とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

三河vs尾張

 先週のテレビ愛知「データで解析!サンデージャーナル」のテーマは「愛知県を支えているのは…どっち!? 「尾張vs三河」“お国自慢”対決」。何時も見ているわけではないが、「尾張vs三河」と言われると、思わず録画予約をして見てしまった。尾張方のゲストは漫画家の江川達也三河方はタレントの大久保佳代子。「工業力」「食文化」「教育力」の各テーマでそれぞれの特長などを紹介。レギュラー・コメンテーターの石原良純が軍配を上げるという形で、最後は2-1。尾張方の勝利で終わった。

 ゲストの性格なども少し三河方に不利じゃないかと思ったが、所詮お遊びなので、どちらの勝利でも文句は言わない。ざっと内容を紹介すると、「工業力」ではトヨタ自動車本社、並びにアイシンやデンソーなどの関連会社もある三河の方が、工業出荷額等も圧倒していることは言うまでもない。「食文化」については、「ナゴヤメシ」が全国的にも有名になったが、それを支えているのは三河八丁味噌や農畜産品。愛知県自体が農業産出額第8位の農業県でもあるが、市町村別で田原市が農業産出額全国1位になるなど、地域別には三河で7割、尾張で3割という内訳になっている。といった結果もありながら、「食文化」というテーマでは、情報発信されているのは「ナゴヤメシ」という判断から、石原良純は「尾張」に軍配を上げた。

 3つ目の「教育力」は、名古屋大学への高校別入学者数や高校での専門教育の状況などを紹介したが、人口の多い尾張の方が難関大学入学者数も多いのは当たり前。両者引分けにするという決着もあったのではないかなと思うけど、石原氏は迷いつつ、最後は「尾張」の軍配を上げた。

 ちなみに私は三河の出身。これを見ながら改めて、尾張に長く住みながらもなお、自分が三河を贔屓にしていることに気が付いた。中立的なゲストとして青森県出身の内田俊中京大学客員教授が出演しており、津軽と南部の対立の事例を述べていたが、こうした話は全国的にもよく聞く。島根県の石見と出雲なども有名だ。

 江川氏の強引なコメントの中で「三河は関東の西の端」という言葉が記憶に残っている。なるほど。江戸幕府三河出身の徳川家康が開設し、尾張出身の織田信長豊臣秀吉は京都・大阪へ進出した。すると尾張三河を分ける境川は、実に日本を東西に分ける境界と言えるのかもしれない。随分前に「へぼい じゃん・だら・りん まい・ひずるしい・おそがい よだるい・ぐろ」を投稿したことがあるが、言葉を取っても三河尾張ではだいぶ違う。 また、三河人と尾張人の気質の違いとして、三河人は辛抱強く質素で堅実。尾張人は利に聡く見栄っ張り。三河人が豊かな自然を生かし辛抱強く堅実に働いて生産した農産物や工業製品を、商才豊かな尾張人が売り捌き、利を上げる。尾張人は日頃は吝嗇でも、ここぞという時には派手に使うが、三河人は本当に必要なもの以外は購入しない。大久保佳代子がそんなことを話していたが、「大久保さん、そのとおりです」。ホント、本当に必要なもの以外は買いたくない。買おうと思わない。前に「『買う』『作る』『食べる』」でわが家の家族の性格の違いについて書いたが、これにも出身地の違いが表れているのだろうか。