アントラーズは準決勝でレアルに敗退したが、代わってアルアインが決勝でレアル・マドリードに挑戦する。塩谷が左SBでこの大会では既に1ゴールを決めている。2年前にアントラーズにいたカイオはFWで先発。布陣は4-4-2。FWベリはスウェーデン代表、右SHエルシャハトはエジプト代表、GKエイサとCBファイズはUAE代表と、実力のある選手が先発している。対するレアル・マドリードは準決勝と同じ先発。ジョレンテをアンカーに置く4-3-3の布陣だ。
序盤、準決勝とは違い、レアルが積極的に攻めていく。4分、CHジョレンテがドリブルで仕掛けて右WGルーカス・バスケスにクロス。DFクリアからのCKに左SBマルセロがミドルシュート。アルアインも5分、CHアブドゥルマフマンのスルーパスにFWベリが走り込み、右SHエルシャハトへパス。しかしDFがブロックした。その後はレアルもペースを落とし、落ち着いた展開となってくる。12分、CFベンゼマの仕掛けから右IHモドリッチのスルーパスにベンゼマがシュート。逆にアルアインも13分、左SBマルセロのバックパスを右SHエルシャハトが奪って、ドリブルでゴール前に切り込んでシュート。だがCBセルヒオ・ラモスがブロックする。
このままのペースで続くのかなと思った14分、右WGルーカス・バスケスのクロスをCFベンゼマが落とし、右IHモドリッチがミドルシュート。これがきれいにゴール左隅に決まり、レアル・マドリードが先制点を挙げた。あっという間の出来事。するとゲームはすっかりレアルのペースとなる。17分、CFベンゼマのポストから右SBカニバハルのクロスに右WGルーカス・バスケスがミドルシュート。21分、左SBマルセロのクロスに左WGベイルがシュート。これはGKエイサがナイスセーブ。さらに左WGベイルが仕掛けて、クロスにCFベンゼマがシュート。これで得たCKからCBセルヒオ・ラモスがヘディングシュート。レアルが一方的に攻めるが、アルアインも何とかゴール前で守る。
しかし攻撃の芽も掴めないアルアインは25分過ぎ位からFWカイオを左SHに下げたり、左右のSHを入れ替えたりと工夫をするが、レアルの堅い守りは崩せない。35分には右SBカルバハルの縦パスに右WGルーカス・バスケスが走り込み、クロスにCFベンゼマがシュート。わずかにバーの上。39分には左IHクロースのCKに左WGベイルがヘディングシュート。GKエーサがファインセーブ。続くCKに今度は右IHモドリッチがミドルシュート。しかしこれもGKエイサがファインセーブで弾き出した。さらに42分、右IHモドリッチの大きなサイドチェンジから左SBマルセロの縦パスにCFベンゼマが走り込み、クロスに左WGベイルがシュート。レアルが攻めていくが、アルアインが守る。前半は1-0で折り返した。
後半もレアルが主導権を握る。5分、右IHモドリッチのドリブルからクロスのこぼれを右WGルーカス・バスケスがヘディングシュート。DFのクリアを左WGベイルがオーバーヘッドで狙うが、バーの上を超えた。8分には左SBマルセロのスルーパスに左WGベイルが走り込み、クロスにCFベンゼマがシュート。ポスト右に外す。アルアインも10分、CHアブドゥルラフマンのパスから左SHヤスラムがシュート。だが枠を捉えられない。すると15分、右WGルーカス・バスケスのパスからCFベンゼマが右IHモドリッチとワンツー。シュートはGKエイサにセーブされたが、続く左IHクロースのCKのクリアをCHジョレンテがダイレクト・ボレー。これがゴールに突き刺さり、レアルが追加点を挙げた。
17分、アルアインも右SHエルシャハトのクロスを左SB塩谷がヘディング折り返すが、CFベリにわずかに届かない。19分、FWカイオのミドルシュートもDFにブロックされた。その直後、アルアインは右SBアハマドをアルアーバビに交代。レアルは20分、左IHクロースのスルーパスに左WGベイルが抜け出しシュート。GKエイサがナイスセーブで弾き返す。22分、アルアインはCHモハメド・アブドゥルラフマンに代えてアメル・アブドゥルラフマンを投入。レアルも25分、左IHクロースをダニ・セバジェスに交代する。29分、アルアインはGKエイサのフィードにFWカイオが抜け出してGKと一対一。シュートはGKクルトワにはね返されたが、もう一度拾って、クロスに左SHヤスラムがシュート。しかし枠を捉えられない。直後の30分、アルアインはCFベリを下げてCBナデルを投入。ファイズを左SBに移し、塩谷が右SBに回る。エルシャハトをFWに上げて、アルアーバビが右SH。
しかし33分、右IHモドリッチのCKにCBセルヒオ・ラモスがドンピシャ・ヘディングシュート。レアル・マドリードが3点目。37分にはCHジョレンテに代えてカゼミーロ、39分にはルーカス・バスケスを下げて、左WGビニシウスを投入する。そして41分、中盤深い位置からのFKをカイオが蹴ると、右SB塩谷がニアに走り込み、ヘディングシュート。GKの頭を超えてゴールに吸い込まれた。ようやくアルアインが1点を返した。それもカイオから塩谷と、元Jリーガー同士の連携から。
これはうれしかったが、レアルの攻撃は止まらない。45+1分。左SBマルセロのFKによる縦パスに左WGビニシウスが走り込みシュート。CBナデルがクリアしようとしたが、足に当たってゴールに飛び込んだ。オウンゴール。レアルが4点目を挙げた。そしてタイムアップ。4-1。クラブW杯決勝はレアル・マドリードが順当に勝利。3連覇を飾った。
しかし、欧州対南米のゲームが観られず、代わりにアントラーズが両者と対戦することになったのは、アントラーズにとってはよかったが、FIFAにとっては必ずしも歓迎すべきことではないのだろう。レアルにとても、アントラーズ、アルアインとアジアのチームとの緩い2ゲームによる優勝ではイマイチ達成感に乏しい。こんなことなら、カップだけもらって、ラ・リーガのゲームでもこなしていた方がよほどか強化につながった、などと思ってはいないか。いずれにせよ、FIFAではコンフェデレーション杯の中止と絡めて、クラブW杯もレギュレーションの変更を検討している。次のクラブW杯はどうなるのだろうか。今年はアントラーズがアジア王者として出場したから観戦したが、日本からの出場チームがなければきっと決勝戦しか観なかっただろう。それなら昔のトヨタカップの方がよかった、と思うサッカーファンも多いだろう。