とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

退職後の生活(パート2) 遺跡をめぐって冊子をつくる

 先日、近所のおじさんと話をした。その方は私より7〜8歳上。若い頃は運輸省の港湾部局で働き、船に乗って中部管内の海を巡っていたというが、50歳前後には退職し清掃業の会社を興して自営業で頑張ってきた。
 数年前からリュウマチで悩んでいたが、先月で息子に社長を譲り、今は暇を持て余しているという。国家公務員時代の年金も少しはあり、奥さんはこれまでどおり息子の会社で働いているから生活に困ることはないらしい。「家事手伝いですよ」と自嘲気味に言うが、「何かやることを見つけないと」とも言う。
 趣味に生きる私の父や、正月に会った先輩の話をするが、少し無理をすると身体に響くようで、そうなると何をしたらいいか、なかなか見つからない。
 昨年秋に、恩師(直接の師弟関係はないが、いろいろ勉強させてもらい支えていただいているので、あえてこう呼ばせてもらう)から1冊の冊子をもらった。タイトルは「考古学ノート」。副題に「考古学遺跡と資料館訪問のすすめ」と書かれている。私よりも18歳ほど年長で、もうすぐ第2の職場であった大学も退官し、いよいよ無職になるという。
 数年前から全国の遺跡や資料館を巡っていたのは知っていたが、これまでの活動を振り返り、知り得た知見や経験を綴っている。考古学に関しては研究者ではなく、一介のアマチュア愛好家なので、新書などの一般的な本からの抜粋や紹介、全国の遺跡・資料館事情、旅行顛末記など。本人を思い返しつつ読むとなかなか興味深い。
 先生は60歳になった時に自分史「私の履歴書−60年の人生雑記帳」を作成。さらにその10年後にも70歳を振り返るパート2を作られている。大学教授という職業柄、こうした冊子の作成には慣れているのだろうが、興味のあることを行い、それをまとめて冊子を作成する。冊子づくりが目的となり、また励みとなって次の活動につながっていく。こうした生き方もいいもんだと思った。
 私の住む市では、自分史作成支援の講座もあるようだが、一定の区切りでテーマを定めて定期的にまとめ作成していくという恩師のようなやり方がいい。でも慣れていないとかなり労力を要しそうだ。私の場合、ブログをまとめるという手もありそうだが、まとめるのは大変だ。書きっぱなしがいい。いや、私の年代だと退職後、悠々年金生活なんて見込めそうもない。一生涯現役。死ぬまで働き続ける。それしかない、と最近ひしひしとそう感じている。