とんま天狗は雲の上

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クラブワールドカップ3位決定戦 リバープレート対鹿島アントラーズ

 レアル・マドリードとの準決勝は0-3と敗北したアントラーズ。しかし3位決定戦では南米王者のリバープレートと対戦できる。この幸運を糧にしなくては。「レアル戦は相手をリスペクトし過ぎた」とはジーコの言葉。このゲームでは挑戦者として向かっていく気持ちが見えていた。アントラーズはレアル戦から、左SB安西、右SB内田、CB犬飼の3人を交代。CB昌子はケガとのこと。対するリバープレートは18歳アルバレスとボレーの2トップ。トップ下のパラシオスは20歳。右SHデラクルスは21歳と若い選手が攻撃陣を作る。アンカーは25歳スクリーニが控え、CBは35歳ピラノとクアルタで組む。

 序盤は準決勝で敗れたリバープレートが雪辱を期して積極的に攻めてくる。1分、FWアルバレスミドルシュートを放つと、3分にはFWアルバレスがCB犬飼を背負って向きを変え、クロスにFWボレーがミドルシュートを放つ。GKクォンスンテがナイスセーブ。6分には右SHデラクルスの縦パスにFWボレーが走り込む。GKクォンスンテが飛び出すが、交錯してGKクォンスンテが起き上がれない。この中断でようやくアントラーズも落ち着き出した。11分、右SH遠藤のCKをCB犬飼がヘディング。ファーに外れたところをCBチョンスンヒョンがシュート。しかしGKルクスがファインセーブ。ゴールならず。その後も12分、左SB安西のミドルシュート。14分にはFWセルジーニョミドルシュートアントラーズ・ペースでゲームは進む。

 しかし23分、右SBモレイラのクロスをCBチョンスンヒョンがヘディング。あわやオウンゴールになりそうだったが、このプレーの後、GKクォンスンテが足のケガでプレーを断念。曽ヶ端に交代した。直後24分のCK。右SHデラクルスが蹴ると、CHスクリーニがヘディングシュート。これが決まり、リバープレートが先制点を挙げた。GK曽ヶ端はボールに触ることなく、ゴールを許した。しかし25分には左SBカスコのクロスをFWアルバレスがシュートするが、これはGK曽ヶ端がファインセーブ。これでゲームが変わるかと期待した。

 33分、FWボレーの仕掛けをCB犬飼が倒して得た右SHデラクルスのFKはGK曽ヶ端がパンチングでクリア。44分、左SH安倍がドリブルからシュート。CBピノラがブロック。はね返りを左SB安西がシュートするが、バーを叩いてはね返された。前半は惜しい場面もあったがアントラーズは無得点。リバープレートの1点リードで折り返した。

 するとリバープレートは後半頭から右SHキンテロ、CHフェルナンデスを投入。より攻撃的な4-4-2の布陣に変更する。キンテロと言えば、W杯コロンビア戦で日本が同点のFKを浴びた選手。嫌な記憶が蘇る。5分、CHフェルナンデスの仕掛けをCBチョンスンヒョンが倒して、PA手前で右SHキンテロがFK。だがこれは壁に当てた。その後は互角の展開が続く。14分、CHフェルナンデスから左サイドにサイドチェンジ。左SBカスコのクロスにFWボレーがミドルシュートを放つが、CBチョンスンヒョンがブロックする。15分には右SHキンテロのスルーパスにFWボレーが抜け出してシュート。ネットを揺するが、オフサイドの判定。逆に18分、FWセルジーニョのスルーパスにFW土居が抜け出す。切り返してミドルシュートを放つが、GKルクスがファインセーブ。ゴールを決められない。

 アントラーズは20分、右SH遠藤に代えて西を投入。リバープレートも24分、左SHデラクルスを下げてゴンサロ・マルティネスを投入する。元日本代表監督岡田氏が絶賛。すると28分、右SHキンテロのクロスをFWアルバレスが絶妙のトラップ。左に流して、左SHゴンサロ・マルティネスがシュート。リバープレートが追加点を挙げた。

 次第に動きが落ちてきたアントラーズだが、31分、右SB内田に代えてベテラン39歳CH小笠原を投入。気力を注入する。西が右SBに下がり、永木が右SH。すると36分、左SH安倍のクロスにFW土居がボレーシュート。39分、FW土居がドリブルで仕掛け、切り返してミドルシュート。しかし今度はバーを叩く。42分、CHレオシルバが倒されて得たFKを右SH永木が蹴るが、これもバーを叩く。さらにDFのクリアをCH小笠原が拾い、ミドルシュートを放つが、枠を捉えられない。

 すると43分、FWアルバレスの縦パスにFWボレーが走り込み、堪らずCB犬飼が倒す。このPKをボレーが決めて、リバープレートが3点目。ゲームを決めた。すると45分には右SHキンテロのクロス性のシュートをGK曽ヶ端がセーブ。CB犬飼のクリアをFWアルバレスミドルシュート。45+1分、右SHキンテロのミドルシュートはGK曽ヶ端がナイスセーブ。さらにFWボレーがシュートを放つが、これもGK曽ヶ端がナイスセーブした。45+2分にも右SHキンテロがミドルシュート。そして45+3分、左SHゴンサロ・マルティネスが左サイドから仕掛け、詰め寄ったCBチョンスンヒョンの上を抜くループシュート。GK曽ヶ端も触れず、右サイドのネット内側を揺らした。ゴール。4点目。そしてタイムアップ。4-0。終わってみればリバープレートが完勝したゲームだった。

 最後のゴンサロ・マルティネスのシュートがすごかった。一方、アントラーズは土居の再三のミドルシュートがGKの攻守やバーに当ててゴールならず。他にも左SB]安西や右SH永木がバーに当てるシュート。内容的には必ずしも決定的に劣っていたわけではなかったが、決定力の違いには大きな差があった。それでもこの経験は土居や安倍、安西、犬飼ら若い選手にとって大きな経験になったはず。特に安部にはこの経験を東京五輪に生かしてほしい。そして来年のクラブワールドカップは・・・日本開催かと思ったら、まだ開催国が決まっていない。やれやれ。確かに開催国のアルアインが決勝進出するようでは、FIFAの思惑と違っているかも。2021年からはレギュレーションの大幅な変更も予定されている。ひょっとして最後のクラブワールドカップになるのかもしれない。さて次はレアル対アルアインの決勝戦でも観ることにしよう。