とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第29節 ヴィッセル神戸vs.名古屋グランパス

 前節は絶不調のアビスパに何とか勝利したグランパス。今節の相手は17位のヴィッセルヴィッセルがなぜこんな順位にいるのか、ということがそもそも不思議だが、怖い相手であることは変わりない。ヴィッセルの布陣は4-4-2。佐々木と武藤の2トップに、SHは右に飯野、左に汰木。ボランチは山口と大崎。DFは右SB山川、左SB酒井高徳。菊池とトゥーレルのCBにGKは飯倉。イニエスタもサンペールもボージャンも、そして大迫もいない。ベンチには槙野や扇原、藤本らがいるにはいるのだが。対するグランパスは3-4-3。永井をトップに、重廣と仙頭がシャドー。中盤はレオシルバと稲垣のダブルボランチに、右WB森下、左WB相馬。CBは丸山が先発に戻り、右に中谷、中央に藤井。GKはランゲラック。マテウスがいない中、丸山以外は前節と同じメンバーだ。

 前半はグランパスがCF永井の俊足を生かそうと長いボールを前線に放り込むのに対して、ヴィッセルは速いプレスにパスを繋いで攻めていく。16分、CB菊池の縦パスを受けたFW武藤がドリブル。ミドルシュートを放つ。さらに17分にはFW武藤の縦パスを右SH飯野が収めて、落としをFW佐々木がシュート。だがGKランゲラックが難なくセーブする。右SH飯野は34分にもカットインからミドルシュートを放つが、DFがブロック。グランパスの守備が堅い。前半は守りに回っていることが多かったグランパスだが38分、右FW重廣がドリブルで運ぶ、左に流して、左FW仙頭がミドルシュート。44分にはCH山口から左WB相馬がボールを奪い、CF永井が運んで、右に流して、CH稲垣がカットインからミドルシュート。しかし枠は捉えられない。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 するとヴィッセルは後半頭、山川を下げて、右SHに郷家を投入。飯野を右SBに下げる。後半はグランパスが積極的に攻め出した。3分、右FW重廣のクロスを左FW仙頭がスルー。左WB相馬がシュートを放つが、GK飯倉がセーブ。相馬は4分にも直接FKを狙うが、GK飯倉がキャッチした。さらに6分、左FW仙頭のドリブルから、右に流して、右WB森下がミドルシュート。GK飯倉がセーブする。ヴィッセルは12分、左SB酒井のクロスをCB菊池が落として、右SH郷家がシュート。しかしDFがブロックした。

 すると15分、グランパスが左FW仙頭を下げて、内田を投入する。21分、ヴィッセルはFW武藤のスルーパスに左SH汰木が抜け出し、GKと一対一。だがシュートはGKランゲラックが左足を当てる。ファインセーブ。その後、CF永井の飛び出しに対して、CH山口のタックルが足を捉えるも、ファールを取ってもらえず、永井が興奮する場面も。結局、場害は30分にレオナルドと交代した。また25分位から内田と重廣が左右を交代してプレーする。そして35分、レオシルバと重廣を下げて、左IH永木とFW柿谷。布陣も3-5-2に変更した。稲垣がアンカーで、内田が右IH。

 37分、FW柿谷がミドルシュート。これで得た永木のCKから左WB相馬がボレーシュートを放つが、枠は捉えられない。ヴィッセルは39分、佐々木を下げて、右SH初瀬を投入。郷家をFWに上げた。そして41分、初瀬のCKをCB中谷がヘディングしてファーに流れると、右SB飯野のクロスにFW郷家がヘディングシュート。しかし左ポストにはね返された。こぼれ球をCBトゥーレルがシュート。しかしGKランゲラックがスーパーセーブでブロックした。

 アディショナルタイムに入るとグランパスが攻める。45+3分、左WB相馬のクロスをFWレオナルドがフリックして、右WB森下がシュート。45+6分、左WB相馬のサイドチェンジを右WB森下が落とし、FW柿谷がシュート。だがCBトゥーレルがブロック。続く永木のCKにFW柿谷がヘディングシュートするも、GK飯倉がキャッチする。さらに45+7分、FWレオナルドのシュートもCBトゥーレルがブロック。そしてタイムアップ。GKランゲラックの活躍もあり、何とかスコアレスドローで終わった。

 マテウスがいないとやはり得点力は大幅に下がる。スコアレスドローは順当な結果。次は水曜日にホームでフロンターレを迎える。できれば勝ち点が欲しいが、大きな期待はしない。ただ今後に繋がるゲームを見せてくれればと思う。せめてもの意地を見せてくれ。

家事は誰がするか?

