とんま天狗は雲の上

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パリ五輪アジア最終予選(女子) 北朝鮮vs.日本

 パリ五輪のアジア最終予選は、北朝鮮とのホーム&アウェイでの勝負。アウェイのゲーム地がなかなか決まらず、ようやくサウジアラビアに決まったのは2・3日前。移動疲れと暑さが懸念された。

 北朝鮮の布陣は3-4-3。キムキョンヨンをトップに、右WGにホンソンオク、左WGチェクンオク。ダブルボランチにジュヒョシムとミョンユジョンが並び、右WBリミョングム、左WBにウィジョンシム。CBは右から、リヘギョン、パクシンジョン、リクンヒャン。GKはパクジュミ。対する日本の布陣は4-3-3。田中美南をトップに、右WGに藤野、左WGは植木。中盤は熊谷をアンカーに、右IH長谷川、左IH長野。DFは右SB清水に左SB古賀。CBは南と高橋。GKは山下。古賀塔子は1月に18歳になったばかりのFFAアカデミー所属の高校生だ。

 開始2分、右IH長谷川のCKにCH熊谷がヘディングシュート。序盤から日本が攻めていく。14分には右IH長谷川の縦パスに左WG植木が走り込み、こぼれ球を左IH長野がミドルシュート。これは植木に当たる。しかしその直後には北朝鮮のCHジュヒョシムのフィードにCFキムキョンヨンが走り込み、シュート。あわやGK山下がかろうじて弾き出した。その後も日本がパスをつないで主導権を握り、北朝鮮は堅い守りからロングボールでCFキムキョンヨンを走らせる作戦。

 26分には、CB高橋にCFキムキョンヨンがプレスをかけて奪うと、右WGホンソンオクの落としからCHミョンユジョンがミドルシュート。GK山下がファインセーブで弾き出す。危ない。続く右WGホンソンオクのCKにCBリクンヒャンがヘディングシュート。これはバーを叩く。日本は、パスはつながるものの、なかなかシュートまで行けない。ようやく42分、右WG藤野のクロスのこぼれをCF田中がシュート。DFの足に当たりコースが変わったが、GKパクジュミが足を伸ばしてファインセーブ。ゴールは阻まれた。44分には右IH長谷川のスルーパスに左WG植木が走り込み、クロスを入れるが、右WG藤野の上を越えて、ファーへ流れていった。前半はここまで、スコアレスで折り返した。

 後半に入ると一転、北朝鮮が前からプレスをかけてきた。3分、右WGホンソンオクのフィードをCFキムキョンヨンが落とすと、左WGチェクンオクとのパス交換からCFキムキョンヨンが山なりのスルーパス。左WGチェクンオクが抜け出し、シュートを放つ。CB南がブロック。6分には右WBリミョングムのCKをCFキムキョンヨンがヘディングシュート。GK山下がナイスセーブで弾き出す。その後も攻め込む北朝鮮

 13分には左WBウィジョンシムの縦パスにCFキムキョンヨンがCB南に競り勝って前に出ると、戻しのパスをCHミョンユジョンがシュート。わずかにバーを越えたが、危ないシーンだった。それほど背が高いとも思えないが、CFキムキョンヨンによく収まる。日本も攻めようとするが、縦パスが中盤で北朝鮮の選手に引っ掛かり、なかなか前に進めない。すると14分、日本は植木に代えて、左WG中嶋を投入する。

 しかし北朝鮮のプレスが早く、優勢は変わらない。21分には右WBリミョングムがドリブルで持ち上がり、クロスはCB南がはね返したが、こぼれ球をCHミョンユジョンがミドルシュート。CH熊谷がブロックする。25分、北朝鮮はミョンユジョンとホンソンオクに代えて、CHリハクと右WGキムヒヨンを投入。日本も熊谷と長野に代えて、CH谷川と右WG清家を投入する。谷川もJFLアカデミー所属の18歳、高校生だ。布陣は藤野が右IHに下がり、長谷川が左IHに回る。ただしこの二人はよく左右を入れ替えている。

 28分、右WBリミョングムのクロスにCFキムキョンヨンがヘディングシュート。バーを叩く。危ない! 日本も29分、IH藤野がドリブルで運び、左WG中嶋にボールを預けると、クロスを右IH長谷川が落とし、CF田中がミドルシュート。だがDFがブロックし、ゴールは外れた。33分、北朝鮮はキムキョンヨンをCFソンジヒャンシムに交代。日本も42分、田中をCF千葉に交代する。終了間際の44分にはヘディングクリアをした左SB古賀がそのまま足を抑えてピッチに倒れてしまう。治療のため、外に出て、日本は一人少ない状態。肉離れなど、重症でないといいが。それでも3分間のアディショナルタイムは何とか逃げ切って、結局スコアレスドローでゲームは終えた。

 次は水曜日に国立でホームゲーム。勝った方がパリ五輪に出場できる事実上の決勝戦だ。ホームで戦えることは有利だが、このゲームでは北朝鮮の方が内容はよかった。移動距離や暑さは日本も北朝鮮も同じだとはいうが、イタリアからいったん日本に戻った熊谷は1日練習しただけでまたサウジアラビアまで移動したそうで、日頃のリーグ戦からの長旅の疲れは日本の方が厳しかったかもしれない。ネットやメディアでも厳しい声が聞こえるが、やはりホームで敗戦して、五輪切符を手放すわけにはいかない。決死の覚悟で戦うだろう。次の北朝鮮戦は必見だ。