とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

皇后杯 決勝 レッズレディース対ベレーザ

 今シーズンの終盤から皇后杯にかけて、レッズレディースのゲームはよく見てきたが、ベレーザのゲームはあまり観る機会がなかった。田中美南をワントップに長谷川、籾木、隅田と若い選手を前線に並べ、坂口や原、岩清水といったベテラン勢が中盤から守備を引き締めるベレーザ。対するレッズレディースは、猶本が復調しない中、FWに後藤と吉良を並べ、斉藤を右SHに置く形が定着して結果を出してきた。
 序盤、レッズレディースが高い位置からプレスをかけてベレーザの攻撃を分断していく。しかしベレーザも中盤でよく闘い、次第に互角の展開になっていく。9分、ベレーザは右SB清水が右サイドを抜け出し、そのまま中へ絞ってクロスに左SB有吉が受けてシュート。しかしDFにブロックされる。
 その後も互角の展開が続くが、19分、CH坂口の縦パスをCF田中が受けて、よくキープをすると、OH籾木が抜け出しそのままシュート。いったんはGK池田がセーブするが、こぼれ球に田中が詰めてシュート。ベレーザが鮮やかな攻撃で先制点を挙げる。
 その後もなかなか前線にボールが収まらないレッズレディース。すると28分、早いタイミングで右SH斉藤に代えてFW清家を投入する。準決勝と同じ、吉良を右SHに回す。しかしベレーザが積極的。32分、OH籾木がミドルシュート。さらに33分には右SH隅田からCF田中のクロスにOH隅田が飛び込む。ヘディングはわずかに合わなかったが、若い攻撃陣が積極的だ。
 対するレッズレディースはプレスがはまらない。ベレーザが巧くパスを回して、レッズのプレスをかわしていく。38分、CH柴田がミドルシュート。レッズレディースは柴田のミドルシュートしかシュートが打てない。40分過ぎ、ベレーザが押し込むシーンがあり、また前半終盤にはレッズレディースがパスを回して前に攻め込む。ベレーザの攻撃力が上回った前半だった。
 レッズレディースは後半頭から左SB和田に代えて臼井を投入する。しかし後半に入ってもベレーザが積極的。若い選手がよく走る。レッズレディースは6分、CH柴田がボールを奪い、右SH吉良の落としからCH岸川がミドルシュート。しかしわずかにバーの上を超えていく。その後もベレーザが押し込むシーンが続いた。
 レッズは19分、臼井のCKからCB高畑がヘディングシュート。枠に入らない。その後、FW清家の仕掛け、左SB臼井のクロスから反撃にかかる。CH柴田もよくフォローし、ドリブルがアクセントになっていた。が、ベレーザの運動量がそれを上回る。27分、CH坂口から左に流し、左SH長谷川のクロスのクリアから坂口がミドルシュート。GK池田がファインセーブ。直後のCKにはCB岩清水がヘディングシュートを放つ。29分、CH岸川からボールを奪った左SH長谷川がドリブルで仕掛けてシュートを放つ。レッズも33分、FW後藤がミドルシュートを放つが、GK山下がキャッチした。
 37分、カウンターからOH籾木が攻め上がる。が、時間と展開を考えてか、無理に攻めるのをやめてボールを戻し、パスをつないでいく。若さに似合わない試合巧者ぶりだ。また、CF田中が前線でよくボールを収めていたのも効いていた。考えてみればゴールシーンも田中のキープが光った。
 42分、FW清家のドリブルからCH柴田が拾ってさらにドリブル。クロスに左SH加藤が走りこむがシュートが打てない。ベレーザの守備が光ったシーンだ。その後もタイムアップまで見応えのある攻防が続く。結局、そのまま押し切って1-0でベレーザが勝利。5年ぶりに皇后杯優勝を決めた。
 1-0という最小得失点のゲームだったが、十分見応えのあるゲームだった。ベレーザの若い力。阪口、岩清水らベテランの力。また、後藤を始めレッズレディースの選手たちの気持ちのこもったプレー振りも心を打った。惜しむらくは猶本がいればもっと展開力のあるゲームになっていただろう。それが残念。でも楽しかった。新年早々、いいゲームを見せてもらった。