とんま天狗は雲の上

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J1リーグ第6節 鹿島アントラーズvs.名古屋グランパス

 開幕5連勝でフロンターレを追う2位グランパス。開幕戦にオウンゴールで失点した後は4試合無失点。前節は横浜FCに3-0と快勝した。対するアントラーズは開幕戦エスパルスに逆転負けすると、前節は昇格組のアビスパに敗戦するなど、イマイチ調子が出ない。しかも前節のゲームで和泉と土居が負傷。関川はレッドカードで出場停止になっている。

 アントラーズの布陣は4-2-3-1。エヴェラウドをトップに、トップ下にはファンアラート。SHは右に松村、左に荒木と若い選手を並べる。ボランチは三竿とレオシルバ。DFは右SB小泉、左SB杉岡。町田と犬飼のCBにGKは沖。一方、グランパスもいつもの4-2-3-1。山崎をトップに、柿谷がトップ下に入る。両SHの先発は右にマテウス、左は相馬。米本と稲垣のボランチは変わらず、DFとGKも前節と同じ。右SBには宮原が入る。

 序盤、アントラーズが積極的に攻めていくが、グランパスも落ち着いて対応。PA付近までは攻め込まれても、シュートは打たせない。守りながら、機を見てカウンターを狙う展開はグランパスのペースだ。17分、右SH松村が左SB吉田をかわしてクロスを入れると、CFエヴェラウドに対して複数のDFが寄せて囲む。こぼれ球を左SB杉岡がミドルシュートするが、大きく枠を外した。グランパスの攻撃は21分、右SHマテウスのクロスにOH柿谷がシュート。だがこれはCB町田がブロックした。25分、マテウスのCKからクリアボールを左SB吉田が左サイドへフィード。CB中谷が収めて落とすと、左SH相馬がミドルシュート。わずかにポスト左に外す。

 30分にはマテウスが左サイドからクロスを入れると、DFのクリアをCF山崎がミドルシュート。GK沖がはね返す。さらに32分、左SH相馬のフリックから左SB吉田が抜け出し、クロスをCF山崎が左前に落とすと、OH柿谷が抜け出す。GK沖が飛び出しブロックしたが、こぼれ球を左SH相馬がクロス。右SHマテウスが詰めてシュートを放つが、ふかしてしまった。手前で山崎とDFが競り合って、ボールがよく見えなかったか。その後はアントラーズが左右のSHを入れ替えて攻めるが、グランパスの守備は崩れない。そのままスコアレスで前半を終えた。

 後半に入ると、再びアントラーズは松村が右サイドに戻る。2分、CHレオシルバのドリブルから左SH荒木が引き継いで縦パス。CFエヴェラウドの落としを左SH荒木がミドルシュートするが、左SB吉田がよく絞ってブロックする。5分にはファンアラートのFKからCFエヴェラウドがヘディングシュート。しかしDFがよく競り合って、シュートは枠を外した。さらに6分にはCHレオシルバのパスから右SH松村がミドルシュートを放つ。GKランゲラックがファインセーブ。ゴールを許さない。

 12分、グランパスは左SH相馬を下げて齋藤学を投入する。そして14分、マテウスのCKにCF山崎がDFと競り合ってヘディングで後ろへ戻すと、CH稲垣が一閃ミドルシュート。きれが決まり、ついにグランパスが先制点を挙げた。するといよいよグランパスの選手に守備の意識が高まる。アントラーズは23分、一気に4人替え。荒木と松村の両SHを下げて、右SHに遠藤、左SHは白崎。ファンアラートに代えてFWに上田綺世。CH三竿を下げて永木を投入する。布陣は4-4-2。グランパスもCF山崎を下げて、CH木本を投入。3ボランチにして布陣は4-3-3。早くも守備を固める。

 25分、遠藤のCKのクリアをCHレオシルバがミドルシュートグランパスは30分、齋藤学マテウスの左右を入れ替える。アントラーズは36分、左SB杉岡に代えて永戸を投入。しかし直後の37分、CF柿谷の反転突破をCB犬飼が手をかけて倒してしまう。2枚目のイエローカードで退場。一人少なくなってしまった。永木をCBに下げて4-3-2にして対応するが、グランパスの守備はいよいよ堅くなる。アディショナルタイムにはルーズボールを競り合って争い、イエローカードが出される場面もあったが、結局このままタイムアップ。1-0。今季4回目の1-0で開幕5連勝を飾った。

 前半はアントラーズが攻めていったが、グランパスの守備は安定し不安を感じさせない。スコアレスのまま時間が進行しても、必ず1点は取れると確信しているように、まったく慌てることはない。そして1点を取ったら確実に勝利へ向けて守備を固める。安心して見ていられる。前節ヴィッセルと引き分けたフロンターレは今節、レッズ相手に鬱憤を晴らすような5ゴール、5-0で大勝した。一方、3位のサガンアビスパ相手にドロー。これで2位グランパスとの勝ち点差は4。早くもJリーグフロンターレグランパスとマッチレースの様相を呈してきた。両者の対戦はGW明けまでない。Jリーグはしばらく代表ウィークでお休み。幸いグランパスは相馬と中谷しか代表選出された選手はいない。と思ったら、稲垣が追加召集されたが、他の選手にはこれまでの過密日程の疲れをしっかりと癒してほしい。そして、4月以降もまた全勝を続けたい。こんな強いグランパスは見たことがない。今後も期待したい。