とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア最終予選 グループB第3戦 サウジアラビアvs.日本

 1勝1敗で迎えた最終予選第3戦。2連勝のサウジアラビアと戦い、日本に戻って同じく連勝のオーストラリアと戦うという厳しい日程。初戦オマーン戦を落として、1勝1敗。もうこれ以上敗れるわけにはいかない。だが、スタジアムには満員のサウジ・サポーターが詰めかけた。試合前、吉田が「最低でもドロー」と言っていたが、果たしてそれが森保監督と共有できていたのか。先発メンバーを見ると、森保監督の思いは別にところにあったのではないかと思えてならない。もっと簡単に勝てるとサウジを舐めていたか、でなければ、漫然とこれまでの選手を起用した。

 サウジの布陣は4-2-3-1。アルシェフリをトップに、トップ下のアルファラジは中盤の底までいろいろなところに顔を出す。SHは右にアルムワラド、左はガレーブ。ボランチにアルマルキとカンノ。DFは右SBアルガナム、左SBアルシャハラニ。CBはマドゥとアルアムリ。GKはアルオワイス。日本も同じく4-2-3-1。大迫をトップに、トップ下に鎌田。右SH浅野、左SH南野。ボランチは遠藤と柴崎。DFは右SB酒井宏樹、左SBに長友。CBに吉田と冨安。GKは権田。ベンチには田中碧や守田も控える。

 前半はサウジアラビアが高いプレスからパスを回して攻めていく。序盤、押され気味だった日本は6分、CH柴崎が思い切ったミドルシュート。GKアルオワイスのナイスセーブで右上に外れた。サウジも12分、左SHガレーブのFKにCBマドゥがドンピシャのヘディングシュート。GK権田の正面で助かった。24分にはCB冨安のフィードから右SH浅野が抜け出し、クロスに左SH南野がヘディングシュート。だがGKアルオワイスがナイスセーブで弾き出す。

 日本のペースになるかと思ったが、なかなか決定機が作れない。サウジのプレスが早いのか、暑さのせいか、ミスパスも多く、日本の攻撃が繋がらない。27分にはOHアルファラジのクロスにCBアルアムリがヘディングシュート。しかし左SB長友がよく競って、シュートは枠に飛ばせない。そして29分、右アルガナムの縦パスが左SB長友に当たってこぼれると、OH鎌田が長いスルーパス。これにCF大迫が抜け出すが、シュートはGKアルオワイスがファインセーブ。ゴールならず。37分には右SB酒井のクロスにCF大迫がダイビングシュートを放つが、枠に飛ばない。しかしこれはオフサイド。45+1分、CFアルシェフリのミドルシュートはバーを越えた。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 後半も序盤、サウジが積極的に攻めてくる。5分、CH柴崎のところでボールを奪われると、CFアルシェフリがドリブルで前進。左に流して左SHガレーブがシュート。GK権田が左足一本で止めた。ビッグセーブ。しかし危なかった。柴崎は前半もパスの出し先を探しながら、ボールを奪われる場面があった。危ないなあとは思っていたのだが。攻撃が思うようにいかない中で14分、日本は両SHを交代。右SHに原口、左SHに古橋を投入する。交代直後は積極的に攻めるシーンも見られたが、次第にサウジが再びペースを取り戻していく。

 19分にはアルシェフリとガレーブに代えて、CFアルブライカンと左SHアルナジェイを投入する。25分、OHアルファラジのミドルシュートはわずかにバーの上。そして26分、右サイドでCH柴崎がCB吉田に下げたパスがずれる。これをCFアルブライカンが奪って、そのままドリブル。シュート。サウジアラビアが先制点を挙げた。28分、日本は柴崎と鎌田を下げて、守田とオナイウ阿道を投入。しかしなかなか攻撃を組み立てられない。

 33分、右SB酒井の縦パスに右SH原口が走り込むも、左SBアルシャハラニがファールで止める。古橋のFKはクリアされた。40分、右SB酒井のミドルシュートはバーの上。残り5分となって時間を使うサウジアラビア。41分にはアルマルキとアルムワラドに代えてCHアルダウリ、右SHアブドゥルハミドを投入。42分、右SH原口が切り返してクロスを入れると、左SH古橋が飛び込むが、わずかに届かない。GKアルオワイスがセーブする。44分には左SB長友のクロスにOHオナイウ阿道がワントラップからシュート。だがCBアルアムリが詰めて、ブロックした。ダイレクトで打てなかったか。45+3分にもOHアルファラジに代えてアルブレイヒを投入するなど時間を使うサウジに対して日本はなす術なし。45+1分に長友を下げて中山を投入したのは意味不明。結局このまま0-1。日本は序盤3試合で2敗と最悪のスタートとなってしまった。

 吉田が言うとおり、最低ドローでもいい試合。なのに何故に柴崎。しかも散々危ない場面を見たではないか。田中碧と遠藤のコンビを見たかった。若しくはもっと早く守田を投入して、引分け狙いでもよかった。大迫、鎌田、南野と揃えた前半もほとんど3人の連携は見られなかった。サウジの守備が良かったのかもしれないが、どうやって点を取るのかという点でしっかりとした攻撃の指示がなかったのではないか。個人頼みの攻撃。もはや日本だけが突出している時代ではない。6大会続いたW杯出場もついにここで途絶えてしまうのではないか。

 次のオーストラリアに勝ってもまだ微妙。いやこのままでは良くて引分け。最悪連敗も十分ありうる。もう狙いはオマーンとの3位争いだろう。そしてグループAの3位とのプレーオフ。だがたとえそこで勝利しても、その後には大陸間プレーオフが待っている。奇跡は起こるのか。少なくとも森保監督のままでは何も起こらない。そのことだけは断言できる。もう動かなくてはいけない。オーストラリアに負けた後では遅すぎる。でも誰に? その用意はできているのか? 田嶋会長のコメントを見る限り、監督交代の可能性など微塵も考えていなかったように思える。大丈夫だろうか。