とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セリエA 第22節 ユベントス対ミラン

 本田が戻ってようやく今年になっての初勝利を挙げたミラン。第22節の相手は首位ユベントスパルマ戦で2トップの一角でいいプレーを見せていたデストロが出場停止で使えず、なんと本田をトップ下で起用してきた。左SHはムンタリ。本田にとっては念願のトップ下のはずだが、インザーギ監督の意図はピルロに対する守備。その点ではそれなりに役割を果たしていたが、攻撃面で自由に動けず、周りとの距離も遠い。攻撃面で活躍する場面はほとんど見られなかった。
 2分、FWモラタのミドルシュート。6分、OHビダルがFWテベスとのワンツーからミドルシュートピルロが封じられても、前線の攻撃陣は躍動し、ユベントスが一方的に攻めていく。そして14分、右SBパドインのスローインをDFがはね返したボールをFWモラタが縦にパス。これにFWテベスが反応し、DFラインを抜け出してそのままゴール。ユベントスが早い時間帯で先制した。もっともテベスの位置は完全にオフサイドに見える。ミランにとっては残念な失点。早い時間の失点でゲームプランが大きく狂った。
 その後もユベントスが気持ちよく攻めていく。22分、ピルロのFKを左SBエブラが落とす。ムンタリが何とかクリア。25分、ピルロのFKにもう一度左SBエブラがヘディングシュート。26分、テベスミドルシュートミランも攻めようとするが、ユベントスのプレスが速く、なかなか自由に攻めていけない。ユベントスが多彩な攻めでゴール前に迫ると、ミランは守備が後手に回る。28分、OH本田がPA前でキープするが、味方がいない。囲まれて奪われる。
 それでも28分、CKを得ると、右SHチェルチが蹴ったボールに左SBアントネッリがヘディングシュート。ミランが同点に追いつく。これでミランも乗っていけるかと思った直後の31分。FWテベスが右サイドをえぐってのクロスをDFがクリア。これをPA内でムンタリがキープ。ところがすぐに右IHマルキージオが詰めてボールを奪い、ミドルシュート。これは何とかGKディエゴ・ロペスがファインセーブで弾きだすが、ピルロのCKにGKディエゴ・ロペスのパンチングが甘く、FWテベスがヘディングでつないでCBボヌッチがシュート。あっという間にユベントスが勝ち越した。
 その後はユベントスがいきいき。34分、FWテベスミドルシュート。41分、ピルロのCKにCBボヌッチがヘディングシュート。GKディエゴ・ロペスがファインセーブ。アディショナルタイムにもテベスミドルシュート。前半は点差以上にユベントスが圧倒した。ミランは37分に体調不良でメネズがパッツィーニに途中交代。本田との絡みどころかボールに触る場面もほとんどなかった。
 後半に入り、2分、右SHチェルチのスルーパスにCFパッツィーニがシュート。9分にも左SBアントネッリのスルーパスにCFパッツィーニが抜け出してGKブッフォンと一対一。しかしシュートはGKブッフォンに止められた。チャンスを生かせない。本田にはボールは収まるのだが、そこからパスを展開できない。後半序盤はミランが攻めていったが、ユベントスがしっかりとプレスをかけて守る。
 17分、ミランはCHポーリに代えて左SHボナベントゥーラを投入。ムンタリを本来のポジションであるCHに下げる。しかし20分、中盤でボールを持ったCHムンタリユベントスのCHポグバがプレスをかけてボールを奪うと、CHエッシェンもかわして持ち上がり、スルーパスはDFにカットされたが、こぼれ球をFWテベスが右に送って右IHマルキージオミドルシュート。いったんはGKディエゴ・ロペスがはね返すが、FWモラタが詰めて押し込む。ユベントスがダメ押しの3点目を挙げた。
 反撃せざるを得ないミランは、本田のトップ下での守備をやめて、いつもの右SHに回し、チェルチをFWに上げる。27分、右SH本田がFWパッツィーニへクロス。しかしCHピルロがクリア。さらに左SHボナベントゥーラがミドルシュート。しかしミランも28分、FWテベスが左IHポグバとのワンツーからシュートを放つ。その後もミランが攻めていく。38分のFWテベス、右SBパドイン、OHビダルが連動した攻撃は迫力があった。最後はCHピルロのスルーパスに右IHマルキージオがシュート。GKディエゴ・ロペスがファインセーブ。最後はCBオグボンナを投入して3バックにし、ユベントスが守り切った。
 はっきりいって実力的にユベントスとの差は大きかった。それでも本田の守備的トップ下起用、さらに後半のポジションチェンジなど、インザーギ監督もできることをやった。次節以降、デストロが復帰してくればまたそれなりのサッカーを見せてくれんじゃないか。今のミランのサッカーにそれほど悲観はしていない。中でも本田が守備に攻撃に貴重な存在となっている。今のミランは本田あってのミランと言える。