両チーム、今シーズンは不調ながら、フェルナンド・トーレスのチェルシー電撃移籍もあって、因縁の対戦。リバプールはダルグリッシュ監督に代わってからようやく調子を取り戻してきた。さてどんなゲームになるか、興味を持って観始めた。
新監督の下、リバプールの布陣にびっくり。アッガー、スクルテル、キャラガーの3バック。今までは右SBだったグレン・ジョンソンが左SHを務め、右SHには20歳のケリー。ジェラード、ルーカス、マキシ・ロドリゲスで中盤を固めて、メイレレスがトップ下。カイトがいつもの運動量で前線を走りまわる。
チェルシーは前線にF.トーレスとドログバが入って、アネルカがトップ下。イバノビッチがCBを務めていることを除いてはほぼベストメンバー。しかしボールキープ率は高いものの、リバプールの固い守備の前になかなかシュートまで持っていけない。27分、ランパードのCKからようやくイバノビッチがヘディングシュート。31分、ルーカスからボールを奪ったドログバからのきれいなスルーパスにF.トーレスが走り込んでシュート。しかしキャラガーが気迫のブロック。F.トーレスはまだ本調子には今一つのようだ。
もっぱら守備に回っていたリバプールだったが、32分、カイトからのクロスをメイレレスがシュート。33分にはG.ジョンソンからジェラードのDFとGKの間を通す絶妙のクロスにM.ロドリゲスが走り込みシュート。しかしバーに阻まれる。
前半はチェルシーがボールを回すものの、チャンスはリバプールの方が多かった。しかし、ゲームは重くがっぷり四つ。後半も同じ展開が続く。
8分、カイトのドリブルからG.ジョンソンがシュート。チェルシーも9分、ランパードのスルーパスにアシュリー・コールが走り込む。PA内で倒されたがPKは取らず。
3バックでマークされ、なかなかゴール前まで入れないチェルシーは遠目からシュートを打って行く。10分、20分とアネルカ。22分にはエッシェン。その前の21分、チェルシーはF.トーレスを諦め、カルーを投入。
しかしその直後、右サイドケリーからのフィードにジェラードが走り込みクロスを上げると、GKチェフとイバノビッチがかぶって、その裏にメイレレスが走り込みシュート。リバプールが待望の先制点を挙げる。
追いつきたいチェルシーは27分マルーダを投入。その直後、アネルカのスルーパスにマルーダが走り込むが、シュートはGK正面。28分にはGKとの連携が不安定だったイバノビッチを右SBに上げ、CBに初出場のダビド・ルイスを投入。32分、ドログバのFKがGKに弾かれた後、カルーのクロスにドログバが飛び込むが届かない。
リバプールは30分ファビオ・アウレリオ、39分クリスチャン・ポウルセンを投入。中盤を補強し、前からの守備。これでチェルシーの攻撃がますます停滞。ロスタイム、イバノビッチをG.ジョンソンが倒すがショルダー・チャージの判定。PKならず。結局、チェルシーは最後まで攻撃が噛み合わないままゲームセット。リバプールがチェルシー相手にアウェイで会心の勝利を挙げた。
ゲーム後のダルグリッシュ監督の喜びようがその内容を表わしている。派手さはないが内容の確かさを感じさせる勝利だった。ようやく復調なったリバプール。優勝は無理でも上位チームにとって台風の目となることは間違いない。これからの活躍が楽しみだ。