とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこジャパンの雄姿 なでしこリーグの実力

 なでしこジャパンなでしこリーグ選抜とのチャリティマッチ。五輪予選に向けての強化試合という位置付けだが、外国で戦う永里優季、安藤、熊谷、鮫島はまだ帰国せず、代わりに川澄、丸山と矢野、田中が先発した。リーグ選抜には、柳田と宮本が入り、懐かしいが、後の選手は全く知らない。だが、これらの選手たちが溌剌としたプレーを見せた。W杯王者のなでしこジャパンとリーグ選抜との対戦ということでどんなゲームになるかと心配したが、選抜の奮闘で見て楽しい、非常にいいゲームとなった。特に、次の代表を狙う選手たちのことを知れたことはよかった。
 2分、川澄がライン際まで追って残し、クロスに澤がシュート。DFのブロックを丸山が拾い、粘る。川澄と丸山という、W杯ではサブだった二人が非常に自信を持ってプレーしていることが目を引く。特に川澄はこんなにいい選手だったか。速くよく動き、粘り強い。
 7分にも川澄のスルーパスに左SBの矢野が上がりクロス。大野がシュート。しかし選抜も負けてはいない。8分、右SH中野が左に振り、宮本がシュート。前半、宮本はFWに入る。
 しかし前半、選抜はなでしこジャパンをリスペクトし過ぎた。早めに引いてきれいにラインを作るが、守る相手に対してなでしこの仕掛けが上回る。そして15分、丸山が左サイドを駆け上がり、クロスを川澄が戻すと、宮間のクロスに近賀がシュート。宮間のクロスがすばらしい。なでしこジャパンが先制する。
 さらにその直後、18分。丸山がゴール前で粘ってドリブル。アシスト・パスを川澄がGKをかわすきれいにゴールを決める。20分には丸山がボールキープからシュート。さらに21分、宮間のCKに岩清水がヘディングシュート。惜しくもバーを叩く。はね返りをさらに岩清水が詰める。ポストに当たる。
 攻め続けるなでしこジャパン。24分には宮間のFKに坂口がフリーとなってヘディングシュート。GK大友のミスもあってジャパンが3点目を入れる。それにしても宮間のクロスはDFの集団を越えたところで急速に落ちて、味方にピタリと合う。見事の一言。
 その後、リーグ選抜も反撃するが、岩清水の見事なDFラインの統率の前にチャンスをつかめない。43分には川澄の戻しを宮間がクロス。澤がヘディングシュートを放つが、これはゴールにならない。
 後半初めからなでしこジャパンはGKを海堀から福元、岩清水を下げて矢野をCBに回し、左SBに上尾野辺。さらに丸山に代えて高瀬を投入。対するリーグ選抜も木龍と米津を投入。すると4分、米津から木龍が抜け出してGKとDFの間に見事なクロス。菅澤がゴールを決め1点を返す。なでしこジャパンは17分、大野に代えて永里亜紗乃、澤に代えて宇津木を投入。前線が永里と高瀬というポストタイプ同士で、川澄が右SHに入るが、もう一つ攻撃に連携が取れない。守備も岩清水が抜けて、田中がラインコントロールするが、岩清水には及ばない。木龍が積極的にスピード勝負を挑むと、なでしこジャパンも守備に追われる。
 28分には宮本に代えて小林を投入。そして32分、菅澤がポストから反転シュートを放つと、35分には中野のFKに菅澤がヘディングシュート。
 なでしこジャパンも35分、宮間のスルーパスに川澄が抜け出し、GKと一対一となるが、GK大友のスーパーセーブ。足に当てて弾き返した。39分には木龍のクロスのはね返りに中野がシュート。さらに43分、ベンチの選手を全員交代出場させると、ロスタイム1分、矢野が交代出場の渡辺を倒し、PKを得る。これを渡辺が決めてゴール。3-2と選抜チームが1点差に迫ったが、ここでゲームセット。なでしこジャパンが何とか逃げ切った。
 選手が揃わない中、澤、岩清水といった中心選手を下げて、後半はイマイチなゲームとなってしまったジャパン。対して選抜チームの頑張りが目立つ。代表に選出されないメンバーも技術力は高い。下からの突き上げで、高瀬や上尾野辺らもうかうかできない必死さが伝わってくる。
 なでしこリーグの高いレベルがあってこそのなでしこジャパン。男子と違って汚いファールもなく、パス主体のサッカーはそれなりに面白い。もっと中継をしてくれれば見てもいいな。INACが一人勝ちでない面白いリーグになるともっといい。