とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

シャルケ、余裕あり過ぎの逃げ切り失敗。内田も攻守そつなくよくなじんでいた。

 チャンピオンズリーグ・グループB第2節、シャルケモンペリエ戦。シャルケの右SBとしてすっかりなじんで攻守をこなす内田のプレー振りに、これまでドイツで主力で活躍できた理由を理解した。ここまでそつなくプレーができるサイドバックはそうはいない。攻撃性があり、バランスをもって守備ができる。もっともこのゲームでは2失点とも内田が抜かれたという指摘もあるかもしれないが、しかしあれは無理だろう。
 開始1分、CBパパドプロスがボールを持つと、内田がスルスルと駆け上がってフィードを引き出す。11分には左SBフックスのアーリークロスをCFフンテラールが落とし、右SHヘーガーが右に展開。内田が上がってクロスにFWプッキがシュート。流れるようにパスが回る。
 ところが13分、右WGカベリャがドリブルで中に流れると、左WGアイト・ファナがスイッチしてミドルシュート。内田が詰めるが届かなかった。モンペリエが先制する。
 しかしシャルケはよくパスを回し、攻め込んでいく。15分、ドラクスラーがミドルシュート。GKジュルドランがセーブ。19分、プッキのクロスにドラクスラーがニアに飛び込む。ドラクスラーは弱冠19歳ながら、シャルケの攻撃をリード。MFホルトビーがそれをよく支える。そして26分、フンテラールのスルーパスにドラクスラーが抜け出しシュート。シャルケが同点に追い付いた。
 しかしモンペリエの守備も落ち着いている。29分にはトップ下ベランダがドリブルでDFを二人かわしミドルシュート。守りながらも虎視淡々とゴールを狙う。さすが昨シーズン、リーグ・アンのチャンピオン・チーム。CFジルーが抜けても、後方の組織はしっかりしている。
 だがシャルケも攻撃の手を休めない。39分、左SBフックスのCKにパパドプロスがヘディングシュート。この後もセットプレーにCBパパドプロスがよく合わせる。こちらも弱冠20歳。シャルケはこうした若手が輝いている。43分にはホルトビーの縦パスをフンテラールが落とし、ドラクスラーのスルーパスにプッキが抜け出してシュート。同点ながら、シャルケが攻勢のうちに前半を終えた。
 後半もシャルケ・ペース。2分、ホルトビーから右に流してプッキがシュート。GKジュルドランがナイスセーブ。そして7分、ドラクスラーがドリブルでPA内に侵入。あれよあれよとDFを数人抜いてGKと一対一。と、後ろから右SBボカリが足を引っ掛けて倒す。PK。そしてボカリは一発レッドカードで退場。これをフンテラールが難なく決めてシャルケが2点目。勝ち越した。
 しかしこの時の倒れ方が悪く、ドラクスラーが左手を骨折。アフェライとの交代を余儀なくされる。バルセロナからレンタル移籍のアフェライもけっして悪くはなかったが、まだ連携がイマイチ。ドリブルでボールを失ったり、パスがつながらないシーンもあって、シャルケの攻撃に前半ほどの躍動感がなくなってしまった。一人少なくなったモンペリエが守備を固めたということもあったかもしれない。
 それでも20分にはアフェライのスルーパスホルトビーが抜け出して、クロスにフンテラールボレーシュートシャルケが余裕でパスを回し、一人少なくなったモンペリエを圧倒する。しかしその余裕振りが裏目に出た。
 40分、アフェライミドルシュート。GKジュルドランがナイスセーブ。44分には内田のスルーパスに途中交代のファルファンが抜け出してクロス。フンテラールがぴったりのタイミングで走り込むが、シュートはわずかに枠を外す。結果的にはこれが痛かった。45分には同じく途中交代のバルネッタのスルーパスフンテラールが抜け出し、シュートのタイミングはあったと思うが、右のファルファンにパス。DFにふさがれて落とすと、アフェライもDFにブロックされる。
 そしてロスタイム1分、カベリャがドリブルで右サイドを上がりクロスを、途中交代ティナンがポストに入ってDFのチェックを受けながらもがんばって落とすと、左WGカマラがシュート。ティナンのチェックから駆け戻った内田の股間を抜けてゴールに突き刺さる。ああっ! モンペリエが起死回生の同点。ゲームはこのままタイムアップ。シャルケには痛い引分けとなった。
 次は2連勝でグループ首位を走るアーセナル戦。だが、このゲームを見る限り、シャルケも十分戦えるチームだ。次のゲームも期待を持って見たい。だが、やはりドラクスラーの負傷は痛すぎると言うべきか。