マンU対リバプールの伝統の一戦。前節チェルシーに3点差を追い付いたものの引分けで勝点1。今度こそ絶対負けられない、いや、勝ちたいゲーム。対するリバプールも前節トットナム戦はスコアレスドローながらスアレスの途中投入でペースをつかんだ。7位まで下がって、ここは何としても勝利したい。
ゲーム前、8試合出場停止の原因となったエブラとの握手をスアレスが拒否。ゲーム前から風雲の兆し。終始、熱狂的に騒がしいマンUサポーターの前で、序盤から激しい攻防を展開する。
3分、リバプールのグレン・ジョンソンがミドルシュートを放つと、マンUも4分、ウェルベックのドリブルからバレンシアのクロスにルーニーが飛び込む。直前でGKレイナがキャッチ。6分にはバレンシアとホセ・エンリケが激しい競り合い。7分、ギグスのCKをキャリックがヘッドでつなぎ、ルーニーがヘディングシュート。GKレイナの正面。
リバプールも負けていない。10分、ジェラードの縦パスからスアレスが落とし、G.ジョンソンがミドルシュート。このゲームのG.ジョンソンは絶好調。左SBホセ・エンリケもよく戦う。だが、攻撃はスアレス頼み。ジェラードを中心に中盤ではボールを回していくが、決定的チャンスは少ない。
マンUは、スコールズ、キャリックを並べ、ギグスを左SHに入れる守備的な布陣ながら、ルーニーの捌きにバレンシア、ウェルベックが走るカウンター主体の攻撃。31分、ウェルベック、ルーニーと回り、スコールズが左に流してギグスのクロスにスコールズがフリーでヘディングシュート。だがGKレイナの正面。34分にもバレンシアのクロスにエブラがヘディングシュート。これは枠を外す。38分、ウェルベックがルーニーとのワンツーからシュート。リバプールは42分、CKにスクルテルがボレーシュート。これは惜しかった。
前半は激しい攻防を繰り広げるが、お互いしっかりした守備で無得点に終わった。だが、後半に入ると突然ゲームが動く。
2分、ギグスのCKにキャリックがつなぎでジャンプすると、競ったヘンダーソンの頭に当たったボールがルーニーの前にこぼれる。右足一旋、強烈ボレーシュート。マンU先制。さらに5分、スピアリングからバレンシアがボールを奪うと、惹きつけてルーニーにパス。GKレイナの股間を抜いて2点目を追加。あっという間に2-0とマンUがリードする。14分にはバレンシアのパスからルーニーのシュート。これは外したが、マンUがペースを握る。
反撃したいリバプールは16分、キャロルとベラミーを投入。だが、守備を固めるマンUの前にかえってバランスを崩した印象。カイト、ベラミーが持ち過ぎてリズムを崩し、キャロルが全くタイミングが合わず、さっぱり攻撃が機能しない。29分にはバレンシアからギグスと回し、ルーニーのポストプレーにウェルベックがシュート。GKレイナがセーブ。リバプールは30分、CBアッガーが上がってロングシュートを放つ始末。
それでも30分、カイトに代えてアダムを投入すると、35分、ジェラードのスルーパスにスアレスが抜け出しかけて、キャリックが倒す。FKをアダムが蹴ると、ファーディナンドに当たったボールにスアレスが素早く反応。リバプールがようやく1点を返す。
だがその後もマンUの守備の前にリバプールの攻撃がなかなか形にならない。ロスタイム1分、ベラミーのFKのこぼれをG.ジョンソンがミドルシュート。GKデヘアが指先で弾くナイスセーブで得点を許さない。結局このままゲームセット。後半立ち上がりのルーニーの2点を守り切ってマンUが伝統の一戦に勝利した。
これで暫定ながら勝ち点でマンCを上回り、プレッシャーをかけた。リバプールはスアレスが入ってこれまでよりは可能性が見えたが、キャロルが全然ダメ。このまま中位のままで終わるのか。上位進出の可能性は低い。