 妻が訪問リハビリを受けるにあたり、三月に1回、本人や家族とともにリハビリ方針等を定めた「訪問看護計画書」を作成する。先日の訪問の際に「今後の目標をどうしましょうか」と言われ、妻が「家事をできるようになりたい」と言ったら、「本当にやりたいの?」と言われた。そのリハビリスタッフの方は妻が退院してからずうっと担当しているので、すっかり懇意になっているからこそ発言だが、「だって病気をする前だって、あまり家事はやってなかったんでしょ」と言われ、そのとおりだけど、でも「家事を誰がやるのか」ということについて、一般常識と私の認識が何となく違うことに気付いた。

 訪問リハビリのスタッフの家庭では、家事は基本的に同居している母親がしており、「でも、食器を洗うのは私の担当」と言う。ご主人はほとんど家事はやっていないみたい。退院時にも感じたことだが、まだまだ日本の一般家庭では、「夫が仕事、妻が家事」が当然の価値観となっている。妻が専業主婦であればなおさらだ。だが、わが家では、妻が病気がちなこともあり、「家事はやれる方がやる」ことにしている。

 もちろん、私が仕事を持っていた時は、帰りが遅いので、夕食の準備や掃除・洗濯は妻がしていた。でも、食事後、妻がなかなか食器の片付けを始めない時は、私がさっさと片付けてしまうことはあったし、風呂の準備ができていなければ私がやっていた。そうしたことが「妻を甘やかせることになる」と批判する声があるかもしれないが、我慢できない方が負け。「勝ち負け」で表現すること自体が従来の価値観に毒されているのかもしれないが、身体が動く側が、我慢せずに家事をこなせば、精神的にもいいし、それで多少疲れても、健康にはいいのではないか。

 もっともそうした習慣が、妻のくも膜下出血の一因かもしれない。訪問リハビリのスタッフも、なるべく体を動かすことを妻に進めるのだが、家事を調理や掃除、洗濯などに切り分けて、「これは誰の担当、こちらは誰の担当」と分担を決めるのは何か違うような気がする。やれる方がやる。でも、高齢者の健康や認知症予防を考えると、介護の際に「介護者が何でもやってしまうのはよくない」という話も聞く。そう考えると、あえて家事の担当を決めておくのも意味があるのかもしれない。でもそれは「家事の分担」とは違う話のような気がする。

 家事は誰がするか? それは、家族でする。それが少なくともわが家では当たり前のルールだ。20代・30代夫婦の家庭ではどうなんだろうか。意外に旧弊に囚われているような気もするのだが。

J1リーグ第28節 アビスパ福岡vs.名古屋グランパス

 前節ガンバに不甲斐ない内容で0-2と完敗。しかもマテウスが膝の靱帯損傷で長期離脱してしまった。今節は12位アビスパとの戦い。ここで負けると降格争いも気になってくる。アビスパも前節、ガンバに0-1で敗戦。そこから中2日。しかもここ6試合勝ちがない。アウェイとはいえ負けるわけにはいかない相手だ。

 アビスパの布陣は4-4-2。渡と山岸の2トップに、SHは右にクルークス、左にルキアン。ボランチは前と、移籍してきた平塚で組む。SDは右SB前嶋、左SB志知。宮と奈良のCBにGKは永石。対するグランパスは3-4-3。永井をトップに、重廣と仙頭がシャドー。ボランチをレオシルバと稲垣で組んで、右WB森下、左WB相馬。CBは丸山がベンチスタートとなり、右から中谷、チアゴ、藤井と並ぶ。GKはランゲラック。

 開始1分、左SHルキアンの縦パスを受けて、右SHクルークスがシュート。序盤からアビスパが積極的に攻めてくる。しかし直後の2分、左WB相馬からのフィードにCF永井と右FW重廣が走り込むと、飛び出したGK永石と下がってきたCB宮が衝突。二人が倒れている間にこぼれ球を重廣が拾い、クロスをCH稲垣がシュート。右ポストに当たってはね返ったボールを右WB森下が押し込んだ。グランパスが幸先よく先制点を挙げる。結局、GK永石は脳震盪で村上と交代した。主審がゲームを止めなかったことにアビスパが抗議をしたが、味方同士の衝突なので、それは難しかったのではないか。

