とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

天皇杯決勝は得点ほど差があったわけではない。J2同士と言えばそうかもしれない。

 ようやく天皇杯決勝のビデオを見た。途中経過はラジオで聴いていたが、FC東京が一方的に優勢かと思っていた。だが、4-2の得点結果ほどFC東京が優勢だったわけではない。お互いチャンスはつかむが、ゴールが遠い。一方でゴールはあっけなく許す。J2同士らしいゲームだったと言えるかもしれない。
 1分、ルーカスがミドルシュートを放つと、序盤はFC東京が攻めていく。3分、梶山のスルーパスに石川がシュート。4分、CKのクリアボールを谷澤がミドルシュート。勢いはあるが、正確性ではイマイチ。GK水谷も好セーブで対応する。
 すると次第にサンガもFC東京のやり方に慣れてきて、ボールを繋ぎ出す。6分、ドゥトラから中村が落として宮吉がミドルシュート。9分にも宮吉がミドルシュートを放つ。そして13分、FC東京スローインを中盤で奪うと、中山が前にパス。ドゥトラが受けてDFとのこぼれ球に中山が走り込みシュート。京都サンガが先制点を挙げる。
 プレスがよく効いてパスもつながり、この勢いのまま行っていればサンガにも勝利の可能性があっただろうが、同点に追いつかれるのが早すぎた。15分、石川がシュートコーナーからクロスを入れると、今野がヘディングシュート。あっという間の同点弾。その後、20分ルーカス、22分工藤とミドルシュートを撃ち合うが、得点と同じ互角の展開となっていく。
 そして36分、谷澤のドリブルをチョン・ウヨンが倒してゴール前のFK。森重が蹴ったボールはアウトサイドにかかってGKから逃げていく。ゴール。2点目。さらに42分、ゴールキックからボランチ高橋が競り合って前に送ると、ルーカスが抜け出してGK水谷をかわしてシュート。あっという間に2点差をつける。
 今野と言い、森重と言い、ルーカスと言い、経験と技術がサンガの守備を上回った。個人能力の差。ロスタイムには石川もミドルシュート。バーを叩く。
 後半に入り、サンガがパスを繋いで攻めていく。9分には早くもドゥトラに代えて高校生Jリーガー久保を投入。すると14分、中山から久保がポストとなって左SB福村がつなぎ、中山がシュート。20分にも福村のクロスに中山がアクロバティックなバイシクル・ボレー。
 ところが次の得点はカウンターからFC東京に訪れる。21分、サンガの右SB、加藤が上がってクロスを入れると、このクリアから右SBが上がった裏をFC東京の左SB椋原が上がって、クロスをルーカスが押し込む。4点目。
 だがサンガも諦めない。25分、ゴール前のチョン・ウヨンのFKは権田がナイスセーブで弾き出すが、直後のCKに久保がドンピシャ・ヘディングシュート。サンガが1点を返して2点差。
 サンガは14分にボランチの中村が負傷で中山を下げて、左SHに駒井を入れ、さらに31分には本来ボランチの加藤に代えて右SBに下畠。だが疲れもあってか、中盤のプレスがルーズになり、26分鈴木達也、29分セザーを入れたFC東京ショートカウンターを浴びる。28分、ルーカスの落としから鈴木のミドル。32分、鈴木のクロスから森重がシュート。45分にはセザーのドリブルからクロスに鈴木がシュート。
 ロスタイムにはサンガもチョン・ウヨンのFKがバーを叩くが、激しいゲームもここまで。若いメンバーがパスをつなぎ果敢に攻めたサンガだったが、FC東京がベテランの経験と技術で一瞬の隙とチャンスを逃さず得点を重ね、天皇杯初優勝を飾った。
 準決勝、決勝とFC東京のゲームを見てきたが、降格した一昨シーズンのゲームとあまり変わっていない。それがFC東京のゲームと言えばそれまでだが、前線の速さ、流動性と不正確なシュート。梶山が中途半端で中盤に落ち着きがない。米山が戻ってくれば変わるかもしれないが、このままではJ1に上がっても結局中位に留まりそう。レイソルの再現ということにはなりそうもない。サンガも同様、中盤のタレントが足りない。宮吉の巧さ、久保の貪欲さと決定力はいいんだけどね。両チームともまだまだJ2のチームということか。