とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

欧州サッカー批評05

 サッカー批評が隔月になって、欧州サッカー批評が発行される月は、毎月サッカー批評誌を読むことになる。さすがにちょっと食傷気味。しかも欧州サッカー批評は、最新欧州の監督や戦術をテーマに取り上げることが多い。今号のテーマも「未来のフットボールを創造する革命家たち」。取り上げられる監督は、今はPSGのアンチェロッティビルバオマルセロ・ビエルサユベントスのアントシオ・コンテ、チェルシーのビラス・ボアス、サンダーランドのマーティン・オニール、ドイツ代表監督のレーブ、ボルシアMGのルシアン・ファブレ、1.FCケルンのソルバッケン、フィテッセのファン・デン・ブロム、リオ・アベFCのカルロス・ブリトーなど。
 と言っても私が普段見ているのはプレミアリーグだから、それ以外のリーグの監督のゲームは見ていないから、今一つ理解ができない。それよりも、ピルロやデコ、ダビド・シルバなどへのインタビューの方が興味深い。
 それにしても、サッカー批評にあるウィットに富み、意味深い連載がないことが、今一つ物足りない。次号の欧州サッカー批評はどうしようかな。ひょっとしたらもう買わないかもしれない。1200円の価値があるかどうか、けっこう微妙なところだ。

欧州サッカー批評(5) (双葉社スーパームック)

欧州サッカー批評(5) (双葉社スーパームック)

インテルからブレッシャへ戻った僕は、そこで幸運にもカルロ・マッツォーネという偉大な監督とめぐり合うことができてね。彼が最初に言ってくれたのが、『本当に巧いヤツってのは限りなくシンプルにプレーするものだ』って言葉。・・・続けて、監督は僕に、『見てみろ、あそこに最高の手本がある』って言いながらロビー(・バッジョ)を指差したんだ。そこには、”難易度の高いプレーとシンプルなプレーの比率は1対99”を完璧に実践するファンタジスタの姿があったわけだよ。(P030)
●何より重要なのは、あのグアルディオラがブレッシャでプレーしていた頃によく言っていた言葉なんだと改めて思う。・・・彼はこう言っていたんだ。”『受ける、考える、パスを出す』ではなく、「考える、受ける、パスを出す』”。基本中の基本、至って当たり前のことなんだけど、これがやっぱり最も大切だと思うんだよ。つまり、思考速度。この速さが”違い”を生む。(P032)
●伝統的に守備を重視(偏重?)するこの国(イタリア)のサッカー界では、勝てない時期を迎える度に、半ば儀式のようにしてまずは守備の技術。戦術の見直しが徹底して行われるという。守りを鍛え直すことで、そこと日常的に対峙するFWたちの技もまた自ずと高められていく。この実に単純な循環を促す作業こそが、結果としていつの日にか稀有な才能を生みだすことになる、と。(P075)
オシムさんの言葉ですごく大事にしているものがあります。サッカーもルールも変化しない中でサッカーに変化を与えることができるのは、ひょっとしたら全くサッカーに囚われない人じゃないかなと。サッカー以外のところにいろんなアイデアを持っている人。・・・サッカーに囚われ過ぎると毒が回る危険性もあるということです。(P095)