とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セリエA 第21節 ミラン対パルマ

 アジア杯から戻った本田がさっそく先発したミラン。左SHで新境地を開いた的な評価を見て興味を持った。だがキックオフ時は右SH。しかも4-4-2の布陣。そして新加入のメンバーが多く先発している。FWはメネズとデストロ。左SHにチェルチ。CHはポーリとファンヒルケン。SBは右にザッカルド、左にボッケッティフェルナンド・トーレスアトレチコ・マドリード移籍は知っていたが、エルシャラウィもボナベントゥーラもアバーテメクセスもデシーリョもサパタも負傷。それでこのメンバーが組めるというのはある意味すごいのかもしれない。
 相手は最下位のパルマ。なあんだ、だから快勝!と思ったら、序盤膠着状態でなかなかミランが攻め込んでいけない。それでも次第に優勢となって、17分、CHポーリから右サイドに展開したパスを右SBザッカルドがヘッドで折り返すと、これが守備に入ったパルマのFWクリスチャン・ロドリゲスの手に当たってPK。メネズが確実に決めて、ミランが先制する。
 21分には左SHチェルチのFKを右SH本田がヘッドでつなぎ、さらにもう一人、ヘッドで前に送ったボールに右SBザッカルドが詰めてシュート。ネットを揺すったが、オフサイドの判定。ところが24分、今度はパルマのFKをCHガッロッパが蹴ると、FWロドリゲスが落として、DFに当たりこぼれたところをOHノチェリーノがシュート。パルマがすぐに同点に追いついた。ミランの守備はゴール前で相変わらず安定感に欠ける。
 追いつかれたミランは30分前くらいに本田とチェルチの位置を入れ替える。SBとの相性かな。仕掛けるチェルチとボールをキープして落ち着かせ、味方を使う本田。右SHチェルチがいよいよ躍動感を披露する。
 32分、CBアレックスの強烈なFKがポストを叩く。跳ね返りをCBラミがシュートするが、枠を外す。35分、CHファンヒルケンのフィードからFWデストロがヘディングシュート。パルマも37分、OHノチェリーノのクロスにCFパッラディーノがミドルシュート。39分、FWクリスチャン・ロドリゲスがボールを奪い、右に流して右FWバレラがミドルシュート。GKディエゴ・ロペスがナイスセーブ。DFのクリアをOHノチェリーノがシュート。これもGKディエゴ・ロペスがセーブする。パルマも互角に戦う。44分、右SHチェルチの縦パスに上がった右SBザッカルドがクロス。左SH本田がFWデストロに流すが、シュートはDFにブロックされた。前半は1-1で終えた。
 ミランは後半頭からCHファンヒンケルに代えてエッシェンを投入。やはり中盤の守備の安定がほしい。後半も序盤はミランが攻めていく。パルマはしっかり守ってカウンター攻撃。そして12分、右SHチェルチが右サイドをドリブルで駆け上がり、メネズに預けると、中に切れ込んでシュート。ゴールに突き刺してミランが追加点を挙げる。
 その後はミラン・ペース。パルマも19分、カウンターからDFのクリアをFWクリスチャン・ロドリゲスがシュート。強烈なシュートだったが、GKディエゴ・ロペスが正面でキャッチする。27分にはCFパッラディーノがミドルシュート
 ミランは28分、FWデストロに代えてムンタリを投入。メネズをワントップにする4-3-3の陣形。メネズが自由に動き回る実質ゼロトップはこれまでもよく見てきた形だ。29分、本田がDFをかわして縦にパスを入れると、抜け出したCHムンタリがヘッドでCFメネズに落とし、右に流すと、右FWチェルチがシュート。GKミランテがナイスセーブではね返す。そして31分、右SBザッカルドが縦に送ると、CFメネズがドリブルで持ち込む。本田もゴール前に上がってDFを引き付けると、メネズの流したパスに右SBザッカルドが走り込みシュート。ミランが3点目を挙げて突き放した。
 その後はミランが守備を固める。35分、FWロドリゲスミドルシュートもGKディエゴ・ロペスが正面でキャッチ。このままアディショナルタイム3分まで守り切って、3-1。ミランがようやく2015年初めての勝利を挙げた。
 本田の左SHが効いていたのかはよくわからないが、右SHチェルチが生き生きと躍動したのは確か。たぶん対照的に守備力もあり、ゲームも作れる本田を左サイドに置くことはチームを落ち着かせるのだろう。そういえば故障者も含めて本田と似たタイプのMFはいない。SBがアバーテやデシーリョのような攻撃力のあるタイプだと本田との相性がいいのはこれまでも実証してきたが、チェルチの逆サイドという意味でも本田は役に立つ選手なのだろう。
 これで8位に上がったミラン。次節は首位ユベントスとの対戦だ。ここは一発、いいサッカーを見せてほしい。本田の活躍を期待したい。