボランチ遠藤航と柴崎。DFはケガの冨安に代わり、タジキスタン戦と同様にCB植田直道が先発した。右SB酒井宏樹、左SB長友、CB吉田は変わらない。GKは権田が守る。対するキルギスは3-6-1。ムルザエフをトップに、トップ下にアルクロフ。中盤はベルンハルトをアンカーに、右IHシュクロフ、左IHムサベコフ。右WBマイヤーと左WBサギンバエフが左右に開き、3バックは右からイウスボフ、コズバエフ、キチン。GKはカディルベコフ。

 序盤、キルギスがホームの声援を受けて、かなり積極的にゲームに入った。9分には左CBキチンからの大きなサイドチェンジが正確に右WBマイヤーに渡り、マイヤーのクロスを右IHシュクロフがつなぐ。CFムルザエフの落としをOHアルクロフがシュートするが、うまくヒットしない。シュートミスに救われたが、左CBキチン、そして右WBマイヤーのキックは精度が高く、脅威だ。

 日本は14分、CB植田のフィードをCF永井が受けて右に展開。右SH伊東純也のクロスにOH南野がヘディングシュートするも枠に飛ばない。17分には左SH原口の縦パスをOH南野が左に展開。CF永井が追い付いて、クロスのクリアをOH南野が飛び込むが、DFにクリアされる。さらに18分にはCH遠藤がドリブルで中央を突破。最後はOH南野がシュートを放つが、GKカディルベコフにナイスセーブされた。

 キルギスは思った以上に高い位置からのプレス、寄せも速く、前への意識も高くて、攻守の切り替えも早い。24分、CHベルンハルトのCKのこぼれからOHアルクロフがミドルシュート。31分には右WBマイヤーのパスを右IHシュクロフが左に展開。OHアルクロフがドリブルで持ち上がり、切り返しでCH遠藤を滑らせて、クロスに左WBサギンバエフがシュート。だがGK権田がビッグセーブで弾き返した。

 34分にはOH南野の縦パスを右IH伊東が右に流して、右SB酒井宏樹のクロスに左SH原口。いやその前に入ったCF永井がヘディングするが、両者が重なって、うまくヘディングを叩けなかった。キルギスも36分、CHベルンハルトのFKのクリアを左IHムサベコフがミドルシュート。CHベルンハルトのセットプレーも正確で要注意だ。

 なかなかゴールが遠く、このまま前半も終わりかと思った41分、CH遠藤の縦パスをIH伊東が反転しながら受けて、前に流れたボールにOH南野が猛然と走り込むと、GKカディルベコフの手よりも早くボールに触って倒された。PK。これを南野が自分で決めて、ようやく日本が先制点を挙げた。PKをもらいに行った感じはあるが、それも含めて南野のレベルの高さと好調さを評価したい。その後は43分にCH柴崎のFKから右SB酒井がヘディングシュート。45+2分、OH南野のクロスに右SH伊東純也はシュートと日本が攻め込むが、いずれもサイドネットに外した。前半は日本1点のリードで折り返した。

 後半もキルギスが積極的に前から攻めてきたが、日本もしっかりと守って攻めていく。そして8分、CH遠藤がDFに倒されてPA手前でFKのチャンスを得ると、左SH原口が直接決めて、日本が追加点を挙げた。これで余裕を得た日本はゴール前をしっかり守り、無理せずに攻める展開。キルギスも13分、左WBサギンバエフの縦パスを右IHシュクロフがヘディングで落とし、左IHムサベコフの落としをCFムルザエフがシュート。GK権田がナイスセーブ。

 日本も22分、左SB長友のクロスにOH南野がシュートを放つが、GKカディルベコフがナイスセーブ。23分、キルギスはOHアルクロフから右に展開。右WBマイヤーのクロスにCFムルザエフが反転してシュートを放つが、これもGK権田がファインセーブで弾き出した。キルギスの速い寄せに日本が攻めの途中でボールを奪われ、攻め込まれる場面も何度かあったが、ゴール前への戻りも早く、日本が人数をかけてゴール前でブロックを作る。33分には伊東と遠藤を下げて、左SH中島翔哉、CHには山口蛍を入れる。原口が右SHに移る。さらに42分にはCF永井に代えて鈴木武蔵。だが終盤はキルギスの攻撃に対して日本が守る展開。それでも最後までしっかりと守り切って、2-0。日本がグループリーグ4連勝を飾った。

 グループリーグの前半を折り返してダントツで日本が首位。後半はホームゲームも多く、できれば国内の選手の起用も期待したい。他のグループを見てみると、オーストラリアとシリアが日本と同様、4連勝を重ねて首位。アジア杯王者のカタールも順調にグループ首位に立っている。シリアに先行された中国のリッピ監督は辞任が発表された。また、タイがマレーシアに不覚を取ってベトナムにリードを許している。他にも韓国が首位ながら2分けしていたりと色々と興味深い。次戦は強化試合のベネズエラ戦。その前に日曜日にはU-22のコロンビア戦がある。久保と堂安が合流したチームの戦いぶりも楽しみにしよう。サンフレッチェとの練習試合では負けたようだが、森保監督が指揮を執ってのゲームを期待したい。