とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ブラックプールは面白い。楽しんで、喜んで、そして悲しくも納得の降格。

 前節で優勝を決めたマンUが最終戦をホームで迎える。相手は降格争い真っ只中、18位のブラックプール。しかし今シーズンのプレミアリーグは5チームが勝点差1内で争う大接戦。ブラックプールもよもやマンU相手にアウェイで勝てるとは思っていなかったにしても、序盤から積極的に戦っていく。
 開始1分、中盤でボールを拾ったキャンベルが左サイドに流し、アダムのクロスにサザンがシュート。突然の絶好期に固くなったか当たり損ねる。直後の4分、マンUベルバトフのクロスがDFに当たって返ったところをラファエルがシュート。
 ブラックプールは6分、アダムのクロスにテイラーフレッチャーが飛び込む。わずかにバウンドが合わない。逆に8分、マンUフレッチャーのアーリークロスベルバトフがシュート。GKギルクス、ファインセーブ。
 それでも21分、再びフレッチャーのフィードをベルバトフが左サイドで受けて、2タッチで絶妙のクロス。これをパクチソンがうまく浮かしてGKをかわしシュート。マンUが先制点を挙げる。
 31分にもラファエルのクロスのクリアのこぼれをベルバトフが拾ってシュート。しかしこれはGKギルクスが右足に当てるスーパーセーブ。
 マンUの巧さの前にあしらわれていた感のあったブラックプールだが、攻撃的な意識は失わない。そして40分、ゴール前でFKのチャンスをつかむと、アダムの蹴ったボールはきれいな弧を描いてゴールネットを揺すった。同点。44分にもアダムのロングフィードにパンチョンがゴール前に迫ったが、このゲームが現役最後のリーグ戦となるファンデルサールが先に抑える。
 前半が終わった時点でブラックプールが降格圏内から脱出。後半4分、再びFKのチャンスにアダムが今度はストレート系の強烈なキックを見舞うが、ファンデルサールが好反応でパンチング。10分にはエブラのCKにベルバトフがヘディングシュートを狙うが大きく外れる。このゲームのベルバトフは打てども打てどもゴールに入らない。
 そうこうするうちの12分。ボランチのボーンが中盤からドリブルで前進。パンチョンがポストに入ってヒールで送ると、ボーンがそのまま走ってクロスにテイラーフレッチャーが飛び込む。何とブラックプールが勝ち越した。
 が、守りに入るとやはりマンUに一日の長。18分、CBエバンスがドリブルで上がり、アンデルソンが左に流して、パクチソンの返しのクロスをアンデルソンがシュート。あっという間に同点に追いついた。
 マンUは後半初めにラファエルに代えてスモーリングを右SBに起用。18分にはパクチソンオーウェンに代えて攻撃の圧力を強める。19分にはエブラのクロスにベルバトフがヘディングシュート。しかしGKギルクスが右手1本で弾き返すスーパーセーブ。はね返りをスコールズが狙うが、DFが弾き返した。
 27分にはスモーリングのクロスをビディッチがヘディングシュート。これはDFがブロック。しかし29分、スモーリングが入れた高速クロスにCBエバットがたまらず痛恨のオウンゴール。ついにマンUがリードする。
 33分、オウンゴールを献上したエバットがCBから持ちあがり、左SBクレイニーのクロスにゴール前で飛び込む気迫の攻撃。しかしマンUは36分、アンデルソンのスルーパスに元祖ワンダーボーイオーウェンが抜け出し、ダメ押しの4点目。
 さっきまで残留圏内で喜んでいたブラックプール・サポーターも蒼ざめる。41分、ナニのクロスにベルバトフがシュート。またもゴールに入らない。ブラックプールは30分にバーニーとフィリップス、42分にはオーメロッドを投入。あくまで反撃の姿勢。43分、フィリップスのクロスにオーメロッドがシュートを打つが、わずかにポストの外。
 その後、ロスタイムにベルバトフがまたもシュートを外すと、48分にはアダムのシュートがポスト。49分にはバーニーのヘディングシュートがバーを叩く。派手な攻守を見せた末にゲームセット。終わってみればマンUが4-2と快勝でホーム凱旋を飾った。
 ブラックプールは一時は勝ち越して残留かと思われたが、最後は力尽きてわずか1シーズンでの降格が決まった。面白いサッカーを見せていただけに残念だが、またぜひ上がってその楽しいサッカーを見せてほしい。
 それにしても、前節まで19位のウィガンが後半27分のゴールでストークに勝利して降格圏内を脱出する一方、バーミンガムはロスタイムの失点でトットナムに敗戦して降格決定。ここで引き分けて、ウォルバーハンプトンに後半43分の得点がなければ得失点差で逆転していただけに悔やまれる失点。それにしても最後の最後まで面白い今シーズンのプレミアリーグだった。