とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ワールドカップ アジア最終予選グループB 日本vs.オマーン

 オリンピックが終わり、Jリーグが再開。ヨーロッパのリーグも開幕した。代表戦の招集メンバーがどうなるかと思ったが、そこそこ主要なメンバーは揃っている。大迫や酒井宏樹らがJリーグに復帰したことも招集を楽にしている。でも冨安がアーセナル移籍の関係で招集ならず。田中碧もいない。板倉はケガで辞退。直前には南野もケガで離脱した。一方、オマーンは1ヶ月に及ぶ代表合宿を経て、このゲームに臨んだという。準備の差が出たかもしれない。

 日本の布陣は4-2-3-1。大迫をトップに、トップ下に鎌田。右SH伊東、左SH原口。ボランチは柴崎と遠藤。右SBに酒井宏樹が入り、左SBは長友。CBに吉田と植田。GKは権田。CB植田のところがやや不安に感じる。対するオマーンは中盤ダイヤモンドの4-1-3-2。アルハジリとアルマンダル・アルアラウィ。アルヤヒアエイがトップ下に入り、右SHにアルダグバリ、左SHファワズ。アンカーはアルサーディ。DFは右SBアルハルティ、左SBアルブサイディ。CBにアルハブシとアルハミシ。GKはアルルシェイディ。もちろん知った選手は誰もいない。

 試合開始前から雨が降り続く中、序盤からお互い積極的によく攻め合う。パスを繋いで崩そうとする日本に対して、オマーンはロングボールで裏を狙い、サイドから長いクロスを放り込む。13分、DFからのフィードをFWアルハジリが落とし、FWアルマンダル・アルアラウィが仕掛ける。シュートはGK権田がナイスセーブ。14分にはCHアルサーディがミドルシュートを放った。CKを取り、積極的にシュートを放つオマーンに対して、日本はなかなかシュートまで行けない。28分、CB吉田のフィードに右SH伊東が抜け出し、シュート。しかしGKアルルシェイディがナイスセーブする。これが日本の初シュート。

 しかしその後は日本のパスが回り出す。攻める日本に対して、オマーンはしっかりブロックを作って守る。34分、右SB酒井の縦パスに走り込んだ右SH伊東がゴール前にクロス。だがCF大迫の上を通り過ぎた。終盤はまたオマーンが攻め始める。42分、左SBアルブサイディのサイドチェンジから右SHアルダグバリが落として、FWアルアラウィがシュート。CB吉田がブロック。45分、OHアルヤヒアエイのミドルシュートはGK権田がキャッチした。オマーンのカウンターにはしっかり対応しているが、攻撃が封じられた日本。前半はスコアレスで折り返した。

 後半頭から日本は左SH原口に代えて古橋を投入。古橋が序盤から積極的に攻めの姿勢を見せる。3分、左SB長友のクロスに右SH伊東がヘディング。だがやや高くうまくボールを捉えられない。ふわっと浮いてゴールに向かったところをGKアルルシェイディがクリア。CF大迫が収めて落とすと、左SH古橋が右に展開。CH遠藤がミドルシュートを放つが、DFにブロックされた。すると6分、今度はオマーンの攻撃。左SHファワズが仕掛けてサイドを抜くと、クロスにFWアルマンダル・アラウィがわずかに触り、これが左SB長友の腕に当たる。主審はPKを宣告。だがVARで確認の末、手が身体に付いていたとして、幸いPKは取り消された。

 10分、右SB酒井のクロスに左SB長友がヘディングシュートするも、ポストの左。逆に14分、CB植田がFWアルマンダル・アラウィに詰め寄られ、ボールを奪われると、こぼれ球を左SHファワズが縦に入れて、抜け出したFWアルハジリがシュート。GK権田がナイスセーブした。15分には右SHアルダグバリから左へ大きくサイドチェンジ。左SHファワズのスルーパスに左SBアルブサイディが走り込み、シュート。GK権田が弾いたボールがCB吉田に当たって、ゴールラインを割った。17分、OH鎌田がミドルシュートを放つが、DFがブロック。日本はパスを回すが、途中でカットされ、再三ゴール前まで運ばれる。

 18分、日本が右SH伊東に代えて、堂安を投入。20分にはカウンターからCF大迫がミドルシュートを放つが、GKアルルシェウディがファインセーブ。オマーンも22分、左SBアルブサイディのミドルシュートはGK権田がキャッチした。25分、OH鎌田に代えて久保を投入。オマーンもFWアルマンダル・アラウィを下げて右SHにアルシャド・アルアラウィを投入。アルダグバリをFWに上げる。39分にはアルダグバリを下げて、FWアルサビ。その後も互角のまま、ゲームは動かない。ファールを受けた右SBアルハルティが長い間倒れたまま、時間を使う。

 このままドローかと思った43分、オマーンが日本の右サイドを攻めていく。OHアルヤヒアエイが右SHアルシャド・アルアラウィとのワンツーで走り込むと、長友を振り切ってクロス。CB植田の前にFWアルサビが走り込み、シュート。ゴール。オマーンが先制点を挙げた。アディショナルタイムは5分。だがオマーンが選手交代をして時間を使う。日本も45+4分、OH久保がミドルシュートを放つが、GKの正面。結局、最後までゴールが遠かった。0-1。W杯最終予選の初戦ホームで敗戦スタートとなってしまった。

 前回ロシア大会の最終予選も初戦敗戦スタートだった。しかしその時とは少し違うのではないか。他国の準備状況も違うし、日本の準備も十分とは言えない。何より緊迫感が足りない。前回も大丈夫だったし、今回も何とかなるだろう、とった雰囲気を感じる。いや事態は前回以上に深刻だ。何より攻撃が形になっていない。大迫が徹底マークされた中で、代わりとなる強力なゴールゲッターがいない。オリンピックでも林大地に代わるストライカーは上田しかいなかったが、今回は大迫以外、みんな中盤の選手だ。しかもCBも昌子を追加招集したのみ。このままチームはカタールへ飛び、中国と対戦する。その中国はオーストラリアに0-3で敗れたが、ゲーム会場は次に日本と対戦するカタールのハリーファ国際スタジアム。中国は移動の疲れもなく、次の日本戦に臨む。

 次が正念場になるかもしれない。久しぶりに日本がW杯最終予選で敗れるかもしれない。それだけの緊張感をもって臨む覚悟があるか。森保監督の真剣さを問いたい。