とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セレモニックで何とも緩い日韓戦

 松田選手への黙祷があり、喪章を付けて戦ったゲーム。韓国側はこれですっかり戦意がなくなったのではないか。勝ってはいけないと思ったのではないか。日本はケガの長友と前田に代わり、駒野と李が入ったが、ほぼベストメンバー。これに対してイ・グノキム・ヨングォンを先発させた韓国はどうだったか。お互いW杯アジア3次予選を控え、ケガをしたくないし、使える戦力を試すゲーム。その点でも緩いゲームにならざるを得なかった。
 立ち上がり日本が積極的に仕掛ける。2分、岡崎のループシュート。4分、岡崎のポストから本田がシュート。4分、遠藤のCKに長谷部がループシュート。韓国もアピールをしたいイ・グノを筆頭に反撃に出る。7分、ク・チャジョルが右に流しチャ・ドゥリのクロスにイ・グノがヘディングシュート。8分、チャ・ドゥリミドルシュート。19分、イ・グノのクロスにキム・ジョンウがヘディングシュート。21分、イ・ヨンレのサイドチェンジからパク・チュヨンがシュート。
 日本は岡崎が太腿を打撲したこともあり、仕掛けが甘い。若い韓国のチーム力もさすがだなと思って見ていたが、韓国の左SBキム・ヨングォンの負傷もあって20分過ぎから日本もチャンスをつかみ出す。
 22分、吉田の縦パスを岡崎がつなぎ、本田のキープから香川がミドルシュート。これはGKチョン・ソンリョンがナイスセーブ。26分には長谷部のクロスに本田。さらに30分、長谷部から本田がミドルシュートを放つ。この時にキム・ヨングォンに代わって右SBに入ったばかりのパク・ウォンジェが強烈なシュートを頭部に受け、脳震盪を起こしてしまう。
 日本は33分、カウンターから李のシュートがわずかにGKチョン・ソンリョンがクリア。そして35分、遠藤からのくさびのパスを李がヒールで流し、香川がDFの間を割って入ってシュート。このあたりのボール扱いはさすが香川。日本が先制した。
 36分には岡崎に代わり清武を投入。これがまたよく機能した。40分、本田が起点となって長谷部の縦パスを清武がつなぎ、回り込んだ本田がシュート。気持ちよく日本が攻め始める。
 後半も序盤から日本が飛ばしていく。3分、スローインから清武のクロスを李がスルー。香川がシュート。チャ・ドゥリが身体を投げ出す。7分には韓国がイ・ヨンレ、イ・グノに代えてキム・シンウク、キム・ボギョンを投入。積極的に選手を試していく。
 がこの間隙を突く形で日本が追加点を挙げる。8分、左サイドから駒野がドリブルでDFを抜いてシュート。GKが弾いたボールを清武が拾い、本田がコースを狙ったシュート。追加点を入れると、10分には香川が右に流し、清武のクロスに走りこんでシュート。3点目を入れる。もちろん駒野の突破は素晴らしかったし、清武の落ち着いたプレー、そして香川の走り込みと本田のファーサイドへの走り込みもよかった。だが韓国DFが軽いという気もする。
 13分には内田のクロスに李がヘディングシュート。GKチョン・ソンリョンがナイスセーブ。李はヤル気に溢れていたが、ついていなかった。日本も11分に槙野、21分に阿部、さらに家長、細貝と入れる。韓国はユン・ピッカラムとナム・テヒ。22分には槙野のクロスに李。だが入らない。26分には李のパスを受けて中に走り込んだ内田のシュートがポストに当たりはね返る。
 3点を取った後は日本も無理をしなくなり、逆に必死で結果を見せようとする韓国が何度も惜しいチャンスをつかむが、決定機を決めることができない。特にム・シンウクが再三のシュート。だがことごとくチャンスを外す。36分には家長のバックパスを拾ってシュートするが、GK川島がファインセーブ。両チーム、アピールしたい選手たちは今一つ結果を見せることができなかった。
 結局3-0で日本が快勝。香川や本田がさすがの実力を見せたこと。そして清武が使えることがわかったことが収穫。だがそれ以外は大きな成果はなかった。4-4-2を再確認することが最大の目的かも。さてお祭り騒ぎもここまで。まずは2日の北朝鮮戦。今度はこれまでとは違う緊張の中でのゲームとなる。ここでどういうゲームができるか。いよいよ本番がやってくる。