長友がデビューしたローマ戦を観た。スポーツニュースでは長友の活躍の場面しか映らないけど、他の時間帯はどうだったのか? 今後、左SBやその他のポジションで使われる可能性はあるのか? インテルの現状と今後の見通しは?
結論を言えば、ギブ又はサネッティが第一選択ということは変わらないだろうが、マイコンやモッタ始めその他の選手の調子や過密日程などを勘案すれば、先発出場する可能性もあるだろう。って、そんなの当たり前じゃん。でもそう思わざるを得ないような何とも出入りの激しいゲームだった。
先制はインテル。3分、スナイデルがマイコンにはたき、戻ってきたボールを技ありのミドルシュート。柔らかく意表を突くシュートがネットを突き刺した。前節、途中出場でゴールを挙げたスナイデルの存在感はさすが。
でもローマも黙っていない。特にボッリエッリが元気。6分、ボッリエッリがドリブルで切れ込みシュートを見舞う。13分、ブチニッチが中盤でボールを持つと、ボランチに入ったモッタがズルズルと下がり、右SBカッセッティが上がってクロスにシンプリシオが飛び込む。同点。やはりインテルはアンカーが問題。みんなして攻撃に出た後のバイタルエリアがユルユルで守備に回った時に抑えきれない。
15分にはDFからのフィードをボッリエッリがポストで落とし、メネスがシュート。ジュリオ・セザールが弾くと、ボッリエッリがヘディングで押し込む。またもJ.セザールのファインセーブ。メネスが左サイドニアに走り込みシュートをするが、J.セザールが弾き返す。インテルのゴールはJ.セザールが守りきる。
すると今度はインテル・ペース。21分、スナイデルのFKをGKが弾くとラノッキア、モッタと詰め寄り、最後はエトーがシュート。しかしDFが弾き返す。組織的な守備では何とかふんばっていたローマだが、勝越し点はエトーが芸術的なシュートで決める。35分、右45度から一瞬のタイミングを外すミドルシュート。その後もエトー、スナイデルとシュートを放つが、何とかGKセルジオがセーブ。前半はスナイデルとエトーの個人技で2得点、組織的な守備ができずに1失点。
後半も一進一退の展開だったが17分、スナイデルのスルーパスにパッツィーニが抜け出したところをブルディッソが倒してPK。これをエトーが決めて3点目。ローマを突き放す。
23分にはスナイデルからエトーのポストプレーにスナイデルがシュート。24分にもスナイデルからエトーのクロスにパッツィーニがスライディングシュート。そして26分、CKからスナイデルのクロスをエトーが落としモッタがヘディングシュート。ついに4-1。いよいよインテルはスナイデルに代えて長友を投入した。
しかし入った直後の30分、デロッシが蹴ったFKをブチニッチがシュート。1点を返す。インテルも32分、マイコンのサイドチェンジからカンビアッソがつなぎ、ミリートがシュート。さらに34分にはミリートのスルーパスに長友が走り込みクロスを入れるも、エトーが空振り? GKが抑える。
ローマは36分、CKをCBフアンがヘディングシュート。ポストに当たって返ったところをロリアがヘディングで押し込んでついに1点差。インテルも37分、エトーのスルーパスに長友が走り込みクロス。カンビアッソがスルー。あれぇ、何で打たなかったの?
39分にもミリートのスルーパスに走り込む長友。44分にはカンビアッソからカルジャがつないでエトーがシュート。弾いたところをミリートがシュート。45分にはエトーがドリブルからクロスを上げ、GKが弾くとサネッティがつないで最後はカンビアッソ。5-3と突き放してインテルが勝利した。
終わってみれば5-3と激しい点の取り合い。攻撃力はスナイデルのいるインテルが上回るが、守備はJ.セザール任せ。アンカーがモッタ一人ではどうしても抑えきれない。スタンコビッチが戻ればカンビアッソをアンカーに据えるのか。サネッティもバランサーとしてどうしても外せない選手。マイコンの攻撃力も大きなインテルの武器なだけに、左SBには守備力の高い人材を起用せざるを得ない。とすると長友の左SB起用は第3選択とならざるをえない。もちろんこのゲームのようにサネッティを動かしたい時やマイコンが欠場した際には左サイドからの攻撃性をかって長友を起用することもあるだろう。または、下位チームとの対戦時に、主軸選手を温存するケース。
いずれにせよ、少ない出場の機会を粘り強く生かしていくことが長友には求められる。その時の守備面での働き如何では、第2・第1選択肢となることもあるかもしれない。左SBと言えばロベカルのイメージが未だに強烈だが、長友がそんな存在になれたらどんなにすごいだろう。夢は果てしなく。