とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

サンフレッチェ、勝ち越すチャンスを決め切れず、試合巧者アルアハリに屈す。

 CWC準々決勝、アフリカ代表エジプトのアルアハリと対戦したサンフレッチェは立ち上がり、早いプレス、速い攻撃を仕掛けてくるアルアハリに受け身に回ってしまった。4分には後方からのフィードにFWゲドが抜け出し、GK西川が飛び出す。うまくキャッチはしたが、ゲドの膝が顔に入り、そのまま退場してしまう。予期せぬGKの交代。控えGK増田がゴールマウスに立つ。
 出場してすぐの10分、FWハムディがスルーパス。そして15分、右SBファティがドリブルで上がると、CHアシュールとのワンツーでさらに前進。ライン際まで深くえぐってのクロスにハムディが押し込む。GK増田もファティに引き付けられ、ゴール前がおろそかになってしまった。もっともそうでなくても決められていたかもしれないが、前半序盤で痛い失点を喫した。
 しかしその後はサンフレッチェが落ち着いてボールをキープし反撃する。21分、森脇の上がりから佐藤が右に展開、森崎浩司のクロスに高萩がシュート。GKエクラミのナイスセーブに阻まれると、25分には青山のFKが壁の中を抜けて水本の前へこぼれる。フリーだったが、GKエクラミの飛び出しが早く、シュートをGKにぶつけてしまう。
 それでも32分、CKからDFのクリアを拾ったミキッチが右に流し、佐藤が抜け出してシュート。こちらは水本と違い、GKをよく見て足元を抜くゴール。これでサンフレッチェが追い付いた。
 34分、佐藤が左に展開し、清水がミドルシュート。37分、CB千葉の長いスルーパスミキッチが抜け出し、GKエクラミとの駆け引きからクロス。だが走り込んだ高萩がうまく合わせられずゴール外に出してしまう。42分、森崎浩司のスルーパスに青山が折り返すが、佐藤の前でDFがクリア。これらのうち1本でも決まっていれば結果は違った。それでも同点に追い付いた後は完全にサンフレッチェ・ペースで後半には逆転してくれるだろうと期待を持って前半を終えた。
 だが、CB森脇も腿を痛め、ファン・ソッコに後半から交代。前半34分にケガのCHガリに代わり、ベテランFWアブトレイカを投入したアルアハリは、後半、両SBを下がり気味に守備を固め、パスを回して隙を窺い、機を見て速い攻撃を仕掛けてくる。前半とサッカーを変えた。
 5分、CHに下がったサイードのスルーパスにゲドが抜け出すが、GK増田が落ち着いて対応。だが12分、右SBファティのスルーパスにFWアブトレイカが抜け出しシュート。これが決まりアルアハリにリードを許す。
 サンフレッチェの反撃がなかなかペースが上がってこない。後半のアルアハリはきちんとブロックを固めて、受け手にチェックをかけて、サンフレッチェの縦パスを封じる。それでも29分、青山のスルーパスに高萩が抜け出しクロス。だが佐藤に合わない。シュートが打てなかったか。32分には中盤に高萩が下がって厳しいプレスを抜けてキープから右にサイドチェンジ。森崎浩司がつないでミキッチが中に切れ込みシュート。だがDFに当たる。35分、森崎浩司のFKに水本がヘディングシュートを放つも枠の外。
 さらに36分、森崎浩司から高萩のスルーパスに佐藤が抜け出すが、シュートはわずかにポストの右。決定的チャンスを外してしまう。40分にも高萩のスルーパスを上がった水本が落とし、青山が左に振って佐藤がシュート。だがGKエクラミが飛び出しブロック。結局最後までゴールを割ることができず、悔しくも2-1で敗戦した。
 内容では十分上回っていた。いつものサンフレッチェ・サッカーを展開した。だが決定力でもいつものサンフレッチェが出てしまった。逆にアルアハリは試合巧者。前半あれだけ押されても後半はきっちりフォーメーションを立て直し、少ないチャンスを確実に決めてきた。惜しいゲームだった。次は蔚山との5位決定戦。これにはきっと勝ってくれるだろう。勝ってくれないと困る。それだけの内容のサッカーをしているのだから。