とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アジア大会女子決勝 日本対中国

 優勝、おめでとう! それでもゲーム終了後に高倉監督が言っていたように「まだ課題が多い」。いや、でも苦しいゲームだったが、よくがんばった。耐え抜いた末に掴んだ金メダルだった。日本はCF岩渕の下に長谷川を置く4-2-3-1の布陣。籾木を右SHで先発させ、中島を左SHに回した。CHは有吉と隅田。左SBには阪口萌乃が戻った。対する中国は4-4-2。王珊珊と李影の2トップだ。

 前半序盤から中国が積極的に攻めてきた。2分、左SB韓鵬のクロスに右SH王霜がシュートを放つ。その後も中国のペース。7分、右SH王霜のミドルシュートは右に外れる。12分、GK山下がはね返したボールをCHヤン・リーナーがミドルシュート。さらに13分にはCHヤsン・リーナーがフリーで抜け出す。何とかCB鮫島が追い付いて、寄せて、クリア。しかし中国のプレスが早い。日本がボールを持ってもすぐに囲まれて前に送れない。ボール保持率は日本の方が高いというのだが、DFラインでボールを回すばかり。17分にはFW王珊珊のドリブルから、戻しを左SH古雅沙がミドルシュート。GK山下がファインセーブで弾き出す。

 前半31分、FW岩渕のミドルシュートが日本初めてのシュート。だがこれとてすぐにDFがブロックする。33分、FW王珊珊がシュート。34分にはCHヤン・リーナーのクロスにFW李影がヘディングシュート。GK山下がナイスセーブ。日本もようやく41分、左SB阪口のクロスを右SH籾木が落とし、OH長谷川がミドルシュート。しかしこれもDFにブロックされた。43分には左SH古雅沙のクロスにFW李影がヘディングシュート。GK山下がキャッチした。前半は0-0。日本が守り抜いてのスコアレスだった。

 後半も同じような展開が続く。8分、右SH王霜のスルーパスにFW王珊珊が抜け出す。が、CB三宅が競り合って、スライディング。最後はGK山下が抑えた。しかし後半に入ると日本も次第に攻められるようになってくる。球際厳しい中国の寄せに対して日本も激しく対応。ピッチ全体で厳しいボールの奪い合いが続く。日本は11分、籾木に代えてFW菅澤を投入。岩渕と並べ、中島を右SHへ、長谷川を左SHに戻す。

 12分、CH隅田の不用意な横パスをCH張睿がカットして、右に流してFW李影がシュート。しかし中国のシュートはことごとく外れる。中国も15分、李影に代えてFW趙容を投入する。18分にはCHヤン・リーナーのスルーパスに右SH王霜が抜け出す。しかしCB鮫島が寄せて、シュートは枠を外した。この時間辺りから日本もようやく攻められるようになってくる。20分にはFW岩渕がミドルシュート

 中国もさすがに後半になると運動量が落ちてきたが、それでもここぞという場面では全力。29分、CH張睿のスルーパスにFW趙容が走り込んでシュート。そして31分、FW王珊珊がドリブルで左サイドを駆け上がると、クロスをFW趙容が右に流して、左SH古雅沙がミドルシュート。しかしこれもGK山下がビッグセーブ。何とかバーの上に弾き出した。続くCKから右SH王霜のクロスのこぼれをFW王珊珊がミドルシュート。しかしこれも枠を外した。このまま延長戦かなと思い始めた後半45分、右SB清水のフィードをFW岩渕が収めて右に展開。右SH中島が走り込むと、クロスにFW菅澤がダイビングヘッド。これが決まり、ついに日本が先制点を挙げた。すごい! そしてアディショナルタイム3分もしっかりと守り切った。1-0。日本が勝利。アジア大会2大会ぶりの優勝を遂げた。

 おめでとう。何より粘り強い守備が光った。鮫島に引っ張られてCB三宅も成長した。このゲームでは右SB清水やCH隅田にミスが多かったが、若い彼女らにはこれも大きな経験になるだろう。そしてGK山下がよかった。大会を通してビッグセーブで再三チームを守った。落ち着いた足によるプレーもよかった。今大会は熊谷も宇津木も阪口もいない中で、この結果を果たしたことは、若い選手たちにとって大きな経験となり、糧となる。しかし高倉監督が言うように、まだまだ課題は多い。来年のW杯に向けて、さらに積み上げていこう。でもまずはこの結果を喜びたい。おめでとう、なでしこジャパン