 その後は互角の展開でゲームは進む。そして21分、右SHクルークスとCB藤井が交錯。CHレオシルバがボールを外に出すと、アビスパスローインから再スタート。しかしGKへ返したはずの右SB前嶋のスローインをSHルキアンが奪って、右サイドからクロス。これを右SHクルークスがミドルシュートして、アビスパが同点に追い付いてしまう。さすがにこれにはグランパス一同、もう抗議。ルキアンは、グランパスの先制点の判断に対して不満があったのかもしれないが、これはいけないプレー。だがこの後、長谷部監督が1点をグランパスに献上するよう選手に指示。24分、グランパスのキックオフからCF永井がドリブルで運び、そのままゴール。この間、アビスパの選手は一切プレーをしなかった。これで2-1となった。

 さらに38分、左WB相馬が左FW仙頭との縦関係のパス交換からスルーパス。これにCF永井がギリギリで抜け出し、シュート。グランパスが3点目を挙げた。アビスパも40分、FW山岸が右SHクルークスとワンツー。左サイドを抜け出し、シュートを放つが、CBチアゴがブロック。長いアディショナルタイム、45+6分にはルーズボールを拾ったCF永井がドリブルで運び、右に流して右WB森下がシュートを放つが、これはポストの右。前半はこのままグランパスの2点リードで折り返した。

 後半最初にアビスパはFW渡を下げて、CBグローリを投入する。布陣は3-4-3。山岸をトップに、クルークスとルキアンがシャドーFW。前嶋と志知がWBに上がった。序盤から積極的に攻めるアビスパ。そして12分、CB奈良が持ち上がり、縦パスを右FWクルークスが戻すと、奈良のスルーパスにクルークスが走り込み、戻しのパスをCH平塚がシュート。アビスパが1点を返す。これで3-2。グランパスは14分、永井と仙頭を下げて、CFレオナルドと左FW内田を投入する。

 その後はアビスパがパスを繋いで攻め、グランパスが守る展開。そして22分、右SH重廣に対してCB宮のタックルは足裏が重廣の足首を捉える危険なプレー。主審がVARで確認の上、宮に一発レッドカードを提示した。一人少なくなったアビスパはとりあえず前嶋を右CBに下げて対応。だが飲水タイムの後は4-4-1の布陣を取る。そして30分には、クルークスと前嶋を下げて、CFジョン・マリと右SBに湯澤を投入。山岸が右SHに入る。31分、左WB相馬がカットインからミドルシュート。34分、グランパスは重廣とレオシルバを下げて、FW柿谷と右IH宮原を投入。内田を左IHに下げて、稲垣がアンカー。4-5-2の布陣にした。一方、アビスパも平塚を下げてCH田邉を投入する。

 そして38分、右サイド深い位置からのFKを志知が前線に放り込むと、CH稲垣がCFジョン・マリと競り合って、ボールが手に当たってしまう。しかし主審はVARを確認して、故意ではないと判断。PKは取らない。さらに続く志知のCKが今度はCBチアゴの手に当たる。こぼれたボールをCFジョン・マリが反転からシュート。だが右ポストにはね返された。再びVARで確認。これも主審はPKを取らなかった。

 44分、アビスパは右SH山岸を下げて、城後を投入。45分、左SB志知のCKのクリアを右SB湯澤がミドルシュート。左ポストを叩く。45+2分、グランパスは左WB相馬を下げて吉田豊。守備を固める。後半も10分の長いアディショナルタイムアビスパはグローリを前線に上げてパワープレー。前がCBに下がって守る。しかし最後までグランパスの守備は崩せない。結局このままタイムアップ。3-2。グランパスが勝利した。

 序盤から難しい判定。その後、両者の当たりも強くなり、微妙な判定が続く。アビスパにしてみれば、納得いかない判定も多かっただろうが、最後までフェアプレーが続けられたのは良かった。チアゴのハンドはPKになってもおかしくなかったと思うが、チアゴが手を引こうとしていたこと、そしてジョン・マリが直後のシュートを外したことも勘案したか。これでグランパスは勝ち点で9位レッズに追い付いた。一方、アビスパは16位のガンバと並んで15位。次節、グランパスは17位のヴィッセルが相手。後半になってもなかなか調子が上がってこないヴィッセルだが、怖い相手であることは変わりない。油断なく、勝ち点を積み上げていきたい。