とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

バロテッリが残っていればと思わせた、イタリア大健闘の準決勝。

 金曜日の朝テレビをつけたらちょうど延長戦後半が始まるところだった。忙しい平日の朝にのんびりテレビを見るわけにもいかず、出勤の準備をしつつ流していたら、スペインの猛攻をイタリアが守り切ってPK戦突入。気がついたらスペインの選手たちが喜んでいた。スペインが攻めて、イタリアが守り切ったのだとばかり思っていた。だが、最初から観てみると、全く違った展開。イタリアはよくがんばった。バロテッリがいれば勝利も十分可能だったと思った。1年後のW杯に可能性を感じさせるゲームだった。
 序盤2分、ペドロがミドルシュート。対するイタリアも3分、ジャッケリーニミドルシュート。基本スペインがパスを回して攻めていき、イタリアがひたすら守る展開だが、イタリアの守備がコンパクト。3バックに両SBが下がっての最終ラインに、中盤の4人がほど良い高さを保ち、スペインの進入、クサビのパスをことごとく摘み取っていく。そしてカウンター。
 15分、CBボヌッチから右SHカンドレーバが右に展開、右WBマッジョのクロスにCFジラルディーノがシュート。17分、CHピルロの絶妙のフィードにマッジョが走り込みシュート。GKカシージャスがナイスセーブ。19分、ピルロのFKにCHデロッシがヘディングシュート。さらに19分、左WBジャッケリーニがドリブルから大きく右に展開。マッジョのクロスにマルキージオがシュート。スペインはボールポゼッションは高いが、シュートすらなかなか打てない。イタリアがきちっと守っては何度もカウンターで好機を演出する。
 36分、ジャッケリーニが切り返しからクロスにマッジョが走り込んでヘディングシュート。GKカシージャスがよく飛び出してセーブする。スペインは37分、CBセルヒオ・ラモスの縦パスをCFフェルナンド・トーレスがトラップから反転してシュートを放つが、枠を外す。43分、ピルロのワンタッチの大きなサイドチェンジからジャッケリーニが左サイドを駆け上がり、切れ込んでシュートはDFにブロックされたが、こぼれ球をデロッシがシュート。これもGKカシージャスがセーブする。前半はGKカシージャスの活躍で無得点に抑えたが、イタリア・ペースで展開した。
 イタリアは後半頭からバルザーリに代えてモントリーボを投入。デロッシを右CBに下げ、モントリーボをCHに入れる。だがこれでイタリアの勢いがやや落ちた。4分、イニエスタがF.トーレスをポストにPA内に入り込んでシュート。8分、ダビド・シルバに代えて右WGにヘスス・ナバスを投入すると、ようやくいつものスペインの形が戻ってきた。
 13分にはF.トーレスの落としからナバスがシュート。GKブッフォンがナイスセーブ。19分、イニエスタがドリブルでDFを数人かわしシュート。だが、20分以降、次第にイタリアもペースを取り戻してくる。24分、マッジョスローインからカンドレーバが落として、マッジョがライン際まで抉り、クロスにマルキージオがシュート。28分、ピルロのCKにキエッリーニがヘディングシュート。だが両チーム疲れから次第に運動量が落ちてくる。
 この日のコンディションは気温30度、湿度58%。6月のブラジルはまだ暑い町から涼しい町まで都市によって気候がかなり違う。34分、イタリアはマルキージオに代えてアクイラーニを投入。スペインはペドロに代えてマタ。何とかフレッシュな選手たちで打開を図る。40分、F.トーレスのドリブルからナバスのクロスにCBピケが上がってシュート。41分、ナバスのシュートはGKブッフォンの正面。45分、ナバスのクロスをF.トーレスが落としてマタがシュート。だが、お互いの守備が堅く、どうしてもゴールできないまま延長戦に突入した。
 後半終了間際、足の不調を訴えたジラルディーノに代わり、延長戦最初にジョビンコを投入。3分、カンドレーバのクロスにジョビンコが前でつぶれ、ジャッケリーニがシュート。ポストを叩く。イタリア攻勢。特にカンドレーバの運動量がすごい。すると4分、スペインがF.トーレスに代えてハビ・マルティネスを投入。えっ、マルティネスをCFに起用した。
 5分、FKのクリアをピケがシュート。だがイタリアの守備の寄せが速い。6分、CKからCBピケがヘディングシュート。7分、CKからCBセルヒオ・ラモスがシュート。さらに9分、イニエスタのドリブルから左SBアルバがシュート。スペインが猛攻。イタリアが必死の守備。疲れが目立つ。それでも守り切って、延長戦は後半に突入。
 延長後半もスペインが攻勢。4分、アルバのクロスにマタがシュート。10分、CHシャビのミドルシュートをGKブッフォンがセーブ。手を弾いてポストにはね返る。マルティネスのシュートは枠を外す。11分、ナバスのシュートもわずかにGKブッフォンが手に触って弾き出した。アディショナルタイム3分もスペインが攻め込むが、イタリアが守り切った。ついにPK戦突入。
 だがPK戦もすごい。6人目まで一人も外さず、GKにかすらせもせず。だがイタリアの7人目。ボヌッチがバーの上に外す。そしてスペインの最後、ナバスがきっちり決めてスペインが決着をつけた。決勝進出。
 これで決勝戦は期待どおり、ブラジルとスペインの対戦となった。だがコンディションはかなり違う。アウェイの洗礼の中でスペインが無敗記録を続けられるのか。ネオマールがスペインの堅守をどうこじ開けるか、興味は尽きない。だがそれ以上にイタリアの健闘を称えたい。これは確実にW杯につながる。バロテッリが健在な状態で、もう一度スペインとの対戦を見てみたい。