今季のヨーロッパリーグもブンデスリーガとラ・リーガが先週末で終わり、リーグアンとセリエAがあと1節を残すのみ。第37節、リーグアンでは酒井のマルセイユと昌子のトゥールーズが対戦した。昌子はトゥールーズへ移籍して以降、ずっと先発で出場している。ようやく初めてフランスで戦う昌子の姿を観戦した。トゥールーズは15位。降格プレーオフ圏までは勝ち点差5あるとはいうものの、少しでも勝ち点を積み上げておきたいところ。一方、マルセイユは6位。ELにも手が届かないので、気楽に戦えたかも。バロテッリが出場するかなと思ったけど、ベンチにも入っていなかった。両チームの選手を列記しても知らない選手が多い。お互い4-2-3-1の布陣。昌子は右CB、酒井宏樹は右SBで先発した。
11分、トゥールーズはOHドゥルマズのパスをCFレヤ・イセカが落とし、左SHグラデルがシュート。14分にはOHドゥルマズのパスからCFレヤ・イセカがミドルシュート。ホームのトゥールーズが積極的に攻めていく。マルセイユも16分、左SBアマヴィのクロスのこぼれを右SB酒井が拾って、OHペイェがミドルシュート。序盤はお互い互角という感じ。積極的に攻め合う。23分、マルセイユは左SHオカンポスの仕掛けをCBジュリアンが止めて、PA手前でFKのチャンス。だが右SHトヴァンの蹴ったシュートは枠を超えた。
すると26分、トゥールーズのOHドゥルマズがドリブル。DF3人を抜いて、その中には右SB酒井もいる。シュートはGKマンダンダがナイスセーブしたが、こぼれ球を拾った左SHグラデルのクロスをCFレヤ・イセカがシュート。トゥールーズが先制点を挙げた。正直、リーグアンの中位・下位チームの技術的なレベルはそれほど高くない印象を受けた。
勢いに乗るトゥールーズは28分、右SHドセヴィのクロスを受けた左SHグラデルが右SB酒井をかわしてクロス。CFレヤ・イセカのシュートがバーを叩く。酒井もバタバタ。だが直後の29分、CHグスタボのクロスがCFジェルマンの背中に当たってコースが変わり、CHサンソンがボレーシュート。CB昌子も寄せていったが、腿に当たってゴールに飛び込んだ。マルセイユが同点に追い付いた。
するとこの後、マルセイユが優勢。33分には右SHトヴァンの縦パスに右SB酒井が走り込み、クロスを右SHトヴァンが左に送ると、DFに当たったこぼれ球をCHサンソンがシュート。GKゴイコチェアがナイスセーブ。しかしこれを再びCHグスタボが回収、右に流してSHオカンポスがシュートを放つ。これもGKゴイコチェアがナイスセーブ。トゥールーズも36分、右SHドセヴィのサイドチェンジから左SHグラデルがミドルシュート。40分にもOHドゥルマズのスルーパスに走り込んだ右SHドセヴィを左SBアマヴィが倒すと、FKをドゥルマズが狙うが、DFにブロックされる。マルセイユも42分、左SHオカンポスのドリブルから左SBアマヴィがクロス。右SHトヴァンがミドルシュートを放つが、これもDFがブロック。前半は1-1の同点で折り返した。
後半もマルセイユの方が優勢。3分、左SHオカンポスがミドルシュート。そして5分、右SHトヴァンからボールを奪った左SBシラが縦パスを送ると、これを右SB酒井がカット。縦につなぎ、右SHトヴァンのクロスを左SHオカンポスがヘディングで折り返すと、これに右SB酒井が詰めてそのままボレーシュート。ゴール右隅に決まり、マルセイユが勝ち越し点を挙げた。酒井はリーグアンに行って3年目で初ゴールを挙げた。
しかしトゥールーズもホームで負けるわけにはいかない。すぐに反撃。9分、左SHグラデルが左シラとのワンツーからミドルシュート。そして16分、左SBシラのスローインからOHドゥルマズがつないで、左SHグラデルがミドルシュート。ゴール左隅に決まり、トゥールーズが同点に追い付いた。マルセイユは直後の17分、CFジェルマンをエンジに交代する。23分、OHペイェのドリブルから右SHトヴァンがミドルシュート。25分にもCBラミのフィードのこぼれを右SHトヴァンがミドルシュート。トゥールーズも27分、このゲーム積極的にプレーする左SHグラデルがミドルシュートを放つ。
マルセイユは29分、CBラミが不調を訴え、CHストロートマンを投入。グスタボをCBに下げた。そして31分、攻め込まれた状況からCHサンソンのスルーパスに右SB酒井宏樹が抜け出すと、絶妙なクロスをCFエンジがシュート。マルセイユが再び勝ち越した。トゥールーズは34分、OHドゥルマズに代えてマヌエル・ガルシアを投入。マルセイユもOHペイェに代えてマキシム・ロペスを投入する。そして45分、CBグスタボのフィードにCFエンジが走り込み、クロスを右SHトヴァンがシュート。マルセイユが1点を追加。さらに45+1分、左SHオカンポスからCB昌子の裏にクロスを入れると、CFエンジが抜け出して、横パスを右SHトヴァンがシュート。マルセイユ5点目。いずれもCB昌子の裏を取られた形だ。トゥールーズも最後はCBジュリアンを前線に上げて攻めるが、ゴールはならず。5-2。マルセイユが大勝した。
後半30分まではほぼ互角のゲームだったが、右SB酒井宏樹の1ゴール1アシストの活躍で勝ち越すと、最後まで積極的だった右SHトヴァンがダメ押しの2ゴールを挙げてトゥールーズを突き放した。しかしやはりリーグアンはやや大味かな。CB昌子は90分通して堅実にプレーしていたが、最後の2失点は何とかならなかったか。トヴァンのゴールを決めたいという気持ちの方が上回った感じ。それでもこうしてフィジカル的にも強く、アグレッシブに攻める選手が多い環境の中で揉まれることは昌子にとっていい経験になると思う。まだCBの中では2番手という感じ。さらに経験を積んで、チームの柱となるつもりでがんばってほしい。そして酒井宏樹にはリーグアン初ゴールおめでとう。