とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

2023アジア大会in杭州 女子決勝 日本vs.北朝鮮

 アジア大会は男女ともフル代表の参加ではないので、ここまで時折テレビを眺めるだけで、しっかり観戦することはなかった。女子の決勝の相手は北朝鮮。だが、男子の準々決勝でのラフプレーもあって、あまり見たくないと思っていたが、21時からのキックオフということで、たまたま観ていたら、なかなかいいゲーム。録画をしていたので、最初から見直した。

 日本の布陣は4-2-3-1。千葉をトップに、トップ下に塩越。SHは右に山本柚月、左に中嶋。ボランチは脇坂と谷川。DFは右SBに天野、左SB小山。古賀と後藤のCBにGKは浅野。山本、天野、小山は昨年のU-20準優勝メンバー。また、谷川と古賀は昨年のU-17のメンバーだ。W杯出場選手は千葉だけだが、塩越らが若い選手を支えている。一方、北朝鮮の布陣は4-4-2。キムキョンヨンとアンミョンソンの2トップに、SHは右にホンソンゴク、左にチェクモク。ボランチはリハクとミョンユジョン。DFは右SBリミョンゴム、左SBウジョンシム。リクムヒャンとリヒェギョンのCBにGKはキムウンフィ。北朝鮮も20代前半の若い選手が多い。

 序盤から北朝鮮が猛攻を仕掛ける。3分、CHリハクのCKをCHミョンユジョンがフリック。FWキムキョンヨンが合わせるが、うまくヒットしない。4分にはFWアンミョンソンがキムキョンヨンとのワンツーからシュート。GK浅野がキャッチ。さらに5分にも北朝鮮が攻め込んで、CHリハクがミドルシュート。シュート精度が低いので救われるが、北朝鮮が球際強くボールを奪い、圧倒的に攻めていく。

 しかし10分、日本は右SH山本がドリブルで持ちあがると、左サイドに大きくサイドチェンジ。左SH中嶋が抜け出し、前に飛び出たGKを冷静にかわしてシュート。日本がカウンターからの初シュートで先制点を挙げた。しかしその後も北朝鮮の攻めの姿勢は衰えない。日本も積極的に縦パスを入れていくが、これがことごとく北朝鮮に奪われ、攻め込まれる。17分には左SHチェクモクがミドルシュート。18分、北朝鮮はその前のプレーで足を痛めたアンミョンソンをFWソンヒャンシムに交代。彼女も積極的にドリブルで仕掛ける。

 22分、CKの流れから右SHホンソンゴクがシュートを放つ。日本も26分、左SH中嶋が左サイドを駆け上がり、戻しをCH谷川がクロス。CF千葉がヘディングシュートするも、ポスト右に外れる。直後には北朝鮮がカウンター。FWソンヒャンシムがドリブルで抜け出すが、CB古賀がすごいスピードで追い付き、クリア。173㎝と背の高さもさることながら、その速さには驚いた。

 その後も攻める北朝鮮。そして38分、日本がCBから前に蹴り出したボールをCHが収められず、こぼれ球をCHミョンユジョンが拾うと、左SHチェクモクのスルーパスに左SBウジョンシムが走り込み、クロス。CB後藤の足に当たってこぼれたボールをFWキムジョンユンがシュート。北朝鮮がついに同点に追い付いた。日本も前半終了間際の45+2分、右SH山本の縦パスにCF千葉が走り込み、左に流すと、左SB小山がミドルシュート。GKキムウンフィがわずかに触ってファインセーブ。惜しいシュートだった。前半はここで終了。1-1の同点に折り返す。

 後半頭、日本は山本と塩越を下げて、CF上野、OH大澤を投入。千葉は右SHに回る。だが後半も序盤から北朝鮮が攻め込む。7分には左SHチェクモクが仕掛けて、クロスをFWキムキョンヨンがヘディングで落とすと、FWソンヒャンシムがオーバーヘッドシュート。何とかクリアするが、その後も北朝鮮の猛攻が続く。10分には右SBリミョンゴムのフィードにFWソンヒャンシムが走り込むが、これもCB古賀がきっちりと封じた。

 後半も守勢に回る日本は15分過ぎ位から、千葉を再びCFに戻し、大澤を右SHに回す。するとようやく日本が落ち着きを取り戻す。また16分には天野を下げて、左SBに佐々木を投入。小山を右SBに回す。すると21分、CH谷川のCKに右SH大澤が飛び込み、ヘディングシュート。これがゴールに飛び込む。日本が勝ち越し点を挙げた。さらに24分、CH谷川が切り返しからミドルシュート。これがゴールネットを揺らす。日本3点目。さらに27分、左SB佐々木のフィードにCF千葉が抜け出し、GKの左肩上を抜くシュート。日本、4点目。怒涛の3連続ゴールだ。

 31分、北朝鮮はGKのキムウンフィに代えてユソングム。さらにミョンユジョンとホンソンゴクを下げて、CHリスジョン、右SHキムチュンミを投入する。34分には左SHチェクモクがシュートも、再びCB古賀がブロック。続く左SBウジョンシムのCKにチェクモクがヘディングシュートするも、GK浅野がしっかりキャッチした。35分には中嶋に代えて、左SH田畑。しかし直後、GKからのフィードを受けようとしたところを後方からCBリクムヒャンが膝で蹴り倒すファール。結局田畑は44分にFW土方との交代を余儀なくされた。

 必死に攻める北朝鮮は40分、ソンヒャンシムに代えてFWキムヘヨンを投入。41分、CHリハクの縦パスからFWキムキョンヨンがヘディングシュートもGK浅野がキャッチ。43分、FWキムヘヨンのシュートもDFがブロック。43分、北朝鮮の中盤からの縦パスをCB後藤がヘディングするも危うくバー。さらにCFキムキョンヨンが詰めるが、最後はCB古賀がクリアした。さらに45分、CHリハクのミドルシュートはGK浅野がセーブ。そしてタイムアップ。4-1。日本が勝利して、アジア大会連覇を飾った。

 点差以上に北朝鮮が攻める時間が長かったが、日本はよく集中して守り切った。中でもCB古賀の活躍は目をひく。熊谷の後を継ぐのは彼女ではないか。しかもまだ17歳。早大から今季レッズに加入予定のCB後藤もよく守った。そして千葉のがんばり。海外選手が多い今のなでしこジャパンのメンバーにはまだ及ばないかもしれないが、確実に日本の選手層は厚くなっているし、若い選手が多いのは今後に期待が持てる。今後が楽しみになるアジア大会だった。